2019/03/10
配偶者居住権の評価方法
前回に引き続きまして、昨年12 月14 日に発表された税制改正大綱からの話題です。
相続時の配偶者の居住権等について、評価額の具体的な算式が発表されていました。
これについても、事前に多くのメディア報道がありましたので、どう決まったのかが気になっている方が多いと思われます。
(1) 概要
これまで、夫や妻が亡くなっても、相続財産の内訳や相続人同士の人間関係の問題で、妻や夫が自宅を相続することができず、住み慣れた家を手放さないといけない・あるいは出て行かないといけない、という事が問題となっていました。
しかし、自宅を相続することができなくても住み続けることができるという、配偶者居住権制度が新たに設けられました。
自宅の建物と土地を、居住権と所有権、利用権と所有権とに分け相続する仕組みです。
配偶者とその他の相続人の関係が良好であれば、法定相続分に関係なく、配偶者の方が自宅を相続して、その自宅に住み続けていただくことが多いでしょうから、典型的な利用例としては、「配偶者とその他の相続人の関係が良好でない場合に、配偶者に配偶者居住権等を相続してもらい、それ以外の相続人に家の所有権等自体を相続してもらう」というケースが考えられます。
(2) 評価方法
配偶者居住権等には相続税が課税されることとされています。
配偶者居住権を取得した配偶者は次の①と③の合計額に、所有権を取得した者は次の②と④の合計額について、相続により取得したものとして評価し、相続税の計算に含めます。
① 配偶者居住権
建物の時価‐②
② 配偶者居住権が設定された建物(以下「居住建物」という)の所有権
建物の時価×(残存耐用年数‐存続年数)/残存耐用年数×存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率
③ 敷地の利用権
土地の時価‐④
④ 敷地の所有権
土地の時価 × 存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率
*算式中で、時価や複利現価率など、細かいところは明確に決まっていないものもあります。
また、相続税申告において、一定の場合に土地の評価額を減額できる「小規模宅地の減額計算」が、この配偶者居住権が設定された建物の敷地の利用権や所有権に適用できるのか、ということも、税制改正大綱の中では明らかにされていません。
まだまだ動向を見守る必要のある税制です。
前回に引き続きまして、昨年12 月14 日に発表された税制改正大綱からの話題です。
相続時の配偶者の居住権等について、評価額の具体的な算式が発表されていました。
これについても、事前に多くのメディア報道がありましたので、どう決まったのかが気になっている方が多いと思われます。
(1) 概要
これまで、夫や妻が亡くなっても、相続財産の内訳や相続人同士の人間関係の問題で、妻や夫が自宅を相続することができず、住み慣れた家を手放さないといけない・あるいは出て行かないといけない、という事が問題となっていました。
しかし、自宅を相続することができなくても住み続けることができるという、配偶者居住権制度が新たに設けられました。
自宅の建物と土地を、居住権と所有権、利用権と所有権とに分け相続する仕組みです。
配偶者とその他の相続人の関係が良好であれば、法定相続分に関係なく、配偶者の方が自宅を相続して、その自宅に住み続けていただくことが多いでしょうから、典型的な利用例としては、「配偶者とその他の相続人の関係が良好でない場合に、配偶者に配偶者居住権等を相続してもらい、それ以外の相続人に家の所有権等自体を相続してもらう」というケースが考えられます。
(2) 評価方法
配偶者居住権等には相続税が課税されることとされています。
配偶者居住権を取得した配偶者は次の①と③の合計額に、所有権を取得した者は次の②と④の合計額について、相続により取得したものとして評価し、相続税の計算に含めます。
① 配偶者居住権
建物の時価‐②
② 配偶者居住権が設定された建物(以下「居住建物」という)の所有権
建物の時価×(残存耐用年数‐存続年数)/残存耐用年数×存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率
③ 敷地の利用権
土地の時価‐④
④ 敷地の所有権
土地の時価 × 存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率
*算式中で、時価や複利現価率など、細かいところは明確に決まっていないものもあります。
また、相続税申告において、一定の場合に土地の評価額を減額できる「小規模宅地の減額計算」が、この配偶者居住権が設定された建物の敷地の利用権や所有権に適用できるのか、ということも、税制改正大綱の中では明らかにされていません。
まだまだ動向を見守る必要のある税制です。
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