蔵茂 暉大

ファイナンシャルプランナー
長野県で生まれる。
大学時代は東北地方で過ごし、旅行会社への就職を夢見て独学で国家資格である「旅行業務取扱主任者」を取得するが銀行員だった父親の影響もあり大手地方銀行に就職。
旅行業界の知識も生かし現職では全国に顧客を持つ。

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2022/01/10

日本文化について知ること

日本文化を日本人が知ることは、とても重要なことだと思う。その中で歴史が古い和菓子の文化を、今回は取り上げてみたい。

2021年12月は新型コロナ感染症が落ち着いていたが、オミクロン株への感染が増えるのではないかと心配されていた。
このコラムが出る頃、年明けはどんな状況だろうか?12月は感染が収まっていたので、今年こそは帰省しようと予定されていた方も多いだろう。

また、今までできなかった旅行に出かけようという方も多くいらっしゃっただろう。
そんな旅先でいろいろな食事の体験や観光体験されると思うのだが、一つオススメなのが、日本の伝統和菓子を求めて旅をすることだ。

現在でも、日本のお菓子は美味しいと世界で好評なことは御存知だろうか?
その礎を築いたのが、伝統和菓子だ。和菓子の歴史はとても長い。

日本三大銘菓

日本には三大銘菓というのがあるのだか御存知だろうか。

「鶏卵素麺」

まず一つ目は、鶏卵素麺という福岡のお菓子だ。340年の歴史を誇るお菓子だ。
ポルトガルから伝わった卵と砂糖のお菓子「フィオス・デ・オヴォス」の製法を学び製造を開始。それを鶏卵素麺と名付け、販売を始めたそうだ。

卵と砂糖だけで、他は添加物なども何も入れずに作る和菓子だ。
福岡市内のデパートで取り扱いがある他、最近は福岡空港のお土産コーナーでも目にするようになっているので、比較的容易に購入ができるだろう。

「長生殿」

長生殿は石川県金沢に古くから伝わるお菓子だ。
長生殿の製造元のホームページには次のような内容で紹介されている。以下「森八」ホームページより。

加賀藩三代藩主前田利常公の創意と、小堀遠州卿の命名、揮毫により生まれて以来、三百数十年にわたり悠久の歴史を刻み続け、日本三名菓の随一と称えられた落雁でございます。
伝統的な製法で生産されております貴重な徳島の阿波和三盆糖に北陸産のもち米粉、紅色の落雁は紅花の天然色素にて染め上げた、三百数十年変わらぬ製法・原料を守り続ける森八の代表銘菓となります。

高級で質のいい落雁という感じである。

「越乃雪」

越乃雪は、新潟県長岡市の大和屋が製造する落雁である。
長生殿と同じ落雁ではあるが、長生殿よりもとても柔らかく、少し振動を与えるとすぐに壊れてしまいそうな落雁だ。

米も材料に使われているところが新潟らしい。越乃雪を製造する「大和屋」さんのホームページには、次のような内容が紹介されている。

山川、長生殿とともに日本三大銘菓の一つとされる。越後産のもち米から作ったみじん粉に和三盆を合わせ、型に押し固めて四角く整形して作られる。和三盆は少し褐色がかった色を持つが、粉砕した粉砂糖をまぶすことで、見る角度によって雪原のようなきらめきが見える。

最高の小豆は虎屋へに行く?

島根県の「山川」を三大銘菓の一つとする説もあり諸説あるのだが、どの銘菓も江戸幕府の藩主や皇室に献上されて来たもので、貴重な材料、特に和三盆などを使用して大切に作られ、300年以上貴重なお菓子とされており、目上の方に差し上げるのに良いとされている。

目上の方や大切な方に差し上げるお菓子で、忘れてはならないのは「虎屋」である。

虎屋について調べてみると、京都で創業したのは室町時代。
黒川家が代々守り、明治天皇とともに東京にも進出したようだ。虎屋さんのホームページには以下のような内容で紹介されている。

とらやは室町時代後期の京都で創業。五世紀にわたり和菓子屋を営んできました。
後陽成天皇の御在位中(1586〜1611)より、御所の御用を勤めています。
明治2年(1869)東京遷都にともない、天皇にお供して、京都の店はそのままに東京にも進出、現在に至ります。

虎屋は皇室と関係が深く、今でも全国のお菓子店の中でも最高の小豆は虎屋に行くと言われているようで、別格と言われている。
いろいろなお菓子屋さんの歴史を調べて勉強してから実際購入されるのも、さらにお菓子の美味しさと楽しさ、そして旅の楽しさを増す秘訣ではないだろうか?

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