安藤 眞哉

税理士

あんしん税理士法人

安藤 眞哉

元住宅営業マンとしての経験を持つ税理士が、建設業・不動産業・設計事務所の開業・起業支援、会社設立・法人成り、開業時の融資から開業後の税務処理まで親切丁寧サポートいたします。出身校:中央大学法学部政治学科

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2018/11/10

相続税の納税額は遺産分割の仕方次第

今年もあと1か月と少しを残すだけとなりました。
年末になるとテレビでこの一年に亡くなった有名人の特集がありますが、今年印象に残っているのは女優のAさんと俳優のTさんのご夫妻です。
奥様が亡くなって3か月ほどでご主人も亡くなり、芸能界のおしどり夫婦として知られていただけに奥様に先立たれて精神的にも落ち込まれていたのかなと思ってしまいます。
相続税の申告でもご夫婦が相次いで亡くなられる場合があります。

御主人(又は奥様)が亡くなられて(一次相続)、遺産分割が終わる前に、奥様(又は御主人)も亡くなられて(二次相続)お子様が相続人となるようなケースです。このような場合、遺産分割の方法によって相続税が大きく変わるケースがありますので今回は事例をもとに解説します。

相続事例

家族構成(父・母・長男・長女)
相続財産(父 1億円/母 1,000万円)

父と母が相次いで亡くなった場合、先に亡くなった父の相続については通常子供達二人で遺産の分け方を話し合います。
父の相続人は本来、母と長男、長女ですが、母が遺産分割前に亡くなった場合、父の相続人としての母親の立場を子供二人が引き継ぐことになります。この場合、遺産分割の内容によって相続税額が変わってきます。

長男と長女で1/2ずつ相続する場合

 
一つめの分割案は母も亡くなっているので父の財産は兄妹で均等に分割する案です。
この場合、父の相続で1億円の財産を姉妹で相続し相続税は630万円発生します。

母の財産は1,000万円ですので、基礎控除(3,000万円+600万円×2人=4,200万円)の範囲内ですので相続税は発生しません。
父母の相続を通じて相続税は630万円となりました。

母に3,200万円、残りを子供たちで1/2ずつ相続する場合


二つめの分割案は、父の相続で母にも父の財産の一部を相続させ、兄妹は残りの財産を均等に分割したとします。
この場合、父の相続の際には母202万円、長男長女214万円ずつの合計630万円の相続税となりますが、母は相続税の配偶者控除を利用できますので結果的に長男長女の428万円の相続税負担となります。

母の相続では、父の財産も相続していますので4,200万円と財産が増加しますが、この場合も基礎控除の範囲内ですので相続税は発生しません。父母の相続を通じての相続税は428万円となりました。

 

遺産分割はシミュレーションが必要

このように連続して相続は発生した場合、結果的に相続する財産が同額(この場合は長男長女がそれぞれ5,500万円ずつ)でも遺産分割の仕方によっては相続税が異なることがあります。現実の遺産分割では親族間の納得が第一ですが、遺産分割の方法に争いがない場合は相続税の負担を抑える分割方法がないか相談してみましょう。

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