2022/01/10
電子取引データの保存について
令和4年1月1日から、改正となった電子帳簿法が施行され、電子でやり取りした取引のデータは電子で保存するよう義務化されました。
令和3年12月31日までは、電子でやり取りした取引のデータは紙に落とし込んで保存しなければならなかったのが、紙でやり取りしたものは紙のまま、電子でやりとりしたものは電子で保存、と変わりました。(2年間の猶予期間あり。)
概要を念のために確認しておきましょう。
(1)保存しなければならない電子データは?
<概要>
請求書や領収書、見積書、契約書などの受け取ったデータや送ったデータ
(例)
・メールで請求書を送った、もしくは受け取った場合。
・ネットで事業に使う消耗品を購入した場合に領収書がダウンロードするタイプのものだった場合。
→昨年12月31日までは、どちらも紙に印刷してその紙を保存する、だったのが、今年の1月1日からは PDF やスクリーンショットで保存する、となりました。
(2)どのように保存するのか?
・改ざん防止措置をとる。
タイムスタンプの導入やシステムの導入などは有料だったり、使い勝手に不安を覚えたりなので、多くの事業者の方は国税庁のHPで公表されている「電子取引データの訂正および削除の防止に関する事務処理規程」をダウンロードして自社の状況に応じて作成していただいています。
データを訂正したり削除したりするときにはこの規程に沿って行う、というものです。
・「日付・金額・取引先」で検索ができるようにしておく。
専用のシステムを導入するというのは、多くの事業者の方には現実的ではなく、電子取引の各データに規則的なファイル名を付して保存する、というやり方が一番簡単かと思われます。
ほかに索引簿を作成する方法もあります。
税務調査の際には、税務署職員からデータのダウンロードの求めがあった場合には、そのデータを渡す必要があります。
(例)
・令和4年(2022 年)1月30日にA商店から110,000円の請求書をメールで受け取った場合。
ファイル名に20220130_110000_A 商店と付す。それをパソコンにあらかじめ作っておいた収納場所に収納する。
・ディスプレイ・プリンタ等を備え付ける。
(3)雑感
弊所では昨年9月から年末まで、お客様に対して、この制度の内容の説明と保存方法の説明などを毎日のように声をからして行ってきましたが、同業者の中にもなかなか浸透していないようで、
「みなさん本当に実行できるのでしょうか? できなかったら本当に青色申告を取り消したり、経費じゃない、という事になるんでしょうか?」
と危惧していたところ、昨年11月に国税庁のHPで「お問い合わせの多いご質問」が公開され、その中に、「できなかったとしても、直ちに青色申告を取り消したり、経費じゃない、とはしません」といった内容のことが記載されていたので、少し安心し、さらに、昨年末の税制改正大綱のなかに「2年間は、税務署長がやむを得ない事情があると認め、かつ書面で提出等できれば猶予する」という内容のことが記載されたのを確認して、安心が増しました。
ただ、「やむを得ない事情」の事例などはまだ公表されていないのと、2年間はあっという間に過ぎ去るだろうから、やはりこの1月1日からできる限りの対応をしておかないと、と思いました。
去年この話を経営者の方々にお伝えしていて、それまでいつも目を輝かせてらっしゃる方々の目が辛そうになっていくのを見ていると、
「この制度は本当に日本に浸透するのかな?」
「去年、日本はいまだに FAX社会という時代錯誤ぶりを世界に知らしめたばかりなのにいきなり電子?」
という疑問はぬぐい切れませんが…。
令和4年1月1日から、改正となった電子帳簿法が施行され、電子でやり取りした取引のデータは電子で保存するよう義務化されました。
令和3年12月31日までは、電子でやり取りした取引のデータは紙に落とし込んで保存しなければならなかったのが、紙でやり取りしたものは紙のまま、電子でやりとりしたものは電子で保存、と変わりました。(2年間の猶予期間あり。)
概要を念のために確認しておきましょう。
(1)保存しなければならない電子データは?
<概要>
請求書や領収書、見積書、契約書などの受け取ったデータや送ったデータ
(例)
・メールで請求書を送った、もしくは受け取った場合。
・ネットで事業に使う消耗品を購入した場合に領収書がダウンロードするタイプのものだった場合。
→昨年12月31日までは、どちらも紙に印刷してその紙を保存する、だったのが、今年の1月1日からは PDF やスクリーンショットで保存する、となりました。
(2)どのように保存するのか?
・改ざん防止措置をとる。
タイムスタンプの導入やシステムの導入などは有料だったり、使い勝手に不安を覚えたりなので、多くの事業者の方は国税庁のHPで公表されている「電子取引データの訂正および削除の防止に関する事務処理規程」をダウンロードして自社の状況に応じて作成していただいています。
データを訂正したり削除したりするときにはこの規程に沿って行う、というものです。
・「日付・金額・取引先」で検索ができるようにしておく。
専用のシステムを導入するというのは、多くの事業者の方には現実的ではなく、電子取引の各データに規則的なファイル名を付して保存する、というやり方が一番簡単かと思われます。
ほかに索引簿を作成する方法もあります。
税務調査の際には、税務署職員からデータのダウンロードの求めがあった場合には、そのデータを渡す必要があります。
(例)
・令和4年(2022 年)1月30日にA商店から110,000円の請求書をメールで受け取った場合。
ファイル名に20220130_110000_A 商店と付す。それをパソコンにあらかじめ作っておいた収納場所に収納する。
・ディスプレイ・プリンタ等を備え付ける。
(3)雑感
弊所では昨年9月から年末まで、お客様に対して、この制度の内容の説明と保存方法の説明などを毎日のように声をからして行ってきましたが、同業者の中にもなかなか浸透していないようで、
「みなさん本当に実行できるのでしょうか? できなかったら本当に青色申告を取り消したり、経費じゃない、という事になるんでしょうか?」
と危惧していたところ、昨年11月に国税庁のHPで「お問い合わせの多いご質問」が公開され、その中に、「できなかったとしても、直ちに青色申告を取り消したり、経費じゃない、とはしません」といった内容のことが記載されていたので、少し安心し、さらに、昨年末の税制改正大綱のなかに「2年間は、税務署長がやむを得ない事情があると認め、かつ書面で提出等できれば猶予する」という内容のことが記載されたのを確認して、安心が増しました。
ただ、「やむを得ない事情」の事例などはまだ公表されていないのと、2年間はあっという間に過ぎ去るだろうから、やはりこの1月1日からできる限りの対応をしておかないと、と思いました。
去年この話を経営者の方々にお伝えしていて、それまでいつも目を輝かせてらっしゃる方々の目が辛そうになっていくのを見ていると、
「この制度は本当に日本に浸透するのかな?」
「去年、日本はいまだに FAX社会という時代錯誤ぶりを世界に知らしめたばかりなのにいきなり電子?」
という疑問はぬぐい切れませんが…。
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