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楢原 寛子

主婦目線での家計の見直しや将来の生活設計・資金計画(ライフプランニング)を得意としています。 住宅購入やお子様の教育費、老後セカンドライフの充実など、相談者一人ひとりの将来叶えたい夢の実現に向け、ライフプラン作成などのお手伝いをしています。
CFP、FP1級技能士、住宅ローンアドバイザー、相続診断士
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2018/04/10

「人生100年時代」を生き抜くためのライフプラン

ここ最近、新聞やテレビなどで「人生100年時代」という言葉を耳にしたことはありませんか。
昨年ベストセラーになった『ライフシフト』(リンダ・グラッドン/アンドリュー・スコット著 東洋経済新報社)によると、2007年生まれで今10歳くらいの子供達の半数は107歳まで生きるという推計データがあるそうです。
少し前まで「人生80年」と言っていたのが、急に「人生100年」といわれるとちょっと戸惑いますよね。私達のこれからのライフプランにも様々な影響が出てきそうです。
今回は、この「超長寿社会」にどう立ち向かうために少し考えてみたいと思います。

国や自治体での取り組み

国では、安倍首相や関係閣僚、様々な有識者などが参加する「人生100年時代構想会議」を昨年9月に発足し、12月に中間報告が行われました。
その中で、「高齢者向けの給付が中心となっている社会保障制度を、子供・若者から高齢者まで誰もが安心できる全世代型の社会保障へ大きく転換していく必要がある」ともされており、将来の教育や雇用、社会保障制度についても大きな見直しが行われそうです。
さらに、福岡市でも、昨年7月に「福岡100」のプロジェクトを立ち上げ、心身共に健康で自分らしく生きていける“健寿社会”を目指した取り組みが始められています。

このように、国や自治体でも「人生100年時代」に向けた準備がまさに始まっているのです。

「人生100年時代」を考える3つのポイント

では、私達は今後、「人生100年時代」にどのように対応していかないといけないでしょうか。ライフプランの観点からは、次の3つのポイントがあると思います。

ポイント① 老後資金

まず最初に思い浮かぶのが、お金の不安ではないでしょうか。「老後資金は大丈夫だろうか」、「少子高齢化の影響を受けて、将来公的年金の受給開始が遅くなったり、受給額が減ったりして生活できなくなるのではないだろうか」といった不安がよぎるでしょう。「
超長寿社会」に今の老後資金が足りているのか、もっと準備しないといけないのかなど、見直しが必要になりそうです。

ポイント② 生命保険等

次に、もしもの時の備えである生命保険や介護保険、医療保険などです。
「超長寿社会」の時代に対応したものに加入したものになっているか点検が必要になります。特に、保障期間が大事になりますが、保険料の払込期間も重要なポイントになります。

ポイント③ セカンドライフの過ごし方

最後に定年退職してからの過ごし方です。退職後のセカンドライフを充実したものにする為には「生きがい」が大事になります。
家族と過ごす、趣味を満喫する、生涯仕事を続けるなど様々なライフスタイルがあるかと思いますが、それでも長い長いセカンドライフですので、今のうちからいろいろな準備をしておく必要がありそうです。

「人生100年時代」に向けて、私達が今やるべきこと

これまでライフプランの資金計画を作成する際には、90歳までとすることが多かったのですが、これからは100歳までのプランが必要になります。そうなると、これまで以上に老後資金の準備が必要になってくるでしょう。
老後資金の準備には、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」・「積立NISA」など税制優遇を活用して資産運用をする方法や個人年金を活用する方法、仕事を継続する方法など様々な手法がありますが、まずはご自身の資産状況を確認し、自分にあった方法で早めに準備に取り掛かることが大事になります。

次に、生命保険等についてですが、まずは現在加入している保険の内容を確認してみてください。
例えば、医療保障が80歳までになっているタイプなどがありますので、その場合残り100歳までの保障をどうするのか考えないといけません。
また、保険料の支払期間が終身となっていた場合、年金の中から支払いが必要になりますので、仕事をして収入がある間に保険料の支払いが終わるようなプランへの変更を検討するなどが考えられます。

三つ目の充実したセカンドライフを過ごす為には、「生きがい」と「人とのつながり」が大事になるといわれています。
例えば趣味を見つける、地域コミュニティ活動に参加する、ボランティア活動やNPO活動などに参加するなど、交友関係の幅を広げて人的ネットワークを作っておくことが必要です。

最後に、前述の著作『ライフシフト』の中に、「20歳の自分がいまの自分をどう見るのかではなく、70歳、80歳、100歳になった自分がいまの自分をどう見るかを考えてほしい。いまあなたがくだそうとしている決断は、未来の自分の厳しい評価に耐えられるだろうか。」という一説があります。

この本を読むと、「超長寿社会」に対して不安ばかりを感じるのではなく、長寿をいかにポジティブに考えられるようになるのか試されている気がします。
皆さんも未来の自分に「いいね!」と言ってもらえるように、家族でこれからどんな人生を送っていきたいのか、将来の計画(ライフプラン)について話し合ってみませんか。

 

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