蔵茂 暉大

ファイナンシャルプランナー
長野県で生まれる。
大学時代は東北地方で過ごし、旅行会社への就職を夢見て独学で国家資格である「旅行業務取扱主任者」を取得するが銀行員だった父親の影響もあり大手地方銀行に就職。
旅行業界の知識も生かし現職では全国に顧客を持つ。

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2024/01/10

新嘗祭ってどんな祭?

皆さんは「新嘗祭」って何なのかご存知だろうか?
もう既に年明けで今更新嘗祭についてお話するのはどうかと考えたが、やはり日本人にとって新嘗祭が行われる11月23日についてお話しなければならないと思う。

戦後、祭日は祝日へと置き換えられた

11月23日は「勤労感謝の日」である。

では勤労感謝の日というのは一体何の日なのであろうか?
一般的には働くお父さんお母さんに感謝する日という感じになっていると思うのだが、正しくは「働くことが出来ることに感謝する日」である。
では何故この働くことが出来ることに感謝する日に新嘗祭が行われるのであろうか?

そもそも勤労感謝の日は祝日となっているが、戦前までは祝日ではなく祝日に当たる日は祭日だった。戦後に祭日は全て祝日に置き換えられ呼び方も変えられてしまった。
新嘗祭は五穀豊穣を神様に感謝するお祭りのことなのだがこれが勤労感謝の日になり、勤労出来ることに感謝する日となった。

新嘗祭とは

私は毎年、藤原五摂家の中の二條家の新嘗祭のお手伝いに参加させて頂いている。

お祭りは全国から贈られる「今年採れた海のもの山のもの」を祭壇に並べ、神様と宴を催し五穀豊穣に感謝し、最後に神様がせ来年の国勢や作物の作柄を占ってお帰りになるという感じである。
具体的な内容については、祭主が書いた新嘗祭の内容についてそのまま引用したものを見ていただくのが一番いいのではないかと思うので、以下に引用させて頂く。


一昨晩から今朝方まで、手前共のお宮にて、令和五年新嘗祭を齋行しました。
参加延べ人数390を超えまして、報恩の輪が今年も大きくなりましたm(_ _)m

22日午前中から門人達が集まりまして、各々のお役を頂きまして、深夜のお祭りの準備をいたします。
全国各所からお供えいただきました、様々なお心を祭場に運び入れまして、お熨斗が掛かっていないものはご用意して、手書きのお札に御名前をお入れし、大神様方にわかりやすい様に、お一人お一人のお名前掲示して、祭場の荘厳が済みましたのは、

日にちが変わった午前1時頃
そこから手前は潔斎をして、門人達も各々お風呂場で潔斎。大神様のお通りになる場所や厨は何も修祓され別火もされます。

定刻午前2時、お宮から祭場に渡御。
夕の御饌、朝の御饌と祭儀が進み、本年関わり合いのある全ての方々が恙無くあった事への感謝と、来る新しき年が我が一党一門関わりのある方々とその関係の方々が恙無くあります様、祭員皆でお祈りを捧げ、明年の卦を残され午前5時お宮に還御されました。

その後祭員全員で御直会をしまして、解散となりました。

卦は『しかいおだやかにして さくはりょう』
卦杯は 雷天大壮の形でした。(二條隆時様投稿引用)


卦とは喜んだ神様が来年の国の情勢 作物の出来を占うようなイメージで皿の割れ方によっていろいろな卦を残されるとのこと。
この祭を天皇家では2600年以上前からずっと行われていて、途絶えたことはない。
誇り高き日本人として、こんなお祭りのことも少し知って頂きたく考えている。

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