税理士

あんしん税理士法人

鹿田 幸子

福岡県出身。大学卒業後、大阪の会計事務所にて勤務。帰福後は、福岡の大手会計事務所に勤務し、幅広い業務に携わる。2007年税理士登録。2013年 12月安藤税理士事務所入所。2016年12月法人成(あんしん税理士法人)。社員税理士となる。かかりつけ医のような税理士を目指し日々研鑽中。
資格:税理士

この執筆者の過去のコラム一覧

2024/01/10

令和6年度税制改正大綱について

法人役員必見の改正点も

令和5年12月14日に令和6年度税制改正大綱が公表されました。
令和6年3月の国会で成立し、4月以降施行になる見込みです。

個人の所得税や住民税、法人税、資産税、消費税、そして国際課税まで、多岐にわたる項目が載っています。
公表前後から、テレビなどでも頻繁に取り上げられたため、なんといっても「所得税・個人住民税の定額減税」の項目に興味をひかれている方が多いと思われます。


また、所得税・個人住民税に関しては、年を追うごとに複雑になっている住宅ローン控除について、またもや拡充がなされ複雑になるようです。
それから、法人の役員の方は身近な税制である「交際費の損金不算入制度の拡充と延長」についても内容をお知りになりたいところだと思われます。

今回はその3点について触れたいと思います。

所得税・個人住民税の定額減税

今回の大綱は、冒頭から「デフレ脱却」というフレーズが多用されていますが、デフレに後戻りさせないための措置として「定額減税」を実施する、とのことです。具体的な控除額は、

<所得税>
・納税者本人:3万円
(その者の所得税額を限度)
・配偶者又は扶養親族:1人につき3万円
<住民税>
・納税者本人:1万円
(その者の所得割を限度)
・配偶者又は扶養親族:1人につき1万円

ただし、令和6年の合計所得金額が1,805万円を超える方については対象外となります。
お客様から「たくさん税金払っているのに、減税はされないの!?」というお声をすでにいただいております。
原則として来年の6月から調整がなされます。

住宅ローン控除の拡充

子育て支援を進めるために、令和7年に扶養控除などの見直しが図られますが、それに併せて行う子育て支援税制として次の措置が行われます。

〈子育て世帯等に対する住宅ローン控除の拡充〉
借入限度額の上乗せ額 :新築認定住宅の場合500万円上乗せ
:新築ZEH水準省エネ住宅等の場合1,000万円上乗せ
〈既存住宅等のリフォーム税制の拡充と延長〉
適用対象に、子育て特例対象個人が行う一定の子育て対応改修工事を追加

交際費の損金不算入制度の拡充と延長(中小法人の場合を抜粋)

地方活性化の中心的役割を担う中小企業の経済活動の活性化や「安いニッポン」の象徴とされる飲食料費に係るデフレマインド払拭の観点から、交際費課税の見直しがなされます。

現在、中小法人は年間800万円を超える交際費の金額については損金不算入ですが、期間を3年間延長し、その計算の際に1人当たりの飲食費が5,000円以下でしたら損金不算入となる交際費の範囲から除外されるのを、1人当たり10,000円以下に引き上げられることになります。

これら以外にも様々な項目で、改正内容が示されています。時の政府が今後この国をどのようにしていきたいのか、が示されている資料として、毎年一読の価値があるものと考えています。
みなさんも一読なさってはいかがでしょうか。

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