鹿田 幸子

税理士

あんしん税理士法人

鹿田 幸子

福岡県出身。大学卒業後、大阪の会計事務所にて勤務。帰福後は、福岡の大手会計事務所に勤務し、幅広い業務に携わる。2007年税理士登録。2013年 12月安藤税理士事務所入所。2016年12月法人成(あんしん税理士法人)。社員税理士となる。かかりつけ医のような税理士を目指し日々研鑽中。
資格:税理士、家族信託コーディネーター

この執筆者の過去のコラム一覧

2019/05/10

法人向け節税保険をめぐる国税庁の新通達案

今年の4 月11 日に国税庁から、節税保険についての通達改正のパブリックコメント(意見公募)が出されました。
以前より、「保険を使った節税が行き過ぎているのではないか」という声があり、金融庁が実態調査を行い、国税庁は改正の方向である、という事が言われており、これらの動きを受けて保険会社は対象となる保険商品の販売を停止・自粛したりしていました。

私たち税理士もお客様とともに改正の内容の発表を見守っていました。
そんななか、ようやく通達案が発表となりました。
4 月11 日から5 月10 日まで意見公募をし、その後、通達が発出される予定です。

(1) 税制改正の概要

これまで、法人が払う定期保険等の保険料は、長期平準定期保険・逓増定期保険・がん保険などの商品グループごとに取り扱いが決まっていましたが、多くの商品が開発され、実態と異なる取り扱いになってきたことを踏まえ、今回の案では、単一的なルールを作って経理処理していくことになっています。

① ピーク時の返戻率 85%超
1~10 年目:100%-(ピーク時返戻率×0.9)
11 年目以降:100%-(ピーク時返戻率×0.7)
② ピーク時の返戻率 70%超85%以下
2/5 経費(40%経費・60%資産計上)
③ ピーク時の返戻率 50%超70%以下
3/5 経費(60%経費・40%資産計上)
④ ピーク時の返戻率 50%以下
全額経費

今のところ、新通達発出前の既契約については適用されない、とのことです。(しかし、絶対、とは言い切れません。)

※ ①についてはわかりにくいので、計算例を記載しておきます。
ピーク時返戻率を90%とすると、
1~10 年目:100%-90%×0.9=19%(19%経費・81%資産計上)
11 年目以降:100%-90%×0.7=37%(37%経費・63%資産計上)

(2) 計算例(簡略化しています)

<ピーク時の返戻率が70%の場合(上記③の場合です)>
この場合60%が経費になるわけです。
法人税の実効税率は30%と仮定します。

~1000 万円の保険料を払ったとすると~
(保険積立金)400 万円 (預金)1000 万円
(保険料) 600 万円
600 万円×30%=180 万円の節税
~返戻時~
(預金)700 万円 (保険積立金)400 万円
(雑収入) 300 万円
300 万円×30%=90 万円の税負担

こんな感じでしょうか。実損が大きいですね。
今後の動向を見守りましょう。

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