2017/07/10
修繕積立金の賢い貯め方
賃貸物件の競争力の維持のためには、定期的なメンテナンスが必要です。
メンテナンスには外回りの改修から内部の配管の改修工事など、金額も数百万円から場合によっては1,000万円を超えることも珍しくはありません。今回は、そのよう定期的な改修資金を準備するために活用できる「中小企業倒産防止共済制度(以下「倒産防止共済」)についてご紹介します。
倒産防止共済とは
倒産防止共済とは、毎月一定の掛金を支払うことで、取引先の会社が倒産して商品の売買代金等が回収できなくなった場合のような緊急時に借入をすることができる制度です。また倒産防止共済の掛金は月額5千円から20万円の範囲内で決めることができ、支払った掛金の合計額が800万円になるまで積み立てることができます。
この積立てたお金は40ヶ月以上支払った後は、解約すればいつでも支払った保険料の100%が戻ってきます。また、解約までしなくても積立金の約70%から95%の範囲内で貸付を受けることも可能です。
支払った保険料は法人の場合、全額その年の経費に
税務上の取り扱いですが、支払った掛金は全額経費として経費に計上することができます。ただしこの取り扱いは法人でアパート経営をされている場合のみで、個人でアパート経営をされている場合は経費になりません。
最終的に解約した場合、受け取った解約手当金は、受け取った年の収入として計算します。
修繕積立金残高の比較
ここまでで倒産防止共済の概要をご案内しました。
それでは修繕積立金を積み立てるために倒産防止共済を利用した場合としなかった場合とで修繕までのキャッシュフローがどのように違うか比較してみましょう。
(前提条件)毎年のアパート経営の収入は300万円(経費控除後)
11年目に改修費用として1,100万円を予定。
倒産防止共済で年間80万円を積立(10年間で800万円の積立)
毎年の利益で修繕積立金を積み立てた場合、修繕を行った11年目の預金残高は1,300万円に対して、倒産防止共済を利用して積み立てた場合、1,540万円と240万円多くなります。
この差の原因は倒産防止共済を利用した場合が11年間の法人税の合計が240万円少ないためです。
10年目までの積立金残高についても倒産防止共済が経費になることにより法人税が減少した分、修繕積立金の残高が多くなっています。(※毎年の利益で積立てる場合は、11年目の赤字800万円が翌年以降の利益と相殺され法人税が減少します。)
このように倒産防止共済を活用することで毎年の税金の負担を抑えながら修繕積立金を前倒しで貯めることができます。
倒産防止共済の積立金は修繕以外の目的でも解約することはできますので、役員退職金の積立に利用してもよいでしょう。
まだ倒産防止共済を利用されていない方は検討してみてはいかがでしょうか。
賃貸物件の競争力の維持のためには、定期的なメンテナンスが必要です。
メンテナンスには外回りの改修から内部の配管の改修工事など、金額も数百万円から場合によっては1,000万円を超えることも珍しくはありません。今回は、そのよう定期的な改修資金を準備するために活用できる「中小企業倒産防止共済制度(以下「倒産防止共済」)についてご紹介します。
倒産防止共済とは
倒産防止共済とは、毎月一定の掛金を支払うことで、取引先の会社が倒産して商品の売買代金等が回収できなくなった場合のような緊急時に借入をすることができる制度です。また倒産防止共済の掛金は月額5千円から20万円の範囲内で決めることができ、支払った掛金の合計額が800万円になるまで積み立てることができます。
この積立てたお金は40ヶ月以上支払った後は、解約すればいつでも支払った保険料の100%が戻ってきます。また、解約までしなくても積立金の約70%から95%の範囲内で貸付を受けることも可能です。
支払った保険料は法人の場合、全額その年の経費に
税務上の取り扱いですが、支払った掛金は全額経費として経費に計上することができます。ただしこの取り扱いは法人でアパート経営をされている場合のみで、個人でアパート経営をされている場合は経費になりません。
最終的に解約した場合、受け取った解約手当金は、受け取った年の収入として計算します。
修繕積立金残高の比較
ここまでで倒産防止共済の概要をご案内しました。
それでは修繕積立金を積み立てるために倒産防止共済を利用した場合としなかった場合とで修繕までのキャッシュフローがどのように違うか比較してみましょう。
(前提条件)毎年のアパート経営の収入は300万円(経費控除後)
11年目に改修費用として1,100万円を予定。
倒産防止共済で年間80万円を積立(10年間で800万円の積立)
毎年の利益で修繕積立金を積み立てた場合、修繕を行った11年目の預金残高は1,300万円に対して、倒産防止共済を利用して積み立てた場合、1,540万円と240万円多くなります。
この差の原因は倒産防止共済を利用した場合が11年間の法人税の合計が240万円少ないためです。
10年目までの積立金残高についても倒産防止共済が経費になることにより法人税が減少した分、修繕積立金の残高が多くなっています。(※毎年の利益で積立てる場合は、11年目の赤字800万円が翌年以降の利益と相殺され法人税が減少します。)
このように倒産防止共済を活用することで毎年の税金の負担を抑えながら修繕積立金を前倒しで貯めることができます。
倒産防止共済の積立金は修繕以外の目的でも解約することはできますので、役員退職金の積立に利用してもよいでしょう。
まだ倒産防止共済を利用されていない方は検討してみてはいかがでしょうか。
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