鹿田 幸子

税理士

あんしん税理士法人

鹿田 幸子

福岡県出身。大学卒業後、大阪の会計事務所にて勤務。帰福後は、福岡の大手会計事務所に勤務し、幅広い業務に携わる。2007年税理士登録。2013年 12月安藤税理士事務所入所。2016年12月法人成(あんしん税理士法人)。社員税理士となる。かかりつけ医のような税理士を目指し日々研鑽中。
資格:税理士、家族信託コーディネーター

この執筆者の過去のコラム一覧

2020/07/10

新型コロナウイルス感染症に関連する税務上の取り扱いについて

新型コロナウイルス感染症については、現在、政府全体として必要な対策を日々講じてくださっています。
国税庁でも、HP のトップページの目立つ場所には「新型コロナウイルス感染症関連情報」が掲載されています。
その中に、「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取り扱いに関するFAQ」という形で、当面の申告や納税に関して寄せられた質問等を取りまとめた、というページがあり、3月に発表された後、少しずつ拡充され、現時点(6月下旬)で61ページにもなっています。

今回はその中から、お客様からもよく聞かれる項目を少しピックアップしてみました。

(1)賃貸物件のオーナーが賃料の減額を行った場合の取り扱い(4月30日時点)

減額前の賃料と減額後の賃料との差額は、原則として、相手方に対して寄附金を支出したものとして税務上は取り扱われます。
・しかし、次の条件を満たす場合は、「取引条件の変更」と考え、減額した分については寄附金として取り扱われることはありません。

取引先が新型コロナウイルス感染症に関連して収入が減少し、事業継続が困難になった又は困難となる恐れが明らかなこと。
② 賃料減額が、取引先の復旧支援(営業継続や雇用確保等)を目的としたものであり、そのことが書面等により確認できること
③ 賃料減額が、取引先において被害が生じた後、相当の期間内に行われたものであること

・また、取引先に対して既に生じた賃料の減免を行う場合についても同様に取り扱われます。
賃料の減免を受けた側(事業者)においては、減免相当額の受贈益が生じることになります。

(2)企業がマスクを取引先に無償提供した場合の取り扱い(4月13日時点)

マスクの無償提供等が、新型コロナウイルス感染症に関する対応として、緊急かつ感染症の流行が終息するまでの間に限って行われるものであり、次の条件を満たすものであれば、事業遂行上、必要経費と考えたられるので、その提供費用は法人税法上、寄附金以外の費用に該当します。

① 提供を行う取引先において、マスクの不足が生じていることにより業務の遂行上、著しい支障が生じている等
➁ 取引先が業務を維持できない場合には、自社の操業が維持できない、営業に支障が生じる等、自社の業務に直接または間接の影響が生じること。

・なお、上記①②の条件を満たしていても、提供先において、無償提供されたマスクを転売していた場合は、提供をした側の事業遂行上、必要な経費とは認められないので、その提供費用は、法人税法上、寄附金に該当します。

その他、よく聞かれる項目としては、

*従業員に対して事業者から見舞金が支給された場合の取り扱い
*業績悪化の場合の役員給与の減額の取り扱い
納税猶予制度の特例
各税の申告期限の延長についての取り扱い

などがあります。なにしろ61ページもありますので、やはり一度目を通されることをおすすめいたします。
ご紹介した(1)や(2)についても、国税庁HP にて、詳細を確認していただくのが一番良いと思います。これからも追記があるかもしれません。

第2波、第3波が年内にも来るのでは、と囁かれるなか、まだまだ気を引き締めていなければなりませんが、そういう期間においても、医療従事者の方々や政府・自治体の方々が必死で働いてくださっていることに思いを馳せ、こちらも頑張らねば、と思う日々です。

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