税理士

あんしん税理士法人

安藤 眞哉

元住宅営業マンとしての経験を持つ税理士が、建設業・不動産業・設計事務所の開業・起業支援、会社設立・法人成り、開業時の融資から開業後の税務処理まで親切丁寧サポートいたします。出身校:中央大学法学部政治学科

この執筆者の過去のコラム一覧

2017/03/10

アパート収支計画と税金負担

12月14日付の日経新聞に「アパート融資の過熱警戒 金融庁、節税効果など実態調査」という記事が掲載されました。

平成27年の相続税改正にともなうアパート経営ブームの現状に対して、貸出を行っている地方銀行を通じて問題がないか調査を行うという内容の記事。地銀の担当者からも自己資金のないアパート融資は今後厳しくなるという話がありましたので今後、これまでのような節税効果のみを重視したアパート経営は難しくなってくるでしょう。

提案された収支計画書の中身は?

私どもの業務の中でも、賃貸経営を考えている方から建築会社から提案された賃貸アパート・マンションの収支計画を見てほしいという相談が時々あります。数年前に実際にみたシミュレーションは次のような計画でした。

 

一緒に不動産所得の計算書も添付されていましたが、税金の計算はされていません。欄外には「不動産所得以外に給与や年金と合算した所得に税金が課税されます」と小さく注意書がされていました。税金は人それぞれ違う面があるので建築会社の提案に含めるのは難しいのが現状なのかもしれません。

 収支計画を自分仕様で組み立ててみる

建築会社の収支計画に、現状の課税所得が900万円の場合の税金の負担を考慮して作成しなおした収支計画は次のとおりです。(※900万円超1,800万円以下の所得に対する税率は43%です。前回記事参照)

 

税金を考慮した結果、30年目の累計留保金額は税金を考慮する前よりも約1億3千万円も減少しています。

税金が考慮されていない他にも、家賃収入が30年間変わらない、大規模修繕の計画がないなど問題な収支計画です。さすがにここまで楽観的な収支計画はめったにないのではないかと思いますが、建築を決める前には、賃貸経営に詳しい税理士等の専門家・不動産会社に相談することをお薦めします。

 

 

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