【まごころ通信】 第48話 最高のプレゼント by小峰裕子

もう何十年も昔の話です。年末までの期間限定アルバイトで宅配便の荷物仕分けをしたことがあります。ベルトコンベヤーで流れてくる荷物を、貼られた番号に従い支流に移動します。12月に入ると酒類や明太子、菓子折などお歳暮の品々がどんどん流れて来ます。

20日を過ぎると、今度はおびただしい数のクリスマスプレゼントが大行進です。これは子供に?これは女性かな?うれしいだろうなあと想像しながら、大人となっては別世界の出来事を目にして圧倒されていました。

皆さんは見えないプレゼントの存在を知っていますか。重さはありませんが受け取った人は気持ちが軽くなるプレゼント、それは時間です。たとえば10日後締め切りをその5日前に提出できたら、受け取った相手に自由な時間が増えます。貰ったボールはすぐ投げ返すのです。問い合わせには早く回答を届けることで、相手に時間の余裕が生まれます。相手の時間を増やしてあげられるよう時間をプレゼントしませんか。もちろん努力が必要ですが、受け取る人すべてに価値ある最高のプレゼント、それが時間なのです。

日本人が贈り物好きと知ったのは、ずっと後になってのことです。贈る方も贈られる方も幸せになります。ただそれはモノだけとは限りませんよね。外出する時ついでにやれることはないか、周りのひとに聞くのもひとつです。時間をプレゼントしてあげることが出来るかもしれません。費用はかからないのです。