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楢原 寛子

主婦目線での家計の見直しや将来の生活設計・資金計画(ライフプランニング)を得意としています。 住宅購入やお子様の教育費、老後セカンドライフの充実など、相談者一人ひとりの将来叶えたい夢の実現に向け、ライフプラン作成などのお手伝いをしています。
CFP、FP1級技能士、住宅ローンアドバイザー、相続診断士
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2020/10/10

10月から始まる「自転車保険の加入義務化」とは?

新聞やニュース等で、10月1日から福岡県でも条例で「自転車保険の加入が義務化」されることを聞かれた方もいらっしゃると思います。
新しい生活様式として通勤に自転車を利用する人も増えており、国も通勤・通学に人との接触を減らすために、利用をますます推奨している状況です。
この季節、特に自転車は気持ちが良いですね。

今回は、私たちに身近な「自転車」を利用する際の備えについてご紹介します。

1 どうして義務化されるの?

警察庁の調べによると、自転車関連事故は、平成21年の15万6,488件から昨年は8万473件と約5割減少しましたが、このうち自転車対歩行者の事故は、平成21年の2,946件から昨年は2,692件と横ばいが続いています。ちなみに福岡県の昨年は、自転車関連事故が4,068件、このうち自転車対歩行者の事故が117件でした。

また近年、自転車による事故で相手にけがをさせてしまい高額な賠償責任事例などが発生したことなどを踏まえて、被害者救済のために、全国的に義務化をする自治体が増えてきています。

※国土交通省HPより

2 義務化が進んでいる?

平成27年10月に兵庫県ではじめて自転車保険等への加入が義務化され、現在では「加入義務」や「努力義務」を条例で定めているのは、福岡県や熊本県を含め、全国で37自治体にのぼります。

対象になるかどうかは、自分が住んでいる自治体ではなく、運転する地域の自治体によることになります。
たとえば義務化されてない県に住んでいる人が、義務化されている福岡県内で自転車を運転する場合は、自転車保険等への加入が必要になりますので注意してください。

【全国の条例の制定状況(令和2年10月時点)】


※国土交通省の資料より作成

3 どんな保険で備えるの

今回の義務化で求められているのは、自転車事故で相手にけがをさせてしまった場合の「損害賠償責任」に備えることです。

損害を補償する保険は、火災保険や自動車保険などに特約としてついている場合があります。
まずはご自身や家族の加入しているこれらの保険の契約内容に「個人賠償責任補償がついているか」、「いくらまで補償が受けられるのか」など確認をしてみましょう。

4 保険に加入しよう

加入していなかった場合は、新たに「個人賠償責任保険」に加入する必要があります。
既に加入している火災保険や自動車保険等に月額100~200円程度の保険料で追加することができますので、保険会社等へ連絡してみましょう。

また、最近では自転車に特化した「自転車保険」もあります。個人賠償責任保険の補償額が少なかったり、自分がケガをした場合にも備えたいという場合は、この保険を検討されてもいいでしょう。

5 終わりに

〇〇チャリなどシェアサイクルの普及もあり、天神など都心部周辺では自転車の走行が多くなったのを感じるとともに、ヒヤリとしたことも少なくありません。
ちなみに、シェアサイクルを使用する場合には、基本的には保険が利用料に含まれていますが、補償額が少なかったりする場合もあるので、自分で保険に加入しておくとより安心です。

今回の「自転車保険の義務化」には、罰則規定がありませんので、保険に加入していなくて自転車を運転したからといって直ちに処罰されることはありませんが、先述の通り、もし万が一事故を起こしてしまった場合、高額な賠償責任が発生する場合も考えられますので、ぜひ備えておきましょう。

また、これを機に自転車の交通ルールについても一度確認をされてみませんか。
マナーを守って安全かつ快適に自転車ライフを満喫しましょう!

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