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楢原 寛子

主婦目線での家計の見直しや将来の生活設計・資金計画(ライフプランニング)を得意としています。 住宅購入やお子様の教育費、老後セカンドライフの充実など、相談者一人ひとりの将来叶えたい夢の実現に向け、ライフプラン作成などのお手伝いをしています。
CFP、FP1級技能士、住宅ローンアドバイザー、相続診断士
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2020/12/10

新型コロナが家計にもたらした影響

2020年は新型コロナウイルスの感染拡大により、新しい生活様式が求められたり、テレワーク等で働き方が変わったり、外出自粛により家で過ごす時間が増えたなど、これまでとは大きく違った1年を過ごされたのではないのでしょうか。
今回は、新型コロナウイルス感染症が私たちの家計にもたらした影響や今後の家計管理において注意して欲しい点などを紹介します。

コロナが家計にもたらしたもの

①毎月の収入が減少!

時短営業や出勤抑制で給与が減ったり、テレワークなどで残業代が減ったという方も多いのではないでしょうか。
厚生労働省が発表した「9月の毎月勤労統計調査」によると、従業員5人以上の事業所の給与総額は約26万9,323円で前年と比較して0.9%の減少でした。
これは5月の約2%の減などと比べると少し差は小さくなっておりますが、4月から6カ月連続の減少で、長期化は家計に大きな影響となっています。

業種によって、その影響も大きく異なっており、例えば運輸・旅行業などでは、業績悪化のため、年収の3割減少や人員削減などの報道も見られます。
また、飲食業や販売業等の方も、外出自粛や営業時間短縮の要請等により、売り上げが大幅に減ったり、資金繰りにも影響を受けているのではないでしょうか。

②ボーナスにも影響が!

厚生労働省の調べによると、夏の賞与も前年比で約2%の減となっており、平均で約2万円ほど収入が減っているようです。
業種によっても異なりますが、特に大きく影響を受けたのが鉄鋼業で▲26%、次にサービス業で▲10%となっています。

なお、夏の賞与には、コロナの影響をまだ業績に反映させていない企業も多いことから、冬の賞与でさらに影響が大きくなるのではないかと予測されます。

③家計にも大きな変化が!

3密を避けた新しい生活様式への切り替えが求められ、外出自粛やテレワークなどで、家での時間を過ごすことが多くなるなど、ライフスタイルの変化とともに、家計の支出も大きく変わって来ています。

総務省の9月の「家計調査」によると、二人以上の世帯での支出額は、月269,863円で、前年と比較して約10%減少しています。
具体的には、外食や教養娯楽費、被服費などが減少したのに対して、水道光熱費は4カ月連続で上昇しています。
まさに、巣ごもりによる影響が家計にも大きく反映しているようで、我が家でも水道料金が過去最高を更新してしまいました。

コロナ禍での家計管理の注意点

①家計の現状を把握しましょう。

上記の通り、コロナ禍で家計は大きく変わっています。
ただ、影響はひとそれぞれ違いますので、まずはご自身の現在の家計の状況を把握してみることが重要です。
家計簿をつけている方は、「昨年と比べて支出がどう変わったのか」、つけていない方も「預金残高を確認して、貯金を取り崩していないか」など確認してみましょう。

例えば、お店の休業などで毎月の収入が大きく減っている方は、緊急小口資金の貸付や持続化給付金、家賃支援給付金などの公的な支援制度や、税金や水道光熱費等の支払いを一時的に猶予する制度などもありますので、活用を検討されてみてください。

②家計の見直しをしましょう。

新型コロナウイルスの影響はいつまで続くかわかりません。
収入の減少や支出の増加等により、家計が赤字となっている場合は、そのままにせずに見直しをしましょう。
日々の節約も大事ですが、まずは効果が大きい保険料や住宅ローンの返済額、携帯料金などの固定費の見直しがお勧めです。
また、資産運用や貯蓄の毎月の積立額を無理のない金額に見直すのも一つの方法です。
コロナの長期化に備え、貯蓄を取り崩すのではなく、毎月の収入内でのやりくりを目指しましょう。

③ボーナス払いにご注意!

今後、ボーナスが大きく減る見込みの方も多いのではないでしょうか。
住宅ローンや生命保険などの支払いにボーナスを充てている方は注意が必要です。

住宅ローンは返済期間の延長や返済額の変更などに手数料無料で応じているところもありますし、生命保険は支払いの猶予期間が設けられています。
まずは取引先の金融機関や保険会社へ相談しましょう。

終わりに

いつ収束するのかわからないので「今後の収入はどれぐらいになるのか」、「このままの貯蓄で大丈夫だろうか」などの不安を感じていらっしゃる方が多いと思います。

コロナ禍では、家で過ごす時間が増えて家族との時間を大切にできたという声も多く聞かれます。
特に今年の年末年始は、お家で過ごす方が多いと思いますので、家族やご自身でこれからの将来のことを考える時間を作ってみませんか。

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