【まごころ通信】 第16話 自由にさせる by小峰裕子

仕事上の関係はもちろん、子育てや夫婦において、また恋人や友達同士でも「こうあって欲しい」と願うあまり、小言が増えたりぎくしゃくする事、ありませんか。相手に良くなって欲しいと思っているだけなのですが、どうも自分の発言は歓迎されてないらしいと感じる時は悲しいですよね。果てしなく大きな壁を見上げているような気持ちになります。

あるとき車で移動中ラジオを聴いていると、コメンテーターとして活躍している女性が出ていました。息子さんが二人、もう成人しているそうですが子育ては最初相当がんばっていたそうです。塾への送迎と付き添いでヘトヘト、教育ママですね。ところが当の息子さんは塾に行っても心ここにあらず。それどころか意地でも勉強しない構えだったと言います。

勉強しろと言えば言うほど成績は下がります。ついに怒り爆発。息子さんの手が滑って料理をこぼしてしまった時、尋常でないくらい怒りが収まらなかったと言うのです。よほど、がんばってきたのでしょう。自分を犠牲にするなど感情を溜めて込むと、それが臨界点に達した時に我慢できなくなります。皆、同じだと思います。

意地悪ですが「こうあって欲しい」は、見方次第では相手を思い通りにしたいという気持ちです。思い通りにならない不自由に苦しむのは自分ですよね。勇気を出して少し引いてみる、そんな距離感が必要なのかもしれません。相手を自由にすれば、それだけ自分も自由になれます。ちなみに息子さん達に一切何も言わなくしたら、高校3年で勝手に勉強しだして一流大学に現役合格したそうです!

(詳しくは「九州のママに贈る男の子を成功に導くトコ流「ほったらかし育児」術 トコ著)