鹿田 幸子

税理士

あんしん税理士法人

鹿田 幸子

福岡県出身。大学卒業後、大阪の会計事務所にて勤務。帰福後は、福岡の大手会計事務所に勤務し、幅広い業務に携わる。2007年税理士登録。2013年 12月安藤税理士事務所入所。2016年12月法人成(あんしん税理士法人)。社員税理士となる。かかりつけ医のような税理士を目指し日々研鑽中。
資格:税理士、家族信託コーディネーター

この執筆者の過去のコラム一覧

2020/09/10

税理士さん、何か問題でしょうか? パート1

2年前、夫が亡くなったので相続税の申告書を税理士さんに作ってもらって税務署に提出期限内に提出しました。

夫の財産について、税理士さんから数回にわたって事細かに質問をされましたし、申告書自体もかなり分厚い冊子にして提出していただいたので、きっちりと問題のない税務申告をしていただいたと思っていました。
ところが、数日前、税理士さんから突然電話があり「税務署から『だんな様の相続税申告書について税務調査にうかがいたい』と連絡がありました。つきましては、税務調査にうかがう日程調整をしたいのですが」と言われました。
今まで、万全だと思っていたこともあり、すっかり薄れゆく記憶の中にあった申告書に何か不備でもあったのだろうか?とにわかに不安になってきました。

そもそも税務調査ってこんなに時間が経って来るものなのでしょうか?
思い当たる節があるとすれば、「夫から毎年の誕生日や結婚記念日に私がもらったものだから」と思って、税理士さんに言ってなかったものがあるにはありますが、でもそれはもらった時点で私のものですから…。

確かに、1 個300万円の指輪とか、150万円の特製眼鏡とか、少し高いのかもしれませんが、夫は「いつも家のことを頑張ってもらっているから」と言って労いの意味でもプレゼントをしてくれていました。

税理士さん、何か問題でしょうか??


まず、「税務調査に来るのに時間が経ちすぎているのでは?」という疑問についてですが、一般的に相続税の税務調査は「忘れたころにやってくる」ことがほとんどです。

申告期限の翌年の8月から秋にかけてくることが一番多いです。もしくは更に翌々年の8月から秋にかけてですね。
税務署の人事異動が7月にありますので、8月くらいから、ということになります。もちろん3年後以降に税務調査が行われることもありますし、冬や春に税務調査が行われることもあります。

それから、配偶者の方からのプレゼントですが、残念ながら問題があります。
プレゼントはつまり贈与、ということになります。
「毎年の誕生日や結婚記念日に」もらっていた、ということでしたら、亡くなられた日からさかのぼって3年以内にプレゼント(贈与)してもらっていた物の金額を相続財産に足し戻さないといけないのです。
労いの意味を込めて贈ってくださっていたものだから、という心情などを反映しないのが税法です。

それから、1つ1つのプレゼントが値の張る物だったようですから、それぞれの年にプレゼントしてもらった物の金額の1年間の合計が110万円を超えていましたら、その年ごとに贈与税の申告もしていただく必要がありました。

「夫婦間で贈与税がかかるんですか?」と心情的に納得ができない、と言われる方は多いですので、贈与税の申告はされていないことも多いですし、そもそも申告しなければならないということを思いつかない方も大変多いです。
「妻の内助の功があって夫が働けるのだから夫の稼ぎの半分は私のものですよね!」と言いたい方もたくさんいらっしゃるだろうと推測いたします。

相続税の申告にあたっては、大きなお金が動いていたら必ず税理士と話し合っておく、ということが重要かと思います。自分では気づかない税金がらみのことも税理士なら気づくかもしれませんので。

すべての著作権は(株)大洋不動産に帰属しています。無断転載は固くお断りいたします。