2019/06/10
家族へのその想い、家族信託ならかないます
前回「家族信託」をテーマに取り上げてみましが、最近は新聞やテレビの番組でも取り上げられることも増え始め、「聞いたことあるよ」という方も多いと思います。
お伝えしたように様々な活用が可能な家族信託ですが、実はご相談で一番多いのが「認知症対策」としての活用です。的を絞ってやさしくご説明させて頂きます。
人生エピローグのしあわせ
認知症は特別な人にだけ起こる症状ではなく、年齢を重ねればどなたにもその可能性があるのはご存じの通りです。
85才以上では、50%を超える方に認知症の症状が現れるとも言われるほど。平均寿命が延びて人生100年時代と言われながら、現状は健康寿命がそれほど延びていないのです。
ただ、たとえ認知症になったとしても、医療・看護・介護の環境に恵まれ、理解ある家族に囲まれて過ごすことが出来れば、これまで通り心豊かに過ごし幸せな人生のエピローグであるだろうと私は思うのです。
では、一体何が困るというのか。
最近施設に住まいを移した認知症の父親のことで、長女のA子さんがご相談に来られました。
典型的な例として一問一答、解き明かして参りましょう。
いったい何が困るの?「一問一答」
【A子さん】
これまで父名義の口座からキャッシュカードで施設にかかる費用を引き出していましたが、残高が少なくなったら同じく父名義の定期預金を解約しようと思いますが大丈夫ですよね。
【回 答】
いいえ。キャッシュカードで引き出すというのも本来NGですが、定期預金の解約は、金融機関の窓口でお父様本人が手続きをしなければ、できないんです。
認知症で判断能力に問題がありそうだとみられる場合は、解約手続きはできないでしょう。
【A子さん】
それでは、空き家になっている父名義の自宅を娘の私が代わりに売却して、その売却代金を費用に充てたいと思いますが、不動産会社に頼めばやってくれますよね。
【回 答】
それが、娘さんでも代わりに契約をすることはできないんです。
売買契約の前に、不動産登記に関わる司法書士先生が本人確認といってお父様にお目にかかります。署名や正確な判断、理解が出来ないと認められたら、契約はできません。
それで、普通は不動産会社も最初にお父様の判断能力を確認するはずです。
【A子さん】
困りました。そうだ、賃貸はどうですか?
人に貸したら家賃が入ってくるでしょう。それを費用に充てるという考えもあると思います。
【回 答】
残念ですが賃貸借契約も契約ですから、できないんですよ。
【A子さん】 どうしたら良いのでしょう。
【回 答】 これだけ長生きの時代ですからね。預金が下ろせなかったり自宅が売れなくなって困っているご家族がとても多いんです。
本人名義の財産に関してはすべて塩漬け、お亡くなりになるまで言わば凍結状態といえます。
【A子さん】 私には大学生と私立高校に通う子どもがいて、学費が一番大変な時なんです。
家計から捻出することも出来ないし、どうにかなりませんか…
【回 答】 家庭裁判所で「成年後見人」の申請をする方法があります。お父様に代わり成年後見人が預金の解約や自宅の売却などの手続きをしてくれます。
ただ、それには成年後見がついても家庭裁判所の許可が必要ですし、目的が達成できたからと言って成年後見は終了しません。
お父様がお亡くなりになるまでやめることができず、裁判所が決めた報酬を成年後見人に支払い続けます。(月額2~3万円)悩ましいところですね。
長生き時代の財産管理
成年後見制度は、認知症などで判断能力が十分でない人が不利益を被らないように支援する制度ですから、悪い制度ではありません。ただ本人の財産を守る制度なので、たとえ夫婦でも親子でも一切本人の財産に関わることは出来なくなります。
それがもし、A子さんのように頼れるお子さんがいて、お父様に代わって手続きが出来るとしたらどうでしょう。
そう、おわかりですね。
これこそ家族信託を利用する方達が、今、爆発的に増えている理由です。
本人が認知症であろうと本人名義の財産は凍結することなく、預貯金の解約や売却などの処分はもちろん、賃貸などいわゆる不動産の有効活用も「家族信託」なら可能です。相続税対策も継続して行うことが出来ますから、長生き時代の財産管理に値するひとつの手法だと言えます。
財産に関して、家族信託は認知症の特効薬とも言われています。
信託契約を親子で結びますので、やはり元気なときにしか成立しません。
家族会議を開いて話し合ってみませんか。
お子さんを困らせたくないと、誰もが願います。ならば、今のうちに自分で決めておきましょう。
その家族への想い、「家族信託」なら、かないます。
前回「家族信託」をテーマに取り上げてみましが、最近は新聞やテレビの番組でも取り上げられることも増え始め、「聞いたことあるよ」という方も多いと思います。
お伝えしたように様々な活用が可能な家族信託ですが、実はご相談で一番多いのが「認知症対策」としての活用です。的を絞ってやさしくご説明させて頂きます。
人生エピローグのしあわせ
認知症は特別な人にだけ起こる症状ではなく、年齢を重ねればどなたにもその可能性があるのはご存じの通りです。
85才以上では、50%を超える方に認知症の症状が現れるとも言われるほど。平均寿命が延びて人生100年時代と言われながら、現状は健康寿命がそれほど延びていないのです。
ただ、たとえ認知症になったとしても、医療・看護・介護の環境に恵まれ、理解ある家族に囲まれて過ごすことが出来れば、これまで通り心豊かに過ごし幸せな人生のエピローグであるだろうと私は思うのです。
では、一体何が困るというのか。
最近施設に住まいを移した認知症の父親のことで、長女のA子さんがご相談に来られました。
典型的な例として一問一答、解き明かして参りましょう。
いったい何が困るの?「一問一答」
【A子さん】
これまで父名義の口座からキャッシュカードで施設にかかる費用を引き出していましたが、残高が少なくなったら同じく父名義の定期預金を解約しようと思いますが大丈夫ですよね。
【回 答】
いいえ。キャッシュカードで引き出すというのも本来NGですが、定期預金の解約は、金融機関の窓口でお父様本人が手続きをしなければ、できないんです。
認知症で判断能力に問題がありそうだとみられる場合は、解約手続きはできないでしょう。
【A子さん】
それでは、空き家になっている父名義の自宅を娘の私が代わりに売却して、その売却代金を費用に充てたいと思いますが、不動産会社に頼めばやってくれますよね。
【回 答】
それが、娘さんでも代わりに契約をすることはできないんです。
売買契約の前に、不動産登記に関わる司法書士先生が本人確認といってお父様にお目にかかります。署名や正確な判断、理解が出来ないと認められたら、契約はできません。
それで、普通は不動産会社も最初にお父様の判断能力を確認するはずです。
【A子さん】
困りました。そうだ、賃貸はどうですか?
人に貸したら家賃が入ってくるでしょう。それを費用に充てるという考えもあると思います。
【回 答】
残念ですが賃貸借契約も契約ですから、できないんですよ。
【A子さん】 どうしたら良いのでしょう。
【回 答】 これだけ長生きの時代ですからね。預金が下ろせなかったり自宅が売れなくなって困っているご家族がとても多いんです。
本人名義の財産に関してはすべて塩漬け、お亡くなりになるまで言わば凍結状態といえます。
【A子さん】 私には大学生と私立高校に通う子どもがいて、学費が一番大変な時なんです。
家計から捻出することも出来ないし、どうにかなりませんか…
【回 答】 家庭裁判所で「成年後見人」の申請をする方法があります。お父様に代わり成年後見人が預金の解約や自宅の売却などの手続きをしてくれます。
ただ、それには成年後見がついても家庭裁判所の許可が必要ですし、目的が達成できたからと言って成年後見は終了しません。
お父様がお亡くなりになるまでやめることができず、裁判所が決めた報酬を成年後見人に支払い続けます。(月額2~3万円)悩ましいところですね。
長生き時代の財産管理
成年後見制度は、認知症などで判断能力が十分でない人が不利益を被らないように支援する制度ですから、悪い制度ではありません。ただ本人の財産を守る制度なので、たとえ夫婦でも親子でも一切本人の財産に関わることは出来なくなります。
それがもし、A子さんのように頼れるお子さんがいて、お父様に代わって手続きが出来るとしたらどうでしょう。
そう、おわかりですね。
これこそ家族信託を利用する方達が、今、爆発的に増えている理由です。
本人が認知症であろうと本人名義の財産は凍結することなく、預貯金の解約や売却などの処分はもちろん、賃貸などいわゆる不動産の有効活用も「家族信託」なら可能です。相続税対策も継続して行うことが出来ますから、長生き時代の財産管理に値するひとつの手法だと言えます。
財産に関して、家族信託は認知症の特効薬とも言われています。
信託契約を親子で結びますので、やはり元気なときにしか成立しません。
家族会議を開いて話し合ってみませんか。
お子さんを困らせたくないと、誰もが願います。ならば、今のうちに自分で決めておきましょう。
その家族への想い、「家族信託」なら、かないます。
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