蔵茂 暉大

ファイナンシャルプランナー
長野県で生まれる。
大学時代は東北地方で過ごし、旅行会社への就職を夢見て独学で国家資格である「旅行業務取扱主任者」を取得するが銀行員だった父親の影響もあり大手地方銀行に就職。
旅行業界の知識も生かし現職では全国に顧客を持つ。

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2022/04/10

天皇陛下とは何か?

皆さんは天皇陛下とは何か?と問われたら、何と答えるだろうか?何人かの方に、この質問を投げ掛けてみた。
ある方は日本の象徴と答え、 ある方は日本を実質統治している人と答え、 ある方は神職 神官ではないか、または祭祀と答えた方もいる。
実はどれも正しいのだが、どのように解釈するのが一番いいのだろうか?
今回はこの天皇陛下のことを取り上げてみたい。

令和の天皇陛下は何代天皇?

第一代天皇は神武天皇ということは、御存知の方も多いのではないだろうか。では、神武天皇は何年前に即位したのだろうか?
答えは2682年前である。そして、現在の天皇陛下はなんと第126代である。

学校で、歴史の勉強を皆さんされたことだろう。世界史の教科書の一番後ろに、歴史年表がついていたのをご覧になったことがおありだろうか?
日本以外のほとんどの国は、王朝が誕生しては消え、また次の権力者が現れ、新しい王朝が立ち人々を支配して、またその王朝が倒れ、また別の支配者が現れる。これを繰り返している国がほとんどなのに対して、日本という国は、歴史年表のほぼ最初から最後まで「日本」となっている。



2682年と、これ程長い間、天皇家という一つの家が国家を治めている例は他にはない。
もちろん世界一である。
ちなみに、日本の次に長い歴史を持つのはデンマークの約1,000年、次が約900年のイギリスということになる。

なぜこれ程まで、長い歴史を日本の天皇家は築くことができたのであろうか?

天皇陛下は何をしている?

天皇陛下が全国各地訪問され人々を励ましたり、何かの記念行事に参加されたりしている道のりで、偶然にもお姿を拝見できたという方もいらっしゃるのではないかと思う。
私も駅で、偶然にも地方にお出かけになる平成天皇をお見かけしたことがある。その時どう感じたのかというと、何か凄いオーラを放っていらっしゃると私自身は感じた。

天皇陛下が放つオーラももちろんあると思うが、天皇陛下と偶然にも遭遇することになった沿道の皆さんの様子が一氣に変化するから、その場の空気が全く変わってしまうのであろう。
何がそうさせているのか短い文章で説明することは困難だが、もう少し天皇陛下がなぜこんなにも空気を変えるほど影響を人に与えるのか考えてみたい。

奇跡の王朝  天皇家

他国の王朝と日本の天皇の違いを少し知っておいていただきたい。

端的に言うと、天皇は神武天皇即位の時から、天皇の仕事は国民の為に、国民が健康で幸せで、豊かに暮らせるように国を整えるのが天皇の仕事と天皇自ら述べられている。
それを象徴するかのように天皇陛下の生活はきらびやかなことはなく、質素であると言えるのに対して、特にヨーロッパなどの支配者は、民から搾取した富を集め、国民が苦しい生活を強いられている間も贅沢をつくすようなところがある。

多くの国で国家の土地は支配者のものだったのに対して、日本では例えば江戸時代の◯◯~万石 と言えども米を収穫できる田んぼの所有者は農民で、藩主はその田んぼから収穫される米から年貢を納めてもらう権利を有しているだけだ。
藩主は自分の治めている地方で一揆など起こった場合、罰せられるのは農民ではなく、農民たちを不満にさせた藩主が悪いから藩主が罰せられるとなっている。

これは国民と政治の間に天皇陛下が存在し、常に民衆の幸福を見守り祈っている存在があり、国民全員がそれを理解しているからに他ならない。他の国では見ることのない、日本の天皇制ならではの統治だ。
しかも126代もの間これは同じく守られ、長く続くことで、人々の間で全く揺るがない確固たる存在として、天皇陛下が人々の心の中に認知されつづけることになった。

日本ではよく「政治は三流」なんて言われるが、「政治が三流でも超一流の王朝である天皇が守ってくださっているから、まさかその中で政治が最悪なことはしないだろう」という安心感が、民衆の心の中にあるのではないかと思う。

日本では象徴として教育されている天皇制だが、世界からはいまだに日本の統治者は天皇陛下であると、きちんと認識されている。そして世界の人々から、日本の天皇家は他にはない奇跡の王朝として尊敬の対象になっていることを、もっと日本人が知るべきではないかと思う。

いろいろな悲しい出来事がたくさん起こっている世界の中で、奇跡の王朝を持つ日本が世界平和に果たす役割は大きいことを、多くの方々に是非學んで頂けたら幸いである。

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