蔵茂 暉大

ファイナンシャルプランナー
長野県で生まれる。
大学時代は東北地方で過ごし、旅行会社への就職を夢見て独学で国家資格である「旅行業務取扱主任者」を取得するが銀行員だった父親の影響もあり大手地方銀行に就職。
旅行業界の知識も生かし現職では全国に顧客を持つ。

この執筆者の過去のコラム一覧

2019/11/10

投資詐欺にご注意を

以前にも増して、投資詐欺による被害件数が増えているのはご存知だろうか?

詐欺ではないが明らかに誤った情報を流して、「あたかも運用が予定通りいかなかった」とか、「想定外の事態が発生して損失が出た」というように仕組まれたお話も多数存在するということを是非知っておいて頂きたい。

金融界でも例のない大規模詐欺事件

例えば、以前紹介したスルガ銀行の「かぼちゃの馬車」事件等もそうだ。

かぼちゃの馬車は、実際は需要が見込んでいるほどはない「シェアハウス」と呼ばれる不動産物件を一棟まるごと、比較的年収が高く、属性のいいサラリーマンに全額ローンを組ませて購入させた。
ローン返済をしてもそれを上回る家賃を月々受けとることができることを保障していると謳い、サブリースという手法を不動産会社と銀行が顧客利益を無視して作り上げた。

実際には入居者の見込みや実績、いろいろなデータや数字が捏造され、全くのデタラメ話で多額の利益を得た不動産会社はさっさと計画倒産し、現金だけ持ってどこかへ逃げた。

ローン契約を手にいれたスルガ銀行は、優秀な収益性を持つ銀行として金融庁からもてはやされていたが、実態は書類の改竄や虚偽の情報によって、たくさんの方々を騙す結果となり、金融界でも例のない大規模な詐欺事件として報道されるようになってしまった。

不動産絡みの詐欺は金額が大きくなるので、特に注意が必要となる。

かんぽ生命も報道されているように大変な話に発展しているが、共通しているのは、まさか銀行のような信用を売り物にしているような会社が顧客を騙していたという点である。
そして会社の体質として、ノルマ達成のためにはお客様を騙してでも数字をあげていいという風潮が蔓延していた点である。

低金利が続き、金融機関が収益を上げにくくなっていることで、なんとか手数料収入を獲得したいという銀行が多くなってきていることも問題を加速させたかもしれない。

新しいキーワード

逆イールド 、そして リセッションという二つの言葉を聞いたことはあるだろうか?
なにやら聞いた経験のない言葉と思われる方が、ほとんどではないだろうか?

インターネットでこの二つのキーワードを検索していただくと、これを説明している動画やブログなどのページが出てくる。
一言で言うと、この方々が話しているのは、ドルが価値がなくなり紙切れになるとか、金融機関がなくなり預けておくと危険とか、そういう話だ。

しかし、このような動画やページを作っている人たちに共通しているのは、どうやら自称お金持ちという方々のようだ。

どういうことなのだろうか?

彼らは「金融機関に預けておくと危険」と人々をネット上やセミナー等で煽り、自分が勧める仮想通貨のような仕組に、誤認させるようなリスクの高い投資に、誘うのである。
しかし、よくその2つのキーワードの意味を調べて欲しい。
逆イールドは長期金利と短期金利の逆転現象、リセッションは景氣後退である。
言ってみれば、リーマンショックみたいなことは起こる。
しかし紙切れになるというのは、あまりにも経済の本質を無視したいい加減な発言ということだ。

投資詐欺に遭わないための3カ条

日本人はもともと安全が大好きだが、目先の利益と身近な人のいうことを信じてしまい損失を被ることがかなり多いと言われている。

今回のお話も、普段からあまりお金について勉強する機会のない方はもちろん、普段から勉強されていてマネーリテラシーが本来ある程度高いと思われる方も、ほんの狭いエリアの身近な方の意見に流されリスクを無視してしまうケースが、私の周りでも若干発生している。
以前投資詐欺に遇わないための3カ条をここで述べたが、今一度ご確認頂きたい。

1  人に投資しない(人を信じない)
2  過去に投資しない(過去の数字は信じない)
3  身の丈にあったやり方(借金で投資しない)

である。
ご自身が氣をつけて頂きたいのと、周りに騙されそうな方がいたら助けてあげて頂きたい。

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