2019/09/10
高齢者入居と賃貸管理~10の取り組み
入居者の高齢化が進行中
今年6月、内閣府より発表された「令和元年版高齢社会白書」によれば、「支えられるべき高齢者」とは、60歳以上の約8割が「70歳以上」と回答、75歳以上に限れば「80歳以上」と答えた人が最も多い結果となりました。実は80歳前後の入居者が賃貸住宅にも静かに増加中、年を追うごとに管理業務に影響を来すようになるなど問題が浮上しています。
この夏、ひとりの入居者がお亡くなりになりました。仮にAさんといたしましょう。
Aさんは70歳代後半の男性で、ひとり暮らしでした。
ある日、設備に不具合があるとの電話を受けスタッフが現場に急行したところ、歩くのもやっとなくらい弱ったAさんの姿がありました。
管理業務は少しのお節介が信条です。
すぐさま身内に連絡を取り、後日入院されたことを知りほっとしたのもつかの間、ひと月後死亡されたとの連絡がありました。
Aさんと弊社とのお付き合いは40年以上。定期巡回時にスタッフと挨拶を交わすなど、日頃からAさんの状況を把握していたことが功を奏したのだと思います。
孤独死を免れたのは何よりでした。
高齢者NGの一方で偏ったリスク対策も
居室内による孤独死は、ひとり暮らしなら誰でも起こりうること。
問題なのは、それが賃貸住宅にお住まいの場合、オーナー様まで巻き込んでしまうことです。
再び貸せるようになるまで、多額の費用と期間が必要ですし、新たな募集の際には重要事項として説明が必要です。家賃は相場より低くなりますから、高齢者NGのオーナー様も当然ながら多いことでしょう。
中には、高齢者入居のリスク対策として「65歳以上は月々家賃に1万円上乗せ」としていたり、入居者全員に家賃とは別に一律1,000円の徴収を課しているところや、「契約者や同居の家族が認知症と診断されたら退去する、との念書を取っておきましょう」など偏った条件提示、アドバイスも散見されます。
こうまでして、高齢者をオーナー様が受け入れるべきであるとは考えてはいません。
しかしその一方で今後増え続ける高齢者に対して消極的な姿勢だと、満室経営は望めないという賃貸物件も数多く存在する現実から目を背けるわけにもまいりません。
弊社の代表的な取り組みは以下の通り10項目、「オーナー様と高齢者の不安を取り除く10の取り決め」です。
リスクをカバーしながら満室経営を持続する
ご高齢の入居者と連帯保証人には、「オーナー様に迷惑をかけるかもしれない懸念」を、まず私たちとしっかり共有して頂きます。
その上で、付帯サービスを利用して頂きオーナーのリスクを最小化、カバーします。
契約方法は連帯保証人の状況や建物の物質的・経済的寿命をオーナー様と確認しながら、普通借家契約と期限付きの定期借家契約を使い分けることが必要です。
また、原状回復や修繕も急がず家賃収入とのバランスを取りながら実行し、オーナー様と協力体制を築き上げつつ一戸ずつ丁寧に空室を解消します。
管理の砦は「人」、お付き合いは一生涯に渡る
「オーナー様と高齢者の不安を取り除く10の取り決め」は、情報やサービスを取り入れながら常に進化していくものです。業務遂行に伴う煩雑な事務は、AIなどテクノロジーの進化が担う部分も増えるでしょう。
ただ、管理業務におけるトラブル防止とリスク管理の砦は、「人」にあります。
10の取り決めは、高齢者の入居申込みを受け入れる時のみならず、Aさんのように若いときから長年にわたり入居して頂いている高齢者お一人お一人を思い浮かべながら、弊社スタッフが作り上げたものなんです。
管理会社と高齢者、そしてオーナー様とのお付き合いは一生涯に渡ります。
そこに社会の課題解決とかいう気負いはなく、高齢者とオーナー様の不安を取り除きながらお互いの橋渡しをさせて頂くような、そういうお手伝いが普通にできる管理会社でありたいし、「同じ考えを持つ管理会社がもっと増えたら良いな」と心から思っています。
入居者の高齢化が進行中
今年6月、内閣府より発表された「令和元年版高齢社会白書」によれば、「支えられるべき高齢者」とは、60歳以上の約8割が「70歳以上」と回答、75歳以上に限れば「80歳以上」と答えた人が最も多い結果となりました。実は80歳前後の入居者が賃貸住宅にも静かに増加中、年を追うごとに管理業務に影響を来すようになるなど問題が浮上しています。
この夏、ひとりの入居者がお亡くなりになりました。仮にAさんといたしましょう。
Aさんは70歳代後半の男性で、ひとり暮らしでした。
ある日、設備に不具合があるとの電話を受けスタッフが現場に急行したところ、歩くのもやっとなくらい弱ったAさんの姿がありました。
管理業務は少しのお節介が信条です。
すぐさま身内に連絡を取り、後日入院されたことを知りほっとしたのもつかの間、ひと月後死亡されたとの連絡がありました。
Aさんと弊社とのお付き合いは40年以上。定期巡回時にスタッフと挨拶を交わすなど、日頃からAさんの状況を把握していたことが功を奏したのだと思います。
孤独死を免れたのは何よりでした。
高齢者NGの一方で偏ったリスク対策も
居室内による孤独死は、ひとり暮らしなら誰でも起こりうること。
問題なのは、それが賃貸住宅にお住まいの場合、オーナー様まで巻き込んでしまうことです。
再び貸せるようになるまで、多額の費用と期間が必要ですし、新たな募集の際には重要事項として説明が必要です。家賃は相場より低くなりますから、高齢者NGのオーナー様も当然ながら多いことでしょう。
中には、高齢者入居のリスク対策として「65歳以上は月々家賃に1万円上乗せ」としていたり、入居者全員に家賃とは別に一律1,000円の徴収を課しているところや、「契約者や同居の家族が認知症と診断されたら退去する、との念書を取っておきましょう」など偏った条件提示、アドバイスも散見されます。
こうまでして、高齢者をオーナー様が受け入れるべきであるとは考えてはいません。
しかしその一方で今後増え続ける高齢者に対して消極的な姿勢だと、満室経営は望めないという賃貸物件も数多く存在する現実から目を背けるわけにもまいりません。
弊社の代表的な取り組みは以下の通り10項目、「オーナー様と高齢者の不安を取り除く10の取り決め」です。
リスクをカバーしながら満室経営を持続する
ご高齢の入居者と連帯保証人には、「オーナー様に迷惑をかけるかもしれない懸念」を、まず私たちとしっかり共有して頂きます。
その上で、付帯サービスを利用して頂きオーナーのリスクを最小化、カバーします。
契約方法は連帯保証人の状況や建物の物質的・経済的寿命をオーナー様と確認しながら、普通借家契約と期限付きの定期借家契約を使い分けることが必要です。
また、原状回復や修繕も急がず家賃収入とのバランスを取りながら実行し、オーナー様と協力体制を築き上げつつ一戸ずつ丁寧に空室を解消します。
管理の砦は「人」、お付き合いは一生涯に渡る
「オーナー様と高齢者の不安を取り除く10の取り決め」は、情報やサービスを取り入れながら常に進化していくものです。業務遂行に伴う煩雑な事務は、AIなどテクノロジーの進化が担う部分も増えるでしょう。
ただ、管理業務におけるトラブル防止とリスク管理の砦は、「人」にあります。
10の取り決めは、高齢者の入居申込みを受け入れる時のみならず、Aさんのように若いときから長年にわたり入居して頂いている高齢者お一人お一人を思い浮かべながら、弊社スタッフが作り上げたものなんです。
管理会社と高齢者、そしてオーナー様とのお付き合いは一生涯に渡ります。
そこに社会の課題解決とかいう気負いはなく、高齢者とオーナー様の不安を取り除きながらお互いの橋渡しをさせて頂くような、そういうお手伝いが普通にできる管理会社でありたいし、「同じ考えを持つ管理会社がもっと増えたら良いな」と心から思っています。
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