2023/06/10
プロレスラーとはどのような職業なのか?
前回までの一寸蒼天から当コラムを引き継ぎ、九州プロレス所属プロレスラーのTAJIRIと申します。
Nice to meet you。
スペイン語ではMucho gusto。
エチオピア語でナンジャラホイ。
当コーナーのタイトルが『しあわせ倍増コラム』ということでして。生意気ながらも、読まれた皆さんがおしあわせになれる、そんなコラムを書き記していけたらと。
決死の覚悟をもって任務遂行させていただきたい次第です。
さて、プロレスに興味のない方はもちろんのこと。プロレスに興味のある方でも、ではプロレスラーとはいったいどのような職業なのか?
深い部分までは存じ上げない方が世のほとんどだと思います。
リングの上でプロレスをするのが仕事でしょ?
プロレスに興味のある方でも、御存じなのはそのあたりまで。
しかし、そうではないのです。
リングの上でプロレス(試合)をする。
最終的にはもちろんそこへ行き着くのではありますが、そこへ至るまでも含めてのプロレス。いや、むしろそこへ至るまでの道のりこそが七難八苦にしてイバラの道であり速水もこみちであるといえるのです。
では、試合に至るまでに乗り越えなくてはならない速水もこみちとはなんぞや!?
それはまず、我々プロレス団体の存在を知っていただくことから始まります。
すでに御存じの方だけをターゲットにしているようではダメです。
水を足さない水ガメはいつか必ず干上がってしまいます。現状維持ではダメなのです。
どこの業界でも一緒ですよね。
では、知っていただくために何をするのか?
ひとつは広報活動。
会社の広報による綿密な作戦に基づくメディアへの露出はもちろんのこと、いまや時代はSNS真っ盛り。
レスラー個人でも常に話題になる発言や行動をこころがけ、絶え間なく発信し続けていく。ただし、NPO法人である九州プロレスにおいて炎上商法だけは御法度です。
これが一つ。
プロレスラーが営業?!
さらには営業。
世に百花繚乱の娯楽があふれ返っているいま、黙って道ばたにつっ立っているようでは世間はハナもひっかけてはくれません。
なので、こちらから売り込みをかけていく。そのさい最終兵器となるのがプロレスラーの存在です。
営業社員とプロレスラーが、合体ロボと化して営業をかけて回るのです。
そうすると「え、本物のプロレスラー?じゃ、せっかく来てくれたから今度観にいくよ!」と、心やさしい方が九州にはなんと多いことか。
渡る世間も鬼ばかりではないのです。
試合当日のお月様
ここまでが準備段階。
試合当日には移動が待ち構えています。
九州プロレスでは九州各県での試合がほとんどなので、遠いときには福岡から鹿児島や宮崎など。長いときで5時間程度の移動が目安となります。
前日入りなんてほとんどしません。
試合当日の朝、乗り合いの車で移動するのです。
到着したら、会場設営が待っています。
床全面にシートを敷き、リングを組み上げ、イスを並べる。
お客さんが入場されたら売店で笑顔をふりまきグッズを買っていただくことも忘れてはいけない重要任務。
さて、やっと試合。
プロレスの試合は、長くてもせいぜい30分です。
その30分に至るまでに、こうした長い道のりがある。
そして試合を終えたら大急ぎで会場撤去。
クタクタの搾りカスとなって車に乗り込み、お月様を見上げる時刻にやっと帰宅。
それでも翌日からはいつものように道場での激しい稽古。
そんな日々の繰り返しで生きている。それがプロレスラーという職業の実態です。
広報、営業、設営、売り子さん、試合……さらには九州プロレスでは、幼児施設や老人施設への日々の慰問活動もおこないます。
リングの上で相手を投げ飛ばしているだけでは全然ない……どうですか、多少なりとも親近感というか「ただの荒くれ者じゃなかったんだ!」という。
しあわせ倍増とまではいかなくとも、近寄りやすい安心感が芽生えてこころがホカホカしてはきませんかね?(しないか)
そんな職業をなりわいとするTAJIRIのコラム。
次回からはこのように国内はおろか世界各地で様々な経験をしているプロレスラーだからこそ知りえる奇特な出来事や「気づき」の数々も書き記してまいります。
ちなみに私、プロレスラーが本職ですが同時進行で雑文書きもなりわいとして生き長らえておりまして、著作もいくつか。
最新刊は『少年とリング屋』(イースト・プレス刊)というタイトルの小説を。
その一作前には『戦争とプロレス』(徳間書店刊)というウクライナ・ロシア戦争下の欧州を巡ったルポルタージュも発売しておりますので、心やさしい九州の皆さんはどうか九州プロレス・オンラインショップからご購入してくださると幸いにございます。
速水もこみちからのお願いでした。
《Twitter》https://twitter.com/@kyushupro_new
《インスタ》https://www.instagram.com/qpro_official
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前回までの一寸蒼天から当コラムを引き継ぎ、九州プロレス所属プロレスラーのTAJIRIと申します。
Nice to meet you。
スペイン語ではMucho gusto。
エチオピア語でナンジャラホイ。
当コーナーのタイトルが『しあわせ倍増コラム』ということでして。生意気ながらも、読まれた皆さんがおしあわせになれる、そんなコラムを書き記していけたらと。
決死の覚悟をもって任務遂行させていただきたい次第です。
さて、プロレスに興味のない方はもちろんのこと。プロレスに興味のある方でも、ではプロレスラーとはいったいどのような職業なのか?
深い部分までは存じ上げない方が世のほとんどだと思います。
リングの上でプロレスをするのが仕事でしょ?
プロレスに興味のある方でも、御存じなのはそのあたりまで。
しかし、そうではないのです。
リングの上でプロレス(試合)をする。
最終的にはもちろんそこへ行き着くのではありますが、そこへ至るまでも含めてのプロレス。いや、むしろそこへ至るまでの道のりこそが七難八苦にしてイバラの道であり速水もこみちであるといえるのです。
では、試合に至るまでに乗り越えなくてはならない速水もこみちとはなんぞや!?
それはまず、我々プロレス団体の存在を知っていただくことから始まります。
すでに御存じの方だけをターゲットにしているようではダメです。
水を足さない水ガメはいつか必ず干上がってしまいます。現状維持ではダメなのです。
どこの業界でも一緒ですよね。
では、知っていただくために何をするのか?
ひとつは広報活動。
会社の広報による綿密な作戦に基づくメディアへの露出はもちろんのこと、いまや時代はSNS真っ盛り。
レスラー個人でも常に話題になる発言や行動をこころがけ、絶え間なく発信し続けていく。ただし、NPO法人である九州プロレスにおいて炎上商法だけは御法度です。
これが一つ。
プロレスラーが営業?!
さらには営業。
世に百花繚乱の娯楽があふれ返っているいま、黙って道ばたにつっ立っているようでは世間はハナもひっかけてはくれません。
なので、こちらから売り込みをかけていく。そのさい最終兵器となるのがプロレスラーの存在です。
営業社員とプロレスラーが、合体ロボと化して営業をかけて回るのです。
そうすると「え、本物のプロレスラー?じゃ、せっかく来てくれたから今度観にいくよ!」と、心やさしい方が九州にはなんと多いことか。
渡る世間も鬼ばかりではないのです。
試合当日のお月様
ここまでが準備段階。
試合当日には移動が待ち構えています。
九州プロレスでは九州各県での試合がほとんどなので、遠いときには福岡から鹿児島や宮崎など。長いときで5時間程度の移動が目安となります。
前日入りなんてほとんどしません。
試合当日の朝、乗り合いの車で移動するのです。
到着したら、会場設営が待っています。
床全面にシートを敷き、リングを組み上げ、イスを並べる。
お客さんが入場されたら売店で笑顔をふりまきグッズを買っていただくことも忘れてはいけない重要任務。
さて、やっと試合。
プロレスの試合は、長くてもせいぜい30分です。
その30分に至るまでに、こうした長い道のりがある。
そして試合を終えたら大急ぎで会場撤去。
クタクタの搾りカスとなって車に乗り込み、お月様を見上げる時刻にやっと帰宅。
それでも翌日からはいつものように道場での激しい稽古。
そんな日々の繰り返しで生きている。それがプロレスラーという職業の実態です。
広報、営業、設営、売り子さん、試合……さらには九州プロレスでは、幼児施設や老人施設への日々の慰問活動もおこないます。
リングの上で相手を投げ飛ばしているだけでは全然ない……どうですか、多少なりとも親近感というか「ただの荒くれ者じゃなかったんだ!」という。
しあわせ倍増とまではいかなくとも、近寄りやすい安心感が芽生えてこころがホカホカしてはきませんかね?(しないか)
そんな職業をなりわいとするTAJIRIのコラム。
次回からはこのように国内はおろか世界各地で様々な経験をしているプロレスラーだからこそ知りえる奇特な出来事や「気づき」の数々も書き記してまいります。
ちなみに私、プロレスラーが本職ですが同時進行で雑文書きもなりわいとして生き長らえておりまして、著作もいくつか。
最新刊は『少年とリング屋』(イースト・プレス刊)というタイトルの小説を。
その一作前には『戦争とプロレス』(徳間書店刊)というウクライナ・ロシア戦争下の欧州を巡ったルポルタージュも発売しておりますので、心やさしい九州の皆さんはどうか九州プロレス・オンラインショップからご購入してくださると幸いにございます。
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