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楢原 寛子

主婦目線での家計の見直しや将来の生活設計・資金計画(ライフプランニング)を得意としています。 住宅購入やお子様の教育費、老後セカンドライフの充実など、相談者一人ひとりの将来叶えたい夢の実現に向け、ライフプラン作成などのお手伝いをしています。
CFP、FP1級技能士、住宅ローンアドバイザー、相続診断士
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2020/06/10

新型コロナウイルス感染症を乗り切るために!   ~支援制度の活用と今家計でできること~

ようやく全国の緊急事態宣言が解除され、街も少しずつですが活気を取り戻してきました。今後第2波、第3波の感染拡大の心配もありますが、子供たちの登下校の姿をみると気持ちも少し明るくなりますね。
また、スーパーや飲食店、美容室などさまざまな施設では、感染予防対策をしっかり取り組まれている店舗も多く、安心して利用できることに感謝です。

ただ、家計の面で言えば、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、休業等で収入減少となった方も多いと思います。そこで今回は、個人向けの経済支援制度や今後の家計の立て直し方等についてご紹介します。

1 新型コロナウイルスの経済への影響

5月18日の内閣府の発表によると、今年の1月~3月期のGDPは前期比で年率▲3.4%となり、さらに4月~6月期は▲21.3%と予想されており、戦後最大の落ち込みとなるようです。
また、コロナの影響で企業の倒産や失業者も増えており、エコノミストなどによると、景気回復までには2~3年かかる見込みとも言われています。
このような経済状況では、今後賃上げは期待どころか、収入減やボーナスの大幅な減少など家計に大きな影響が出てきている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

2 新型コロナウイルス対策としての主な支援制度

国の支援策として、持続化給付金や雇用調整助成金などが話題になっていますが、家計を支援するものとして、以下のようなものがあります。(※5月25日時点の情報になりますので、必ず最新の情報を確認してください。)
また、それ以外にも各自治体独自の支援策もあるので、お住いの県・市町村のHPなどで確認してみましょう。

 

(1)緊急小口資金
新型コロナウイルスの影響を受け、休業や失業等、収入が減少した世帯に無利子・保証人不要で、従来の10万円から、要件を満たせば上限20万円まで生活資金の貸し付けが受けられます。
相談窓口は、市区町村の社会福祉協議会または、お住いの都道府県内の労働金庫です。
なお、5月28日~7月31日まで郵便局でも必要書類を持参すれば、受付してもらえます。対象になる店舗や必要書類は、HPでご確認頂けます。

(2)総合支援資金
新型コロナウイルスの影響を受け、収入の減少や失業等により、生活が困窮し、日常生活の維持が困難となっている世帯が対象です。
貸し付けを受けられる上限は、無利子・保証人不要で、二人以上世帯は月20万円(単身:月15万円)以内まで、原則3カ月以内受けることが出来ます。相談窓口は、市区町村の社会福祉協議会になります。
なお、緊急小口資金とは、同時に貸し付けを受けることはできません。緊急小口資金を利用したあとに、収入減少が続く場合や失業等となった場合に総合支援資金を申請することは出来ます。

(3)住居確保給付金
新型コロナウイルスの影響で収入が減少したり、仕事を失って家賃の支払いが困難になった場合に、家賃相当額が支給されます。支給期間は原則3カ月(最長9カ月)で、直接自治体から貸主(家主)に支給されます。
これまでは、ハローワークへの求職申込を行うことが要件でしたが、令和2年4月30日から当面の間は、求職申し込みは不要となり条件が緩和されました。
なお、適用条件や申請方法など、詳しくは、申請を行う前に市町村の自立相談支援機関に事前にご相談が必要です。

(4)住宅ローンの支払いについて
住宅ローンについては、金融庁が各金融機関へ条件変更について柔軟に対応するよう要請を行っております。
収入減少などで返済が困難になった場合は、返済期間の延長や返済額の変更などに手数料無料で応じているところもありますので、まずは取引先の金融機関へ相談しましょう。
特に住宅ローンでボーナス返済を組んでいる場合は、新型コロナウイルスの影響でボーナスの大幅減少も心配されますので早めの相談をお勧めします。

3 今できること・・

これからテレワーク等で働き方が変われば残業が減るでしょうし、景気の回復まで時間がかかり、収入の減少が長引くことも予想されます。
そこでこんな時期だからこそ、「本当に必要な支出なのかどうか」ということをチェックすることをお勧めします。
まずは、今月何にいくら使ったのか支出を書き出してみましょう。この1カ月は自粛生活もあり、ついついお菓子など買い過ぎたり、外食できない分食費が多くなってしまっているご家庭も少なくないでしょう。


他にも毎月定額で支払っているのに利用していないサービスなどの契約があれば、「本当に必要なものなのか」、「料金に見合ってサービスを利用しているのか」など棚卸しすることが大事です。
中でも家計の見直しとして効果が大きいのは、固定費の見直しです。加入している保険料や通信費などもチェックしてみましょう。

4 さいごに

ワクチンや治療方法が確立するまでは、落ち着かない日々を過ごすことになると思います。
今後の国等の第2次補正予算案の経済対策の発表(雇用調整金の上限拡充、家賃保証、大学生の支援など)にも注視して頂ければと思います。
新しい生活様式に取り組みながら、新型コロナウイルス感染症が終息することを信じてもう少し頑張っていきましょう!

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