2022/02/10
2022年から変わる~くらし・家計に関するお金の制度~
私たちのくらしの中で税金や年金・社会保険制度等は、社会の状況に合わせてこれまでも仕組みが変更になっています。
2022年は、将来の資産形成を考えるうえでも重要な「くらし・家計に関するお金の制度」の変更が予定されていますので、今回は押さえておきたい点についていくつかご紹介します。
年金の受給開始を75歳まで繰り下げが可能に(2022年4月~)
年金は原則65歳から受給開始ですが、1か月遅らせることで年金額が0.7%増額されます。
これまでは繰り下げできるのは70歳まででしたが、2022年4月からは75歳まで繰り下げできるようになりました。仮に75歳まで繰り下げをしたとすると84%(0.7%×12カ月×10年)が増額されることになります。
一方で、繰り下げをすると年金額は増えますが、長生きしないと受け取る年金の総額は少なくなる可能性もあります。その時の健康状態や年金を繰り下げるまでの間の生活費を確保できているのかなど考慮して慎重に検討することが必要になってきます。
また、受け取り額が増えると、収入が増えることになるので所得税や住民税、健康保険料・介護保険料などの社会保険料の負担が増えることは覚えておきましょう。合わせて医療費の窓口負担や高額療養費制度、高額介護サービス費等の上限にも影響が出てくる場合もあります。
まずは、ご自身の将来の年金額を確認してみませんか。年に1回誕生月に送付される「ねんきん定期便」や日本年金機構HPの「ねんきんネット」で将来の受取額が試算できるようになっています。
ちなみに年金を早くもらう「繰り上げ」をした場合は、これまでは1か月早めることで0.5%減額されていましたが、2022年4月からは、減額率が0.4%に緩和されます。減額された年金額が終身続くことになるので検討する際には注意しましょう。
iDeCoの加入期間が65歳になるまで延長(2022年5月~)
60歳以降の就労が増えているのを受け、加入できる年齢が60歳未満から65歳未満までに延長されます。60歳以降も加入することで、老後資産の積立額を増やし、税金面では所得控除が受けられるようになります。
これまで50代の方は、数年しか加入できないという理由で加入を迷っていた方も多いと思いますが、この改正により制度を利用しやすくなりますね。
ただし、延長出来るのは60歳以降、再雇用等で会社員や公務員として厚生年金に加入している方や国民年金に任意加入する方などが対象になります。
このため、既に国民年金保険料を40年間納付している自営業者等の方は、60歳以降国民年金の任意加入はできませんので、事前に日本年金機構HPの「ねんきんネット」等でご自身の加入履歴を確認してみましょう。
高齢者の医療費負担が増加(2022年10月~)
現役世代の保険料の負担が増えるのを防ぐために、75歳以上の高齢者で一部の方は医療費の窓口負担が現在の1割から2割に変更になります。
対象になるのは、単身世帯の場合、課税所得が28万円以上かつ「年金収入+その他の合計所得金額」が200万円以上の方(複数世帯の場合は320万円以上)です。
ただし、一気に窓口負担が増えると家計への影響も大きくなるので、改正後3年間は、外来患者に限って1か月の負担増が最大でも3,000円に収まるような経過措置がとられるようです。
また、負担が増えて不安に感じる方もいらっしゃると思いますが、医療費が高額になった場合には、「高額療養費制度」や確定申告で「医療費控除」を申請することができますのでこういった制度も確認しておくといいでしょう。
まとめ
人生100年時代に備えるために、今回紹介した年金の繰り下げ制度やiDeCoの加入年齢延長などを上手に活用してみませんか。
どんなセカンドライフを楽しみたいのか、いつまで働くのかなど、将来のライフプランを考えることも合わせて大事になってきます。お金に関する制度は、知っているのと知らないのでは、将来大きな差が出てきますので、日頃からアンテナをはっておきましょう。
また、元気に長く働くためには、一番大事なことはもちろん健康であることです。
コロナ禍では人間ドックやがん検診の受診控えにより、病気の発見が遅れたことなどが問題視されています。
医療費の負担増の事もありますが、定期的に検診を受け、元気に健康を保つことが何よりも大切かもしれませんね。
私たちのくらしの中で税金や年金・社会保険制度等は、社会の状況に合わせてこれまでも仕組みが変更になっています。
2022年は、将来の資産形成を考えるうえでも重要な「くらし・家計に関するお金の制度」の変更が予定されていますので、今回は押さえておきたい点についていくつかご紹介します。
年金の受給開始を75歳まで繰り下げが可能に(2022年4月~)
年金は原則65歳から受給開始ですが、1か月遅らせることで年金額が0.7%増額されます。
これまでは繰り下げできるのは70歳まででしたが、2022年4月からは75歳まで繰り下げできるようになりました。仮に75歳まで繰り下げをしたとすると84%(0.7%×12カ月×10年)が増額されることになります。
一方で、繰り下げをすると年金額は増えますが、長生きしないと受け取る年金の総額は少なくなる可能性もあります。その時の健康状態や年金を繰り下げるまでの間の生活費を確保できているのかなど考慮して慎重に検討することが必要になってきます。
また、受け取り額が増えると、収入が増えることになるので所得税や住民税、健康保険料・介護保険料などの社会保険料の負担が増えることは覚えておきましょう。合わせて医療費の窓口負担や高額療養費制度、高額介護サービス費等の上限にも影響が出てくる場合もあります。
まずは、ご自身の将来の年金額を確認してみませんか。年に1回誕生月に送付される「ねんきん定期便」や日本年金機構HPの「ねんきんネット」で将来の受取額が試算できるようになっています。
ちなみに年金を早くもらう「繰り上げ」をした場合は、これまでは1か月早めることで0.5%減額されていましたが、2022年4月からは、減額率が0.4%に緩和されます。減額された年金額が終身続くことになるので検討する際には注意しましょう。
iDeCoの加入期間が65歳になるまで延長(2022年5月~)
60歳以降の就労が増えているのを受け、加入できる年齢が60歳未満から65歳未満までに延長されます。60歳以降も加入することで、老後資産の積立額を増やし、税金面では所得控除が受けられるようになります。
これまで50代の方は、数年しか加入できないという理由で加入を迷っていた方も多いと思いますが、この改正により制度を利用しやすくなりますね。
ただし、延長出来るのは60歳以降、再雇用等で会社員や公務員として厚生年金に加入している方や国民年金に任意加入する方などが対象になります。
このため、既に国民年金保険料を40年間納付している自営業者等の方は、60歳以降国民年金の任意加入はできませんので、事前に日本年金機構HPの「ねんきんネット」等でご自身の加入履歴を確認してみましょう。
高齢者の医療費負担が増加(2022年10月~)
現役世代の保険料の負担が増えるのを防ぐために、75歳以上の高齢者で一部の方は医療費の窓口負担が現在の1割から2割に変更になります。
対象になるのは、単身世帯の場合、課税所得が28万円以上かつ「年金収入+その他の合計所得金額」が200万円以上の方(複数世帯の場合は320万円以上)です。
ただし、一気に窓口負担が増えると家計への影響も大きくなるので、改正後3年間は、外来患者に限って1か月の負担増が最大でも3,000円に収まるような経過措置がとられるようです。
また、負担が増えて不安に感じる方もいらっしゃると思いますが、医療費が高額になった場合には、「高額療養費制度」や確定申告で「医療費控除」を申請することができますのでこういった制度も確認しておくといいでしょう。
まとめ
人生100年時代に備えるために、今回紹介した年金の繰り下げ制度やiDeCoの加入年齢延長などを上手に活用してみませんか。
どんなセカンドライフを楽しみたいのか、いつまで働くのかなど、将来のライフプランを考えることも合わせて大事になってきます。お金に関する制度は、知っているのと知らないのでは、将来大きな差が出てきますので、日頃からアンテナをはっておきましょう。
また、元気に長く働くためには、一番大事なことはもちろん健康であることです。
コロナ禍では人間ドックやがん検診の受診控えにより、病気の発見が遅れたことなどが問題視されています。
医療費の負担増の事もありますが、定期的に検診を受け、元気に健康を保つことが何よりも大切かもしれませんね。
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