医学博士

広橋整形外科医院

廣橋 昭幸

昭和35年生まれ 久留米大学医学部卒業。久留米大学整形外科医局に在籍し、関連病院・大学病院で勤務後、公立八女総合病院整形外科医長。久留米大学整形外科講師を経て、平成17年より実家である福岡市中央区谷「広橋整形外科医院」で診療。こどもから高齢者までを対象に地域医療に携わっています。

医学博士 日本専門医機構・整形外科専門医・日本整形外科学会・スポーツ認定医、脊椎脊髄認定医、リハビリテーション認定医、リウマチ認定医

〒810-0031
福岡市中央区谷1丁目16-38
広橋整形外科医院
TEL 092-712-1454

この執筆者の過去のコラム一覧

2017/08/10

立つこと・・・

歩行に必要な筋肉

ほとんどの動物は、四本足で移動しますが、人間は直立二足歩行。
人間が二本足で立つようになって、300-400万年が過ぎたと言われています。生まれてから、寝返りするようになり、そしてハイハイ、さらには重力にさからって立ち上がるようになります。 人間は、二本足であるため、体重の負荷が、股関節、膝(ひざ)、足関節にかかります。

その歩行が前へ進む駆動力は、

大腿四頭筋(太ももの前側)=よく使うためサイズが大きく、鍛えることが大切
ハムストリング(太ももの後ろ側)
腓腹筋(ひふくきん=ふくらはぎ
前脛骨筋(ぜんけいこつきん=すね)と、下肢(脚)の筋肉によっておこります。

腰にも歩くときの回旋運動や、前のめりになることで負担がかかります。ですから、躯幹筋(くかんきん=体幹の筋肉)、殿筋も歩くときに大切。
体幹のバランスが悪いと揺れが生じてエネルギーロスになります。

ですから、腹筋背筋を鍛えることも忘れずに・・・って、全部やん?(笑)

背中の筋肉と腰痛

立つ姿勢を保つためには、背中の筋肉が活動的なのが特徴。前側の筋肉の活動がほとんどみられないのに対し、筋肉の活動が高いのは身体の後ろ側の筋肉たち。
背中、お尻、太もものうら、ふくらはぎの筋肉たちが、身体が前に倒れるのを、後ろから引っ張っているのです。
太るとお腹がでて 重心が前に移動するため、背中が一層頑張らなければなりません。その負担を考えると、中腰の作業も重心が前に移動するため腰に負担がかかります。
そして、ひとたび腰痛が起こると、安静にして歩かなくなる・・・すると、背すじの筋力は低下し筋肉は萎縮します。
これらを補うため股関節と膝をまげて、重心の位置をひくくする。
痛みをカバーするための反応とも考えられます。

筋肉の萎縮という悪循環

高齢者では、加齢とともに筋肉は、弱化し、関節の変形、椎間板の障害、今までの職業や生活環境による影響に加え 内科的な病気で動くことが少なくなると、ますます筋肉を使わなくなり、さらに筋肉は萎縮し悪循環となります。
長年の前屈作業での仕事、腰を曲げてする仕事は多いですが、そらせて行う仕事はあまりないものです。
日常的な重量物運搬、机仕事、中腰、炊事、洗濯、掃除・・・主婦の仕事も大変です。

立つこと、歩くことは生活の基本

背筋が弱ると背中が曲がります。
腰が曲がると、背筋は引き伸ばされ血の巡りが悪くなります。
バランスをとるため股関節、膝は曲がった姿勢を強いられ、この状態で歩くと大腿四頭筋(太ももの前側)かなりの負荷がかかります。

立つこと、歩くことが生活の基本です。
腹筋、背筋、下肢の筋肉を鍛えて転倒予防!
さあ、明日から頑張りましょう!

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