2023/04/10
空き家の固定資産税が大幅に増税されるかもしれません!
令和4年12月の時点で、政府は、平成27年に施行された「空き家等対策の推進に関する特別措置法」について、改正する方針である、という報道がなされています。
(1)これまでの空き家対策
これまで
そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となる恐れのある状態又は著しく衛生上有害となる恐れのある状態
適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
にあると認められる空き家等について、調査したうえで、「特定空き家等」として認定し、助言や指導、勧告といった行政指導を経て、それでも状況が改善しなかった場合は、改善命令が出され、それに背くと50万円以下の罰金が科される、とされていました。
また、命令を受けた空き家について改善がされなかった場合には、行政が所有者の代わりに改善の対象となっている樹木を撤去したり、建物を解体したりという対応をされてしまう可能性もあります。
費用は所有者に請求されます。いわゆる「行政代執行」を行うことができる、とされていました。
そして、現状では、上記の「改善の勧告」を受けた段階から、その状況が改善されるまでの期間について固定資産税の住宅用地特例が適用除外となり、従来の土地の税金の6倍を払うことになります。(場合により3倍部分もあります。)
しかし、全国で840万戸以上ある空き家のうち、実際に特定空き家等の除去等がされたのは、国土交通省の資料によると、平成27年5月から令和2年3月までで9万物件、とのことでした。
これではなかなか空き家対策は進まない、ということでしょう。
(2)空き家の税負担が増加する?
実際に、人口減を背景に、空き家は増え続ける一方です。
その中でも、管理状態が悪い空き家が増え続けることへの対策として、今回「空き家等対策の推進に関する特別措置法」の改正に踏み切る、ということです。
「特定空き家等」に至らないまでも、屋根や窓が破損したりしているなどの管理状態が悪い空き家を「管理不全空き家」として、固定資産税の住宅用地特例の適用から除く(つまり固定資産税が6倍になる)方向です。
国としては、「空き家は除去すべきものは除去し、活用できるものは活用する」という考えのもと、地域のまちづくり・住まいづくりとしての取組の支援や、既存住宅流通市場の活性化の一環として支援する方針で、令和4年も様々な予算付けがされていました。
また、相続した空き家の譲渡の3,000万円控除も、その考えから来たものと思われます。
3月の下旬に、京都市が「空き家新税」を導入する考えに総務省が同意した、という報道がなされたこともあり、令和5年4月以降は、空き家の税負担に今まで以上の注目が集まることと思われます。
※空き家新税は、固定資産税に加えて、固定資産税の半分くらいの税負担が増える、というものです。
京都市の場合は、子育て世帯への住宅供給が不足しているので、人口流出を防ぐため、とのことです。
趣旨は違えど、空き家に対する逆風は強いですね。
令和4年12月の時点で、政府は、平成27年に施行された「空き家等対策の推進に関する特別措置法」について、改正する方針である、という報道がなされています。
(1)これまでの空き家対策
これまで
そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となる恐れのある状態又は著しく衛生上有害となる恐れのある状態
適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
にあると認められる空き家等について、調査したうえで、「特定空き家等」として認定し、助言や指導、勧告といった行政指導を経て、それでも状況が改善しなかった場合は、改善命令が出され、それに背くと50万円以下の罰金が科される、とされていました。
また、命令を受けた空き家について改善がされなかった場合には、行政が所有者の代わりに改善の対象となっている樹木を撤去したり、建物を解体したりという対応をされてしまう可能性もあります。
費用は所有者に請求されます。いわゆる「行政代執行」を行うことができる、とされていました。
そして、現状では、上記の「改善の勧告」を受けた段階から、その状況が改善されるまでの期間について固定資産税の住宅用地特例が適用除外となり、従来の土地の税金の6倍を払うことになります。(場合により3倍部分もあります。)
しかし、全国で840万戸以上ある空き家のうち、実際に特定空き家等の除去等がされたのは、国土交通省の資料によると、平成27年5月から令和2年3月までで9万物件、とのことでした。
これではなかなか空き家対策は進まない、ということでしょう。
(2)空き家の税負担が増加する?
実際に、人口減を背景に、空き家は増え続ける一方です。
その中でも、管理状態が悪い空き家が増え続けることへの対策として、今回「空き家等対策の推進に関する特別措置法」の改正に踏み切る、ということです。
「特定空き家等」に至らないまでも、屋根や窓が破損したりしているなどの管理状態が悪い空き家を「管理不全空き家」として、固定資産税の住宅用地特例の適用から除く(つまり固定資産税が6倍になる)方向です。
国としては、「空き家は除去すべきものは除去し、活用できるものは活用する」という考えのもと、地域のまちづくり・住まいづくりとしての取組の支援や、既存住宅流通市場の活性化の一環として支援する方針で、令和4年も様々な予算付けがされていました。
また、相続した空き家の譲渡の3,000万円控除も、その考えから来たものと思われます。
3月の下旬に、京都市が「空き家新税」を導入する考えに総務省が同意した、という報道がなされたこともあり、令和5年4月以降は、空き家の税負担に今まで以上の注目が集まることと思われます。
※空き家新税は、固定資産税に加えて、固定資産税の半分くらいの税負担が増える、というものです。
京都市の場合は、子育て世帯への住宅供給が不足しているので、人口流出を防ぐため、とのことです。
趣旨は違えど、空き家に対する逆風は強いですね。
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