【まごころ通信】 第22話 七十二侯 by小峰裕子

社内で作成する月間予定表に、所々「処暑」とか「白露」とか赤い文字の書き込みがありますが、何を意味しているか知っていますか?天気予報などで聞いたことがあるかもしれませんが、二十四節気(にじゅうしせっき)と言って、季節を表すために作られたものなのです。

1年を二分すると「冬至・夏至」、さらに二分して「春分・秋分」、そこに「立春・立夏・立秋・立冬」を入れると八節になり、それぞれ一節を15日ずつ三等分すると二十四節気となるわけですね。つまり、私たち日本人の季節は春夏秋冬の四季だけではなかったのです。

気候風土に育まれた感性なのでしょう。実は、これをさらに5日おきにまで細分化した七十二侯(しちじゅうにこう)というものが存在しているのです。たとえば、「東風解凍(はるかぜこおりをとく)」これは2月4日頃を指します。5日後の2月9日頃は「黄鴬晛睆(うぐいすなく)」となります。他にも3月10日頃を「桃始笑(ももはじめてわらう)」、4月5日頃は「玄鳥至(つばめきたる)」などなど、とても繊細で視覚的ですよね。自然の足音を敏感に感じ取ったり、一瞬を追いかけたりしながら生活をしていたのでしょう。七十二候に見て取れる日本人の感性は誇ってもいいかなあと思いますがいかがですか。

千年以上の昔から、草花、そして動物や虫たちの動きはそれほど変わっていません。変わってしまったのは、今を生きる私たちの感性かもしれません。感じる心を養うということ、日々の暮らしの中で怠ってしまいがちです。「○○の秋」。皆さんそれぞれの「秋」が実り多き秋になりますように、五感を研ぎ澄まして過ごして参りましょう。