税理士

あんしん税理士法人

安藤 眞哉

元住宅営業マンとしての経験を持つ税理士が、建設業・不動産業・設計事務所の開業・起業支援、会社設立・法人成り、開業時の融資から開業後の税務処理まで親切丁寧サポートいたします。出身校:中央大学法学部政治学科

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2017/01/10

あなたの収入何%の税率がかかっていますか?

年も明けて所得税の確定申告の時期がやってきました。昨年12月に税制改正大綱も発表され、配偶者控除の見直しについて話題になりましたね。
今回は、毎年行われる税制改正が自分にどんな影響があるかを簡単につかむ方法をご紹介します。

所得税の仕組み

所得税は、その名のとおり個人の所得に対してかかる税金です。
具体的には、その年の「収入金額」から「必要経費」を控除し「所得金額」を計算し、そこから各種「所得控除」(配偶者控除はここの話です)をマイナスして「課税所得」を求めます。そしてその課税所得に「税率」かけて所得税を計算します。

今回の配偶者控除の見直しでは、給与収入金額が1,120万円を超えると徐々に控除金額が減少し1,220万円でゼロになります。配偶者控除という所得控除が減少しますので課税所得が増え、課税所得が増えると所得税が増えますよという話です。
給与収入からは給与所得控除という概算の必要経費を控除できますので、給与収入以外の収入がある人は、所得金額に置き換えて覚えておいた方が便利です。
所得金額に置き換えると、所得金額が900万円を超えると配偶者控除が減り始め1,000万円を超えるとゼロになります。

あなたの税率は何%?

それでは税率の話です。現在の所得税(住民税含む)の税率は表のようになっています。


※復興特別所得税除く

勘違いしやすいのですが、一定の所得を超えると全ての所得に対して同じ税率が適用されるわけではありません。
仮に所得が500万円であれば、330万円を超える部分には30%の税率が適用され、195万円超330万円以下の金額には20%の税率が、同じく195万円以下の金額には15%の税率が適用されます。500万円以下の全ての所得に30%の税率が適用されるわけではありません。

その税制改正の影響は?

自分の適用税率がわかれば税制改正の話も身近なものとなります。
例えば配偶者控除が受けれなくなると税金がいくら増えるのかを知りたいとします。
自分の昨年の課税所得を参考に43%の税率が適用されていれば、配偶者控除の金額38万円に43%の税率をかけると約16万円の増税になることが簡単に計算できます。

また今年の1月から加入対象が拡がりなにかと話題の確定拠出年金。
適用されている税率がわかれば、確定拠出年金を始めると税金がどれだけ安くなるかもすぐわかります。
課税所得が年間の掛金以上であれば、最低でも15%の税率ですので、確定拠出年金の掛金を払うと掛金の15%分税金が安くなるので、利回15%の投資法なんていうふうに言われたりもしていますね。

その経費何%引ですか?

また不動産経営をされている方でしたら、経費によってどのぐらい税金を減らせるのかもすぐにわかります。例えば、課税所得が1,800万円の人の場合、900万円を超える金額には43%の税率が適用されていますね。
そこで年末に古くなってきて空室の目立ってきた賃貸住宅を修繕して300万円を経費に計上できたとします。そうすると300万円×43%=129万円の税金が減少します。このことは、税金の負担減を考えれば300万円の工事が43%引の171万円で行えたとも考えることができます。

このように自分の所得税の適用税率を知ることで、話題の税制改正や節税策が自分の税金にどのような影響があるかを簡単に知ることができます。
ぜひ一度、確定申告書を見直し、自分の所得に対する税率を確認してみましょう。

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