蔵茂 暉大

ファイナンシャルプランナー
長野県で生まれる。
大学時代は東北地方で過ごし、旅行会社への就職を夢見て独学で国家資格である「旅行業務取扱主任者」を取得するが銀行員だった父親の影響もあり大手地方銀行に就職。
旅行業界の知識も生かし現職では全国に顧客を持つ。

この執筆者の過去のコラム一覧

2023/10/10

コロナ明けの日本と外国の感覚の違い

コロナで停止していた海外出張を、約3年半振りに再開した。
まずは日本人が個人でいろいろな理由で、金融取引に関して問題を抱えていらっしゃる方が多数の香港を訪れた。

またか! と思ったのだが香港出発前に早速いろいろなデマが流れて来た。
今香港に日本人が行くと中国共産党に捕まるというものだ。
そんなことあるわけ無いだろうと思ったのだが、念のため現地に連絡を取ったり香港と日本を頻繁に行き来している何人もの知人に事実を確認してみたが、そのような事実はないことがわかった。

いつもそうだ。
ネットの世界で適当な憶測や陰謀論者を発信源とするうそ情報が、本当にたくさん流れる。
未だにドル崩壊とか言ってる人がいるし、イラクディナールを買えとかベトナムドン(VND)を買うと金持ちになれるとか、訳のわからない発言を当たり前のように正しいことと言いまくっている輩がたくさんいる。
そしてそれを信じてしまう人が、たくさんいらっしゃることが信じられない。

どうか皆様は、陰謀論のようなものを信じることなく正しい情報をもとに、せっかくコロナが明けたのだから積極的に海外に出向き、海外から日本を見て欲しいし、VISA無し渡航可能国の数が世界一で、世界最強のパスポートを持っていることを最大限生かしてほしい。

 

海外に行ってみて今までと激変を感じること

以前と比較して激変したことがある。
物がびっくりするほど高くなったことだ。

香港で一風堂のラーメンの値段を確認したところ、日本円換算で基本のラーメンが約1,200円であった。7月から日本の一風堂では値上げがあったばかりたが、それでも850円だ。
ちなみにシンガポールの一風堂では、同じラーメンが1,800円程だったとシンガポール帰りの知人が教えてくれた。
ビックマック指数で私が度々コラムで登場させているマクドナルドも、同じように日本での値段とは比べ物にならないほど価格の差がある。

こんな状況下でも呑気な日本人

日本でも物価が上がっているが、外国での上がり幅の方がもっと激しいことを知り、日本の物価上昇はまだまだ甘いということを日本人は知るべきだ。
日本における物価上昇に大きな影響を及ぼす円安という現象は、日本という国が国民が思っている以上に諸外国に比べて国の力が弱くなっていることを自覚しなければならない。

一昔前に流行ったもう一つのウソ

2,000年代初頭、資産運用の世界で「日本の金融商品で運用するよりも香港やシンガポールで金融商品を購入したほうが有利である」また「海外に銀行口座を開設するのが良い」「税金もかからない」という嘘だ。

当時日本人が香港に団体旅行で訪れ、観光旅行ついでに銀行口座を開設して帰ってくるというツアーが流行っていた。
香港だけで10万人以上の日本人が、現在は凍結してしまっている銀行口座を保有しているのではないかと推測される。

しかし現在わかって来たのは、海外に銀行口座を作っても税金は安くならないどころかかえって税金は高くなるし、海外の金融商品の方が日本で買うよりも有利なんてことは全くない。
海外にあることによって予期できないトラブルや損失を被ることの方が多いのが実情だ。

読者の中にも問題を抱えた方がたぶんいらっしゃるのではないかと思う。
以前、海外のお世話をしていた日本人も、ほとんど連絡が取れなくなっているから問題山積みだ。
もし困っている方がいらっしゃったらサポートさせて頂くこともできるかもしれないのでお声掛けて頂きたい。

いずれにしても「物価のこと」「金融のこと」「海外旅行のこと」「その他諸々」正しい情報を得ることがより一層今後大切になって来るのだと思うので、ネットの情報を鵜呑みにするのではなく、きちんと自分で判断しながら情報を集めて頂きたい。

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