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楢原 寛子

主婦目線での家計の見直しや将来の生活設計・資金計画(ライフプランニング)を得意としています。 住宅購入やお子様の教育費、老後セカンドライフの充実など、相談者一人ひとりの将来叶えたい夢の実現に向け、ライフプラン作成などのお手伝いをしています。
CFP、FP1級技能士、住宅ローンアドバイザー、相続診断士
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2024/08/10

人生100年時代~介護にまつわるお金の話~

みなさんは「フレイル」をいう言葉を聞いたことはありませんか。
ここ数年メディア等でも大きく取り上げられるようになりました。
「Frailty(フレイルティ)」という言葉が語源となり、2014年に日本老年医学会が提唱した言葉で、「加齢や病気によって心身の活力が低下し、要介護になりやすい状況」、つまり「健康」と「介護」の中間のような状態のことを言います。

「フレイル」の段階で、家族や周りの人が早めに異変に気づいて予防をすることで、元気な状態に近づけることを目指していければいいのですが、今回は、どうしても支援や介護が必要になった際に知っておきたい「介護にまつわるお金」についてお話しさせて頂きます。

1 介護認定者数は年々増えている!?

公的介護保険が始まった2000年度から比べると高齢化が進み、認定者数は約2.7倍にもなります。
今後ますます要介護認定者が増えると介護保険料の引き上げや介護をする人材の不足、施設に入りたくても入所できないなどの問題も考えられます。


要介護(要支援)認定者数(年度末現在) ※厚生労働省調べ

2000年度 約256万人
2022年度 約690万人

2 介護にかかる費用・期間は?

生命保険文化センターの調べによると、介護にかかった毎月の費用は平均8.3万円、住宅改修や介護用ベットの購入費など一時的な費用の平均は74万円と言われています。

また、介護を始めてからの平均期間は約5年1カ月となっており、介護に要する費用の総額を計算すると平均で総額約580万円(一時74万円+8.3万円×61か月)にもなることが分かります。
また、10年以上介護をされている方も約2割いらっしゃいますのでさらに費用負担は大きくなります。


介護のための月々の費用

平均8.3万円
場所別:在宅/平均4.8万円 施 設/平均12.2万円


出典:<生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」/2021(令和3)年度>

3「介護保険」から受けられる補助について

住宅改修について

手すりの取り付けや段差の解消、引き戸への扉の取り換えなどの改修工事を行った場合、介護保険から「住宅改修費」の支給を受けることができます。
対象になるのは、介護保険の認定で、要支援1・2,要介護1~5と認定された方で、区分にかかわらず、支給限度基準額を 20 万円として、住宅改修にかかった費用の7~9割が支給されます。

なお、ご自身で勝手に改修工事を進めるのではなく、検討する場合には、事前に担当のケアマネージャーに相談して改修内容を決めて、工事が始まる前にお住いの地域の福祉・介護課に申請が必要になります。
まずはケアマネージャーに相談しましょう。

福祉用具の利用について

日常生活での自立を支援するために、福祉用具を利用することができます。
福祉用具を購入した場合、申請により購入費用の7~9割(年間10万円まで)が介護保険から給付されます。
こちらは年度ごとの申請になりますので、介護状態などにより、少しずつ福祉用具を買い揃えていくなど、上手に活用していきましょう。

福岡市には、中央区に「福岡市介護実習普及センター」という、介護に関して学べたり、相談したり、実際の福祉用具を展示されている施設があります。
私も母親の福祉用具の相談のために、母と一緒にセンターに行ってみたのですが、たくさんの種類・タイプを一度に試すことができ、スタッフの方からいろんなアドバイスも頂けたので、安心して母が一番使いやすい用具に決めることができました。

その他、お風呂やトイレなどのリフォームの展示もあって大変参考になりますし、何より職員の方が親身になって相談に乗って下さるので、前もってこういった施設へ相談されることもお勧めします。

4 終わりに

家族の足腰が弱くなり、ここ数年で介護ベットの購入や手すりの取り付け、お風呂のリフォームなどを行ってきましたが、何もかもがはじめてで、結構時間がかかってしまったり、こうしておけば補助金が使えたのにといった後悔もあります。

団塊の世代が75歳を迎え、75歳以上の人口が増えることでの影響を「2025年問題」と言われて危惧されてきましたが、来年がその2025年です。
介護はだれにでも起こりうるものですので、現役世代のうちから介護に関する知識や制度を勉強しておき、家族が長く元気に暮らしてもらえるようにしておきたいですね!

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