2025/12/10
海外での引越し、その④
紳士との出会い
13年ほど前、東京は八王子にあるカウンターバーでのこと。
隣に座った初老の紳士に声をかけられた。
紳士は、オレがプロレスラーのTAJIRIであると知っていた。
その1年ほど前までオレが住んでいたマンションの別の階に住んでいたという。
「いつも犬を散歩させる姿をお見かけしていましたが、なかなか声をかけられなくてですね」と、紳士は言った。
世間話は退去騒動へ
紳士もすでにそのマンションには住んでおらず、少し前に近くに家を購入し引っ越したとのこと。
オレも近くに家を買い、そのマンションを引き払っていた。
オレたちがマンションを出た時期と重なるように、世間では「マンション退去時に高額な補修費を請求された」というニュースが連日報道されていた。
その騒動はかなり長期間に及んだと記憶している。
で、紳士が言うのだ
「やはりTAJIRIさんも退去時に不当請求されましたか?」
されていた。
敷金は戻らないどころか「さらに75万円払え」という通知がきたのだ。
理由として「犬に床を傷つけられているので全面貼替えを要する」と書かれていたが、そんな傷は絶対になかったはず。
「結局払われたんですか?」
「いえ、払ってないです」
「いったいどうやって?」
オレは通知の送り主である管理会社に電話をかけ、こう言ってやったのだ。
「これ、いま盛んにニュースでやってるやつまんまじゃないですか!わたしモノ書きもやってる人間なんで、おたく取材させてもらえます?」
そのころオレは3つのWeb系に連載を書いていたので、そのいずれかに取材記事を書き、さらには知り合いの記者が頻繁に寄稿していた大手週刊誌で『とうとうプロレスラーまで補修費被害!』みたいな記事やりませんか?と「進言してみようと思いますんで、ええ」と伝えた。
すると「……少々お待ちください」と、しばし電話が保留に。
少しして「あらためて書面を送りますので」という曖昧な返事が。
数日後。
書面がきた。
そこには「敷金全額お返しします」旨が書かれていた。もちろん、追加の75万円など払わずにである。
紳士の正体
「それは痛快なお話ですねえ!」
「そちらは……払われたんですか?」
「ええ、仕方なく」
「それは災難でしたねえ」
「ま、75万ですんでよかったね、なんて妻と話しましてね」
たいした額でもなかったような口ぶり。職業を聞くと、開業医とのことだった。
【追記】
『玉名をもっと元気にするバイ!プロジェクト』開始!!


2024年9月 ━ TAJIRI選手のデビュー30周年を記念した大会を彼の地元である熊本県玉名市で開催しました。
この大会は玉名市では数十年ぶりとなるプロレス大会の開催であり、当日は地元の方も驚くほどの人に集まっていただきました。
前回のような賑わいを、、、いえ、前回以上の賑わいをまた皆さんと一緒に作り出せたらと思い新たなクラウドファンディングを企画しました。
今回もTAJIRI選手全面協力のもと様々なリターンをご用意いたしましたので是非ご参加よろしくお願いいたします。

紳士との出会い
13年ほど前、東京は八王子にあるカウンターバーでのこと。
隣に座った初老の紳士に声をかけられた。
紳士は、オレがプロレスラーのTAJIRIであると知っていた。
その1年ほど前までオレが住んでいたマンションの別の階に住んでいたという。
「いつも犬を散歩させる姿をお見かけしていましたが、なかなか声をかけられなくてですね」と、紳士は言った。
世間話は退去騒動へ
紳士もすでにそのマンションには住んでおらず、少し前に近くに家を購入し引っ越したとのこと。
オレも近くに家を買い、そのマンションを引き払っていた。
オレたちがマンションを出た時期と重なるように、世間では「マンション退去時に高額な補修費を請求された」というニュースが連日報道されていた。
その騒動はかなり長期間に及んだと記憶している。
で、紳士が言うのだ
「やはりTAJIRIさんも退去時に不当請求されましたか?」
されていた。
敷金は戻らないどころか「さらに75万円払え」という通知がきたのだ。
理由として「犬に床を傷つけられているので全面貼替えを要する」と書かれていたが、そんな傷は絶対になかったはず。
「結局払われたんですか?」
「いえ、払ってないです」
「いったいどうやって?」
オレは通知の送り主である管理会社に電話をかけ、こう言ってやったのだ。
「これ、いま盛んにニュースでやってるやつまんまじゃないですか!わたしモノ書きもやってる人間なんで、おたく取材させてもらえます?」
そのころオレは3つのWeb系に連載を書いていたので、そのいずれかに取材記事を書き、さらには知り合いの記者が頻繁に寄稿していた大手週刊誌で『とうとうプロレスラーまで補修費被害!』みたいな記事やりませんか?と「進言してみようと思いますんで、ええ」と伝えた。
すると「……少々お待ちください」と、しばし電話が保留に。
少しして「あらためて書面を送りますので」という曖昧な返事が。
数日後。
書面がきた。
そこには「敷金全額お返しします」旨が書かれていた。もちろん、追加の75万円など払わずにである。
紳士の正体
「それは痛快なお話ですねえ!」
「そちらは……払われたんですか?」
「ええ、仕方なく」
「それは災難でしたねえ」
「ま、75万ですんでよかったね、なんて妻と話しましてね」
たいした額でもなかったような口ぶり。職業を聞くと、開業医とのことだった。
【追記】
『玉名をもっと元気にするバイ!プロジェクト』開始!!


2024年9月 ━ TAJIRI選手のデビュー30周年を記念した大会を彼の地元である熊本県玉名市で開催しました。
この大会は玉名市では数十年ぶりとなるプロレス大会の開催であり、当日は地元の方も驚くほどの人に集まっていただきました。
前回のような賑わいを、、、いえ、前回以上の賑わいをまた皆さんと一緒に作り出せたらと思い新たなクラウドファンディングを企画しました。
今回もTAJIRI選手全面協力のもと様々なリターンをご用意いたしましたので是非ご参加よろしくお願いいたします。

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