【まごころ通信】 第11話 仕事に対する10パーセントの不安  by小峰裕子

スポーツの秋ですね。皆さんが好きな野球は、クライマックスシリーズが始まりリーグ優勝そして日本シリーズと盛り上がり、話題に事欠くことはなさそうです。一方でひと頃活躍した選手の引退が伝えられるなど、ファンとしては寂しさを感じる頃でもあります。                              現役を退くアスリートは、その理由として「競技者としての限界」を口にします。一流のアスリートは、勝利し続ける武器を持っています。しかし、いつの頃からか次第に通用しなくなり、やがて自分の役割が終わったことを自覚するのですね。もしかすると、これは仕事にも共通することではないでしょうか。「このやり方だと上手くいく」「ここが勝負のしどころだ」。仕事において優れた結果を出す事が出来る人は、ビジネス感覚という武器を必ず持ち合わせていると思うんです。ただ感覚は永遠ではありません。日常に流され、雑音に惑わされ、錆びたり衰えたりしますよね。筋肉と同じで日々の鍛錬がやはり必要なんです。仕事に自信を持つことはいいことです。ただ、「あれ?」と思うときがあるんです。それは大切にしなければいけない感覚で、流されてはいけません。方向性を誤ってしまいかねない事態に陥るからです。私は仕事に対していつも少しばかり不安を感じているくらいがちょうどいいと思います。少しばかりというのはどの程度かというと、30%だとツメが甘い感じがしますから10%くらいでしょうか。このバランスが日々の鍛錬に繋がるのかなと感じつつ、いつの日か引退のタイミングを思う日が来るのでしょう。やり切ったとか満足したとかではなく、自然に思えるようになるのかもしれません。