ファイナンシャルプランナー

ブログ

楢原 寛子

主婦目線での家計の見直しや将来の生活設計・資金計画(ライフプランニング)を得意としています。 住宅購入やお子様の教育費、老後セカンドライフの充実など、相談者一人ひとりの将来叶えたい夢の実現に向け、ライフプラン作成などのお手伝いをしています。
CFP、FP1級技能士、住宅ローンアドバイザー、相続診断士
メール

この執筆者の過去のコラム一覧

2021/08/10

いざという時に家族が困らないために活用したい「生命保険の役立つ制度」

みなさんは親や家族が加入している生命保険の内容はご存じでしょうか??
離れて暮らす親の保険は分からないという方も少なくないと思います。

家族が亡くなった時に「生命保険に加入しているのか」、「加入しているのはどこの生命保険か」などが分からないと、それぞれの保険会社に確認する作業はとても大変です。
今回は、家族がいざという時に困らないための生命保険のお役立ち制度についてお話しします。

日頃から家族で確認しておきたいこと

いざという時にあわてないためにも、日頃から保険証券や年1回保険会社から送られてくる契約内容のお知らせを確認するなどして、家族内でどの保険会社でどのような内容の保険に加入しているのかを共有しておくことが大事です。
また、保険証券などは、一冊のファイルにまとめて保管するなど、いつでも家族で確認できるようにしておきましょう。

 

家族のために活用したい制度

保険金や給付金等を請求するときに家族が困らないようにするために、生命保険会社に事前に登録をお勧めする制度があります。登録費用はかかりませんので、まだの方はぜひ確認して手続きをしましょう。 

①指定代理請求制度

本人の傷害または病気により、保険金等を請求する意思表示ができないときなど、特別な事情で給付金・保険金の請求が難しい場合に、事前に指定代理請求人を指定しておくことで、代理人が手続きできるようになる制度です。

例えば、本人ががんなどの病名や余命の告知を受けていない場合などでも、指定代理請求人が代理請求できるようになります。

また、既に登録されている場合でも、家族のライフスタイルの変化などに応じて、速やかに手続きが出来る方へ、定期的に見直しをしておくといいでしょう。
なお、手続きに必要な書類は、保険会社のコールセンターかインターネットなどで取り寄せができます。

②家族情報登録制度

契約者本人が事前に家族の連絡先等を生命保険会社に登録することで、登録された家族が、「保険契約内容の照会」や「給付金請求書などの書類の取り寄せ」などができるようになる制度です。
保険会社によって条件は異なりますが、3親等以内の親族を1~2名程度登録できます。

また、災害時などで契約者に連絡がつかない場合や、郵便物が届かなくなった場合などには、保険会社から登録された家族へ連絡が入りますので給付金や満期金・年金など支払いに対しての請求漏れの防止にもつながります。
こちらは、先ほどの資料請求のほか、電話やインターネットでも簡単に手続きができる保険会社もありますので、ぜひ活用してみましょう。

どうしても分からないときは

では元気なうちに家族で保険の内容を把握できていないときはどうしたらいいでしょうか?
まず保険会社からの郵便物や、通帳の口座引き落とし履歴などから保険会社を特定することが出来る場合もありますが、それでも分からないときは、「生命保険契約照会制度」を活用してみましょう。

この制度は、契約者や被保険者が亡くなったり、認知症になったりして生命保険の契約が分からない場合に、生命保険協会を通じて国内42社の生命保険会社に契約があるかどうかを一括して確認ができる制度です。そのほか、災害による行方不明時にも利用できます。

なお、この照会では契約の有無しか確認できませんので、契約があった場合には、直接保険会社へ連絡をして契約内容の確認や給付金・保険金の請求手続きが必要になります。

【申請方法】
①申請する人

亡くなったときは法定相続人や弁護士などの代理人、認知症の場合は3親等内の親族や代理人からの申し出があれば、契約の照会ができます。

②申請方法・費用
生命保険協会のHPから、インターネットまたは郵送により照会を依頼します。
費用は1回の照会につき3,000円です。

なお、災害時には電話で手続きの申し込みができ、費用は無料、提出書類は必要ありません。

③必要書類
手続きには、照会者の「本人確認書類」、「相続人と被相続人の関係を示す戸籍等」や「死亡診断書」が必要になります。また、認知症の場合は「生命保険協会所定の診断書」の提出が求められます。

④回答方法
生命保険協会がとりまとめて照会者へ契約の有無を連絡します。

※照会の申請から調査結果の回答までの流れ(出典:生命保険協会)

おわりに

「生命保険契約照会制度」は、東日本大震災を契機として、災害地域で被災された方が保険契約の有無を確認できる制度として生まれたもので、近年の一人暮らしの高齢者や認知症患者の増加などの社会変化を受けて、2021年7月に新たに亡くなったり、認知症になった場合などにも利用できるようになったものです。

ただ、もしもの時のセーフティネットとして覚えておいて欲しい制度ですが、この制度を活用しないですむように、まずは、元気なうちに家族で生命保険の話を共有しておきましょう。

親に生命保険の話をしづらいとういような場合は、「指定代理請求制度」や「家族情報登録制度」のお話しからはじめてみませんか。

すべての著作権は(株)大洋不動産に帰属しています。無断転載は固くお断りいたします。