2024/04/10
令和6年分の定額減税について
前回お伝えした令和6年の税制改正の一つである「定額減税」ですが、給与を支払っている事業者の方のもとへは、今年の3月までに税務署から「令和6年分所得税の定額減税のしかた」というパンフレットが届いた事と思います。
それをもとに「給与計算はどうしたら良いのでしょうか?」というご質問を受けることが非常に多くなりました。
定額減税は所得税のほかに住民税でも実施されますが、今回は国税庁のHP に特設サイトが設けられ、すでに動画も公開されている所得税に絞ってお伝えいたします。~制度の概要~(国税庁HP 参照)
(1)定額減税の対象者
令和6年所得税について、定額による所得税額の特別控除の適用を受けることができる方は、令和6年分所得税の納税者である居住者で、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805 万円以下である方(給与収入のみの場合、給与収入が原則2,000 万円以下の方)です。
(2)定額減税額
特別控除額は次の①②の金額の合計額です。
①本人 30,000 円
②同一生計配偶者又は扶養親族 一人につき 30,000 円
*①②の合計額が、その人の所得税額を超える場合には、その所得税額が限度となります。
(3)定額減税の実施方法
特別控除は、所得の種類によって次の方法により実施されます。
①給与所得者に係る特別控除
令和6年6月1日以後、最初に支払われる給与(又は賞与)について源泉徴収をされる所得税等の額から、特別控除の金額が控除されます。
1回で控除できない金額は、その次に支払われる給与(又は賞与)から順次控除されます。
複数個所から給与を支給されている方については主な給与からのみ控除されます。
②公的年金等の受給者に係る特別控除
令和6年6月1日以後最初に支給される公的年金等(確定給付企業年金等を除く)につき源泉徴収されるべき所得税等の額から特別控除額が控除されます。
1回で控除しきれなかった金額は、その次に支給される年金に係る所得税等から順次控除されます。
③事業所得者等に係る特別控除
原則として、令和6年分の所得税の確定申告の際に、所得税の額から特別控除の額が控除されます。
予定納税の対象となる方については、令和6年7月の第1期予定納税額から本人に係る特別控除の額が控除されます。
配偶者や扶養親族に係る特別控除額については、予定納税額の減額申請の手続きをすることにより控除できます。
第1期で控除しきれなかった金額は第2期の予定納税額から控除されます。
*最終的には、年末調整や確定申告で所得税の減税作業は完結します。
~雑感~
国としては、どうしても「減税」という形を取りたかったのでしょうが、対象者ではない給与収入が年2,000万円を越える見込みの方についても必ずいったん減税しないといけないこととなっており、「定額減税の適用を受けない」という選択もできないこととなっています。(3 月下旬時点。)
給与が高くて子沢山、というご家庭の場合、「いったん減税されるけれど確定申告でその分を全部納税」という事態になり、かえって税金の負担感が増すのでは?
(そして、経理や事務の方にとってはインボイスや電子取引データ保存に続く、負担感激増作業出現です)
と思う今日この頃です。
前回お伝えした令和6年の税制改正の一つである「定額減税」ですが、給与を支払っている事業者の方のもとへは、今年の3月までに税務署から「令和6年分所得税の定額減税のしかた」というパンフレットが届いた事と思います。
それをもとに「給与計算はどうしたら良いのでしょうか?」というご質問を受けることが非常に多くなりました。
定額減税は所得税のほかに住民税でも実施されますが、今回は国税庁のHP に特設サイトが設けられ、すでに動画も公開されている所得税に絞ってお伝えいたします。~制度の概要~(国税庁HP 参照)
(1)定額減税の対象者
令和6年所得税について、定額による所得税額の特別控除の適用を受けることができる方は、令和6年分所得税の納税者である居住者で、令和6年分の所得税に係る合計所得金額が1,805 万円以下である方(給与収入のみの場合、給与収入が原則2,000 万円以下の方)です。
(2)定額減税額
特別控除額は次の①②の金額の合計額です。
①本人 30,000 円
②同一生計配偶者又は扶養親族 一人につき 30,000 円
*①②の合計額が、その人の所得税額を超える場合には、その所得税額が限度となります。
(3)定額減税の実施方法
特別控除は、所得の種類によって次の方法により実施されます。
①給与所得者に係る特別控除
令和6年6月1日以後、最初に支払われる給与(又は賞与)について源泉徴収をされる所得税等の額から、特別控除の金額が控除されます。
1回で控除できない金額は、その次に支払われる給与(又は賞与)から順次控除されます。
複数個所から給与を支給されている方については主な給与からのみ控除されます。
②公的年金等の受給者に係る特別控除
令和6年6月1日以後最初に支給される公的年金等(確定給付企業年金等を除く)につき源泉徴収されるべき所得税等の額から特別控除額が控除されます。
1回で控除しきれなかった金額は、その次に支給される年金に係る所得税等から順次控除されます。
③事業所得者等に係る特別控除
原則として、令和6年分の所得税の確定申告の際に、所得税の額から特別控除の額が控除されます。
予定納税の対象となる方については、令和6年7月の第1期予定納税額から本人に係る特別控除の額が控除されます。
配偶者や扶養親族に係る特別控除額については、予定納税額の減額申請の手続きをすることにより控除できます。
第1期で控除しきれなかった金額は第2期の予定納税額から控除されます。
*最終的には、年末調整や確定申告で所得税の減税作業は完結します。
~雑感~
国としては、どうしても「減税」という形を取りたかったのでしょうが、対象者ではない給与収入が年2,000万円を越える見込みの方についても必ずいったん減税しないといけないこととなっており、「定額減税の適用を受けない」という選択もできないこととなっています。(3 月下旬時点。)
給与が高くて子沢山、というご家庭の場合、「いったん減税されるけれど確定申告でその分を全部納税」という事態になり、かえって税金の負担感が増すのでは?
(そして、経理や事務の方にとってはインボイスや電子取引データ保存に続く、負担感激増作業出現です)
と思う今日この頃です。
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