2017/01/10
なぜあなたの不動産は「お客さまに選ばれないのか
借り手不在の不動産は負の資産
前回は福岡市を例に、6割以上が賃貸アパートやマンションなどの借家住まいであることにも関わらず、空き家の数は増え続けていることを指摘しました。
図は福岡市の空き家の内訳を分類したグラフです。賃貸用が実に8割近くを占めているのです。
賃貸用の不動産は、借り手がいなければ何も収益を生み出さないばかりか、固定資産税などのランニングコストがかかるため、負の資産になってしまいます。
あなたの不動産をお客さまが選び続けること、今回はこの重大なテーマについて、手始めにマトリックスを使い考えてみます。
「市場性」と「収益性」から不動産を分類
空き家の数の8割近くにも上る賃貸用不動産。では、どのような不動産が空き家として存在しているのでしょうか。大まかに分類してみましょう。
入居率の高低は「市場性の有無」、家賃の高低は「収益性の高低」としてご覧下さい。また家賃が高いというのは、その空き家と同エリア内に建ち、同様の間取りである場合の平均的家賃相場に対して、という意味です。
Aグループ・・・比較的高めの家賃設定で、年間通しての入居率も高い。
Bグループ・・・高めの家賃設定は望めないが、年間通しての入居率は高い。
Cグループ・・・比較的高めの家賃設定で、年間通しての入居率は低い。
Dグループ・・・高めの家賃設定は望めないし、年間通しての入居率も低い。
新築という魔法
Aグループは、新築や築5年以下の不動産が多く存在することは、容易に想像できます。家賃設定が比較的高めでも、短期間でお客さまから申し込みが入るのは、不動産に新築(築浅)というプレミアムが上乗せされているからです。高めの家賃を可能にしているのも、このプレミアムのおかげです。
ではプレミアムが消え去ったとき、あなたの不動産はどうなるのか。
Bグループは、まさに新築という魔法が解けて正気になった、あなたの不動産の真実の姿です。
それでも家賃を下げることで入居率を維持できているのなら、現状は良いのかもしれません。しかし近隣には、毎年のように最新の設備をフル装備した新築物件建ち続けることでしょう。
あなたの不動産もかつてはそうだったはず、そしてプレミアムは消耗品だったということに後で気がつくのです。
不動産を生鮮食品に置き換えてみるとわかります。
同じモノが同じ価格なら新しい方を選びます。ショッキングなことに不動産にも賞味期限があるのです。
賞味期限と不動産
収益性も市場性も低い不動産、それがDグループの不動産です。
老朽化で何かと修繕費がかさむ割に家賃収入が低いため、ボランティア精神に近い気持ちのオーナー様も数多くいらっしゃいます。
借入金の返済が終わっていれば救いですが、率直に言えば賞味期限はそろそろ、という不動産です。
また、不動産の管理会社が何かと苦労するのもDグループ。
あなたと入居者であるお客さまと管理会社が、最も協力関係を築いておく必要があるのが、Dグループと言えるのかもしれません。
最後に、Cグループの不動産は最も危険を孕んでいる可能性があります。その家賃設定を維持しなければ借入金の返済が出来ないのなら、そもそも賃貸物件として成り立っていないからです。
あなたの不動産は、どのグループに属していますか。
次回からは、グループそれぞれに選ばれる力を付けるために、考えられる方策を深く掘り下げて参ります。
借り手不在の不動産は負の資産
前回は福岡市を例に、6割以上が賃貸アパートやマンションなどの借家住まいであることにも関わらず、空き家の数は増え続けていることを指摘しました。
図は福岡市の空き家の内訳を分類したグラフです。賃貸用が実に8割近くを占めているのです。
賃貸用の不動産は、借り手がいなければ何も収益を生み出さないばかりか、固定資産税などのランニングコストがかかるため、負の資産になってしまいます。
あなたの不動産をお客さまが選び続けること、今回はこの重大なテーマについて、手始めにマトリックスを使い考えてみます。
「市場性」と「収益性」から不動産を分類
空き家の数の8割近くにも上る賃貸用不動産。では、どのような不動産が空き家として存在しているのでしょうか。大まかに分類してみましょう。
入居率の高低は「市場性の有無」、家賃の高低は「収益性の高低」としてご覧下さい。また家賃が高いというのは、その空き家と同エリア内に建ち、同様の間取りである場合の平均的家賃相場に対して、という意味です。
Aグループ・・・比較的高めの家賃設定で、年間通しての入居率も高い。
Bグループ・・・高めの家賃設定は望めないが、年間通しての入居率は高い。
Cグループ・・・比較的高めの家賃設定で、年間通しての入居率は低い。
Dグループ・・・高めの家賃設定は望めないし、年間通しての入居率も低い。
新築という魔法
Aグループは、新築や築5年以下の不動産が多く存在することは、容易に想像できます。家賃設定が比較的高めでも、短期間でお客さまから申し込みが入るのは、不動産に新築(築浅)というプレミアムが上乗せされているからです。高めの家賃を可能にしているのも、このプレミアムのおかげです。
ではプレミアムが消え去ったとき、あなたの不動産はどうなるのか。
Bグループは、まさに新築という魔法が解けて正気になった、あなたの不動産の真実の姿です。
それでも家賃を下げることで入居率を維持できているのなら、現状は良いのかもしれません。しかし近隣には、毎年のように最新の設備をフル装備した新築物件建ち続けることでしょう。
あなたの不動産もかつてはそうだったはず、そしてプレミアムは消耗品だったということに後で気がつくのです。
不動産を生鮮食品に置き換えてみるとわかります。
同じモノが同じ価格なら新しい方を選びます。ショッキングなことに不動産にも賞味期限があるのです。
賞味期限と不動産
収益性も市場性も低い不動産、それがDグループの不動産です。
老朽化で何かと修繕費がかさむ割に家賃収入が低いため、ボランティア精神に近い気持ちのオーナー様も数多くいらっしゃいます。
借入金の返済が終わっていれば救いですが、率直に言えば賞味期限はそろそろ、という不動産です。
また、不動産の管理会社が何かと苦労するのもDグループ。
あなたと入居者であるお客さまと管理会社が、最も協力関係を築いておく必要があるのが、Dグループと言えるのかもしれません。
最後に、Cグループの不動産は最も危険を孕んでいる可能性があります。その家賃設定を維持しなければ借入金の返済が出来ないのなら、そもそも賃貸物件として成り立っていないからです。
あなたの不動産は、どのグループに属していますか。
次回からは、グループそれぞれに選ばれる力を付けるために、考えられる方策を深く掘り下げて参ります。
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