ツアーディレクター(添乗員)

ツーリストエキスパーツ

寺田 多実子

1961年生まれの博多っ子1987年より近畿日本ツーリストの国内・海外旅行のツアーディレクターとして世界中を飛び回る。渡航歴は400回を超え、訪れた国は約70ヶ国。目指しているのは、他を喜ばせる人になること。趣味は描画と写真撮影で「どこでもスマイル」と「とっておき」の二冊の写真集を自費出版した。還暦を機にシニアのチアダンスと好きな曲をピアノで弾くことに挑戦中。地元でタレントもしている。好きな言葉は創意工夫と笑顔は世界の共通語。

この執筆者の過去のコラム一覧

2021/12/10

ワクワクする気持ち

「好きなこと・やりたいこと」を考えるとワクワクしませんか?
旅もまたそのひとつ。

私の小さな望みが叶った旅

秋から冬に移りゆく季節になると美しい錦秋の彩りとともに、京都での《舞妓体験》が鮮やかに蘇ります。

一度やってみたかった舞妓体験が実現したのは今から5年前のこと。8つ年下のY子に提案したところ、食いつきの良い彼女が二つ返事で同行することになりました。
行くと決まったら話は早い。ネットで見つけた舞妓変身スタジオに予約を入れ、高揚感に胸を躍らせながら意気揚々と臨みました。

そのスタジオは京都らしい町並みの祇園白川の近くにあり、スタジオ撮影の後で舞妓姿のまま散歩ができるのです。
まずは受付を済ませスタッフのアドバイスに耳を傾けながら、着物(私は白、Y子は赤)と帯を選びました。着付けとメークをプロへお任せし段取りよく『なんちゃって舞妓はん』ができあがったところで、いざスタジオ撮影へ!
「アッチを向いて目線はコッチ、首を少しかしげて~」と、ポーズを指示するカメラマンさんのおかげで撮影は無事終了。次はいよいよ町歩きです。

祇園を流れる白川沿いには、風情のある町家が連なり石畳の道が続いています。
スタジオから出歩くとなれば当然、あの『おこぼ(ぽっくり下駄)』を履かねばなりません。この履物はレディ・ガガの靴のような高下駄で、足元がおぼつかず想定外の難行となりました。
ヨロヨロとバランスを取りながら少しずつ進み、やっとの思いで祇園白川にたどり着くやいなや、中国からの団体客御一行様と遭遇してしまいました。

彼らは舞妓はんになりすました私たちを見つけ、大声を上げながら一気に駆け寄ってきました。そして私の前を通り過ぎ、我先に写真を撮ろうと赤い着物のY子の回りにむらがっています…まぁいいか、これが現実です。

この騒ぎを遠巻きに見ていた修学旅行生からもモデル撮影を頼まれ、しばらくの間私たちはアイドルになった気分でした。そういうわけでグッタリしてスタジオに戻り、カツラを取りメークを落として着物を脱いだらバンザイ気分~なんという解放感~

スタッフの説明によるとスタジオ撮影した画像は加工修正も可能で、
①修正なし
②程よい修正 
③誰なのか判らなくなるほどの超修正 
の三段階あるらしい。
私たちは②程よい修正を頼んだ結果、後日送られてきた画像に乙女心が大喜び♪ その中の一枚をぜひ見ておくれやす。

もうすぐクリスマス

フランス・パリの街がイルミネーションで輝くこの季節、楽しみにしているのは老舗デパート『ギャラリー・ラファイエット(本館)』のクリスマス・ツリーです。

美しいドーム型の天井から吊るされた、豪華で巨大なツリーを様々な角度から見て楽しめます。
特にガラスウオークと呼ばれる空中に突き出た回廊から見ると、景観の美しさもさることながら足がすくむというオマケ付き。毎年違うテーマで飾られ、2021年のテーマは『1,2,3,クリスマス!』北欧のサンタクロース村が舞台です。
写真は2019年のもので、テーマは『ミツバチの巣箱』でした。

どこで新年を迎えるか、楽しみです

私は仕事柄世界のあちこちで年越し体験をしました。
特に印象的だったのはスペインの首都・マドリードでの年越しカウントダウンです。
プエルダ・デル・ソル(ソル広場)に大勢の人が集まり0時を告げる時計台の鐘の音に合わせて、新年の12ヶ月をあらわす12粒のブドウを食べるのです。
鐘は3秒に1回鳴るので結構はやく、1粒ごとに願い事をしながら真剣にモグモグ、モグモグとブドウをほおばりました。
因みにブドウは町のあちこちで売られているので、観光客の私たちも簡単に購入できます。

もうひとつ、パリの凱旋門でのカウントダウンに大興奮!
日本では『オー・シャンゼリゼ』の歌で知られるシャンゼリゼ大通りは、有名ブランド店やカフェが建ち並ぶパリで一番の目抜き通りです。
凱旋門とコンコルド広場を結ぶ全長2km幅70mのマロニエの並木道が、クリスマス前から年明けまでイルミネーションで華やかになります。
更に大晦日は歩行者天国になり、23時30分より凱旋門をスクリーンにして映像が映し出されるプロジェクションマッピングが始まります。
待ちに待った23時59分にはカウントダウンが始まり、ついに新年を迎え凱旋門から花火が上がると一斉にBonne annee!(ボナネ)あけましておめでとう!の声高らかに、あたりはビズ(ホッペにチュッチュ)、ビズ、ビズの嵐です。

さまざまな年越しシーンを思い出しながら、今年は少しだけ忙しくなった師走を過ごしています。
どうぞ皆さんも、お体にお気を付けて良い年をお迎えください。
来年もワクワクする気持ちを忘れないでね!

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