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楢原 寛子

主婦目線での家計の見直しや将来の生活設計・資金計画(ライフプランニング)を得意としています。 住宅購入やお子様の教育費、老後セカンドライフの充実など、相談者一人ひとりの将来叶えたい夢の実現に向け、ライフプラン作成などのお手伝いをしています。
CFP、FP1級技能士、住宅ローンアドバイザー、相続診断士
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2017/02/10

家計の中の医療費って意外と大きい?!医療費控除を活用していますか

2017年に入り、寒い日が続きましたので皆様体調などくずされていませんか。

風邪を引いてしまって病院に行ったり、市販の風邪薬を購入したりと、ちょっとした病気でもいろいろ医療費がかさんでしまいます。2016年11月の総務省の家計調査によると、二人以上の世帯の1か月の平均支出270,848円のうち、保健医療にかかる支出は平均13,163円で、全体の4.9%も占めているそうです。
家計にしめる割合は意外と大きいですよね。

そこで今回は、たくさん医療費を使ってしまった場合の、所得税や個人住民税の医療費控除についてご紹介します。

そもそも医療費控除とは

医療費控除とは1年間(1月1日~12月31日まで)に自分や家族のために支払った医療費が10万円(総所得金額が200万円未満の人は、総所得金額の5%)を超えた場合に、所得税が安くなったり、一部が戻ってくるものです。また、あわせて翌年度の個人住民税も安くなります。

医療費控除を受けるためには、必ず所得税の確定申告が必要になりますので、病院の領収証や薬局での薬代のレシートは、捨てずに確定申告時期まで一年分まとめてとっておきましょう。

医療費控除の対象と控除の金額

医療費控除の対象は、病院に支払った治療費、入院費のほか、医療機関までの交通費、薬局で購入した風邪薬などの薬代も控除の対象となります。

ただし、健康診断や人間ドック等(異常がなかった場合)の費用、健康増進のためのドリンク剤やサプリ、入院時の差額ベッド代、美容整形費用などは対象になりませんのでご注意下さい。

また、生命保険の入院給付金や健康保険の高額療養費・家族療養費・出産育児一時金などの支給がある場合は、その金額を差し引かなければなりません。

今年から始まったセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)も活用しよう。

医療費控除は年間の医療費が10万円(年間の総所得金額が200万円未満の人はその5%)を越えた場合とハードルがやや高かったのですが、2017年1月より、新たに医療費控除の特例「セルフメディケーション税制」が設けられ、医薬品の購入代金が12,000円を超えた場合にも控除が受けられるようになりました。

ただし、従来の医療費控除とセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)のいずれかしか控除は受けることはできませんので、ご注意下さい。

セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)の対象

セルフメディケーション税制の適用を受けるためには、確定申告を行う本人が、その年の内に特定健康診査、予防接種、健康診断、がん検診などを受けていなければなりません。また、確定申告時にそれを証明するものとして、結果の写しや予防接種の領収書などの添付が必要になります。

また、対象となる医薬品は、医療用から転用された「かぜ薬」、「胃腸薬」、「鼻炎用内服薬」、「水虫・たむし用薬」、「肩こり・腰痛・関節痛の貼付薬」など、医薬品の商品ごとに厚生労働省が指定したものになります。(1月17日現在で約1,500品目以上が登録されています。)

なお、対象の医薬品かどうかは、事前に厚生労働省ホームページでも確認できますが、購入時に薬局等で確認されるといいでしょう。今後は、医薬品メーカーも随時薬箱にも表示していくようです。

また、対象医薬品を購入された場合は、そのレシートに「セルフメディケーション税制対象商品」と表示されますので、確定申告時期までまとめて保管しておくようにしましょう。ちなみに、私は先日肩こりで塗り薬を購入したのですが、対象でした。

セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)による所得控除の額

対象の医薬品の購入代金が年間12,000円を超えていれば、その越えた部分が所得控除となります。ただし、上限88,000円までです。

なお、購入代金は、本人以外の配偶者や家族の支払った分も合算できます。

 

セルフメディケーション税制は、健康の維持増進及び疾病の予防への取組みとして導入されたものです。まずは、病気にならない、早期に発見することが大事ですので、できれば毎年、健康診断を受けるように心がけましょう。

もし、病気になって医療費がかかった場合は、医療費控除を利用することを覚えておきましょう。

 

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