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楢原 寛子

主婦目線での家計の見直しや将来の生活設計・資金計画(ライフプランニング)を得意としています。 住宅購入やお子様の教育費、老後セカンドライフの充実など、相談者一人ひとりの将来叶えたい夢の実現に向け、ライフプラン作成などのお手伝いをしています。
CFP、FP1級技能士、住宅ローンアドバイザー、相続診断士
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2022/05/10

民法の大改正!成年年齢引き下げの影響とその対応

民法が改正され、2022年4月1日から成年年齢が18歳に引き下げられました。
今回は、この改正によって何ができるようになったのか、それに伴ってどういったことに気を付けておかないといけないのかなどについてお話しします。

成年年齢の引き下げで変わることは?

契約やローンの借り入れなどこれまで20歳まで親権者の同意が必要であった様々な行為が、同意なしにできるようになります。
また、逆に女性の結婚可能年齢は引き上げられ、18歳になりました。
主な改正内容は下表のとおりですが、飲酒や喫煙などこれまでと変わらないものもありますので気を付ける必要があります。

成年年齢の引き下げと契約

契約とは、法律的な責任を伴う約束で、一般的に売り手と買い手の承諾があれば契約が成立することとなります。
ただし、未成年者の消費者被害を防ぐため、未成年者が親の同意を得ずに契約した場合は、民法の規定により、契約を取り消すことが出来るようになっており、これを「未成年者取消権」と言います。

今回の成年年齢の引き下げにより、18~19歳が新たに成年となりましたので、契約に親の同意は必要なくなりましたが、これにより若者の消費者被害が増えることが懸念されています。
実際、若者を狙った悪質商法での被害が増え続けており、消費者ホットラインにも多数相談が寄せられているようです。


では、若者はどんなトラブルに巻き込まれやすいのでしょうか。
国民生活センターの調べによると、インターネットや交流サイト(SNS)での広告や書き込みを通じて、通販、サブスク、ネットビジネス、投資、美容などに関するトラブルが増えているようです。

国においても、若者がトラブルに巻き込まれないようにするために、かなり前から小・中・高等学校で消費者教育を実施し、契約の重要性や消費者保護の重要性などについて啓蒙活動に取り組んできたところですが、被害は増え続けている状況です。

まず「絶対にもうかる」や「お金が確実に増える」などうまい話には注意が必要です。
契約条件や内容が分からない場合は、契約する前に必ず自分で確かめるようにしましょう。また、自分で分からない場合は、家族などに相談してください。

あらたな金融教育の取り組み

今回の成年年齢の引き下げを一つの契機に、今年度より高校の新しい学習指導要領に金融経済に関する教育を盛り込むなど、国による新たな金融教育の取り組みも始まっています。
この授業では、家計の構造や生活における経済と社会との関わり、家計管理について理解することを目標にされており、家計の収支の重要性や資産形成としての預貯金、民間保険、株式、債券、投資信託等の基本的な金融商品の特徴も勉強していくようです。

さらに、将来のライフステージにかかる費用や社会保障制度などまで盛り込まれており、私自身、社会に出てから自ら勉強して身に着けなければならなかった内容が、学生のうちから学べるのは、とてもいいことであり、お金にかかるトラブルの未然防止にも非常に役に立つものとなるのではないでしょうか。

おわりに

毎年5月は「消費者月間」とされており、全国的に消費者問題に関する啓発・教育等の活動が集中的に行われています。
今年のテーマは「考えよう!大人になるとできること、気を付けること~18歳から大人に」だそうです。

自分で契約ができるということは、自分で責任を負うことになりますので、法律通り、大人の知識を身に着ける必要がありますね。
甘い言葉に騙されず、さまざまな知識を身に着けながら、しっかり自分で考えられる消費者を目指していきましょう!

もし万が一消費者トラブルに巻き込まれたり、困ったことがあった場合には、契約のクーリングオフや取り消しができる場合もありますので、地域の消費生活センターにぜひご相談ください。
相談窓口は、土日もつながる消費者ホットライン188番(いやや)でも案内してもらえますよ。

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