2018/01/10
平成30年から適用される税制改正
昨年12月に税制改正大綱が発表されましたが、税制改正は法律が決まってから実際に施行されるまでにタイムタグがあるものが多いです。
今回は、平成30年から実施される主な個人向けの税制改正について確認しましょう。
(1)所得税・配偶者控除の見直し
今年から変更される税制で一番影響があるのは配偶者控除の見直しです。
29年までは、配偶者の給与収入が年間103万円以下の場合は配偶者控除が38万円で、103万円を超えて141万円未満の場合は配偶者特別控除を受けることができました。
30年からは、配偶者の給与収入だけでなく本人の給与収入の金額によっても配偶者控除の金額が変わってきます。
具体的には、配偶者の給与収入が150万円以下で本人の給与収入が1,120万円以下の場合は、今まで通り38万円の控除を受けることができます。
本人の給与収入が1,120万円を超える場合は控除金額が減少していきますが、大部分のケースでは配偶者の給与が150万円までは38万円の控除が受けられるようになったと思っておけば大丈夫です。
(2)一般社団法人に対する相続税の課税
一般社団法人の所有する財産については、会社の株式に相当する持分がないため、株式会社の株式の相続とは異なり相続税が課税されないとされてきました。
そのため、一般社団法人を設立して所有する財産を移転してしまえば相続税が未来永劫発生しないと考えられ、相続税対策としてここ数年一般社団法人の設立が増えていました。
このような抜け穴を国税が見逃すはずはないと想像がついていましたので、やっぱりきたかという改正です。
今後は、亡くなった人が、相続開始前5年以内に身内で運営されている一般社団法人の役員だった場合には、その一般社団法人の純資産額(資産から負債を引いた金額)を死亡した時点の役員の数で割った金額を、亡くなった人からその一般社団法人が受け取ったものとして相続税がかかることになりました。
要するに一般社団法人に移した財産についても、その法人の理事(元理事)がなくなる度に相続税をかけるよ、ということです。
この改正は30年4月以降から適用されますが、すでに設立されている法人の場合は平成33年4月以降に適用されます。
今までのように全く相続税がかからないということはなくなりましたので、 一見、課税の強化のようですが、今後詳細な改正の内容がわかると新たな一般社団法人の活用法が見えてくるかもしれません。
(3)相続税・小規模宅地特例の見直し
小規模宅地の特例は、居住用の土地や、貸している不動産などの相続税評価額を下げる制度です。居住用の土地の場合、最大で80%評価が下がることもあり、この制度の適用を受けることができると相続税の金額が大幅に減少します。
そのため、自分が住む持ち家を子供に贈与したり関係する会社に売却して、意図的に家をもっていない状態にした上で、居住用財産の小規模宅地の特例の適用を受けることが行われていました。また、不動産賃貸業とは縁のなかった人が、亡くなる直前に賃貸住宅を購入して小規模宅地の特例を受ける事例もありました。
今回の改正ではこの両方とも、平成30年4月以降の相続からは小規模宅地の特例の適用を受けられなくなります。
今後は、本当の借家住まいの方や、不動産賃貸業をずっと(3年以上)営んできた方のみ特例の対象となります。
昨年12月に税制改正大綱が発表されましたが、税制改正は法律が決まってから実際に施行されるまでにタイムタグがあるものが多いです。
今回は、平成30年から実施される主な個人向けの税制改正について確認しましょう。
(1)所得税・配偶者控除の見直し
今年から変更される税制で一番影響があるのは配偶者控除の見直しです。
29年までは、配偶者の給与収入が年間103万円以下の場合は配偶者控除が38万円で、103万円を超えて141万円未満の場合は配偶者特別控除を受けることができました。
30年からは、配偶者の給与収入だけでなく本人の給与収入の金額によっても配偶者控除の金額が変わってきます。
具体的には、配偶者の給与収入が150万円以下で本人の給与収入が1,120万円以下の場合は、今まで通り38万円の控除を受けることができます。
本人の給与収入が1,120万円を超える場合は控除金額が減少していきますが、大部分のケースでは配偶者の給与が150万円までは38万円の控除が受けられるようになったと思っておけば大丈夫です。
(2)一般社団法人に対する相続税の課税
一般社団法人の所有する財産については、会社の株式に相当する持分がないため、株式会社の株式の相続とは異なり相続税が課税されないとされてきました。
そのため、一般社団法人を設立して所有する財産を移転してしまえば相続税が未来永劫発生しないと考えられ、相続税対策としてここ数年一般社団法人の設立が増えていました。
このような抜け穴を国税が見逃すはずはないと想像がついていましたので、やっぱりきたかという改正です。
今後は、亡くなった人が、相続開始前5年以内に身内で運営されている一般社団法人の役員だった場合には、その一般社団法人の純資産額(資産から負債を引いた金額)を死亡した時点の役員の数で割った金額を、亡くなった人からその一般社団法人が受け取ったものとして相続税がかかることになりました。
要するに一般社団法人に移した財産についても、その法人の理事(元理事)がなくなる度に相続税をかけるよ、ということです。
この改正は30年4月以降から適用されますが、すでに設立されている法人の場合は平成33年4月以降に適用されます。
今までのように全く相続税がかからないということはなくなりましたので、 一見、課税の強化のようですが、今後詳細な改正の内容がわかると新たな一般社団法人の活用法が見えてくるかもしれません。
(3)相続税・小規模宅地特例の見直し
小規模宅地の特例は、居住用の土地や、貸している不動産などの相続税評価額を下げる制度です。居住用の土地の場合、最大で80%評価が下がることもあり、この制度の適用を受けることができると相続税の金額が大幅に減少します。
そのため、自分が住む持ち家を子供に贈与したり関係する会社に売却して、意図的に家をもっていない状態にした上で、居住用財産の小規模宅地の特例の適用を受けることが行われていました。また、不動産賃貸業とは縁のなかった人が、亡くなる直前に賃貸住宅を購入して小規模宅地の特例を受ける事例もありました。
今回の改正ではこの両方とも、平成30年4月以降の相続からは小規模宅地の特例の適用を受けられなくなります。
今後は、本当の借家住まいの方や、不動産賃貸業をずっと(3年以上)営んできた方のみ特例の対象となります。
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