医学博士

広橋整形外科医院

廣橋 昭幸

昭和35年生まれ 久留米大学医学部卒業。久留米大学整形外科医局に在籍し、関連病院・大学病院で勤務後、公立八女総合病院整形外科医長。久留米大学整形外科講師を経て、平成17年より実家である福岡市中央区谷「広橋整形外科医院」で診療。こどもから高齢者までを対象に地域医療に携わっています。

医学博士 日本専門医機構・整形外科専門医・日本整形外科学会・スポーツ認定医、脊椎脊髄認定医、リハビリテーション認定医、リウマチ認定医

〒810-0031
福岡市中央区谷1丁目16-38
広橋整形外科医院
TEL 092-712-1454

この執筆者の過去のコラム一覧

2017/04/10

ロコモ~健康寿命を延ばそう!

メタボ(メタボリック・シンドローム)って言葉は、誰しも聞いたことがあると思います。
日常の会話の中にも「最近、お腹が出てきてさー、メタボだよ」なんて出てくるのではないでしょうか?

メタボは、動脈硬化による心筋梗塞や脳卒中を起こす危険因子である生活習慣病、つまり高血圧、糖尿病、高脂血症を予防する目的で始まりました。国は、そのことにより寿命が延び、医療費が約2兆円削減できると考え一大キャンペーンを展開し、みなさんにもなじみのある言葉となりました。

 では、ロコモって知ってます?

リトル・エヴァという歌手が1962年にアメリカでヒットさせた「ロコモーション」と言う歌があります。ロコモーション=機関車のようなダンスのことを歌ったものです。

骨・関節・筋肉などの身体を動かす仕組みのことを「運動器」と言うのは、すでに説明したところですが、運動器である脚腰の動きがおとろえたら、それがロコモティブ・シンドローム(運動器症候群)通称ロコモです。

身体を動かす仕組み・機能が衰えて、立つ、歩く、走る、登るなど、日常生活に必要な能力が低下し、要介護になったり、介護が必要になる危険の高い状態をいいます。
寝たきりは、本人や、周囲の家族にとって、精神的、金銭的負担を来します。元気で立ち上がり歩けることは、自分のため、家族のため、そして社会のためにも大切なのです。

寿命を延ばすメタボに続き、健康寿命を延ばす意味合いで、国はキャンペーンを始め、新聞やテレビでも取り上げられるようになりました。

 ロコモの診断

次のような症状が1つでもあったらロコモかもしれません。

  1. 片足立ちで靴下がはけない
  2. 家の中でつまづいたりすべったりする
  3. 階段を上るのに手すりが必要である
  4. 家のやや重い仕事が困難である(掃除や布団の上げ下ろし
  5. 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である
  6. 15分くらい続けて歩くことができない
  7. 横断歩道を青信号で渡りきれない

思い当たるところがあったら、運動機能が低下していると自覚して運動をはじめましょう。

ロコモを防止するには

ロコモの防止には、日頃から運動をすることが大切です。

たとえば、腰痛の多くは悪い姿勢や運動不足などの生活習慣から起こります。
運動器はほかの臓器に比べて普段から自分から鍛えやすいので、自分の程度に合わせて運動をしましょう。

1.片足立ち:床につかない程度に片足をあげます。左右1分づつ1日3回行いましょう。(片手をテーブルなどに添えて立ちましょう)

2.スクワット:椅子に腰掛ける一歩手前で我慢。 深呼吸するペースで5~6回繰り返します。 これも1日3回行いましょう。

機関車のように、力強く歩けるよう頑張りましょう。 ・・・ではまた。

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