税理士

あんしん税理士法人

鹿田 幸子

福岡県出身。大学卒業後、大阪の会計事務所にて勤務。帰福後は、福岡の大手会計事務所に勤務し、幅広い業務に携わる。2007年税理士登録。2013年 12月安藤税理士事務所入所。2016年12月法人成(あんしん税理士法人)。社員税理士となる。かかりつけ医のような税理士を目指し日々研鑽中。
資格:税理士

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2024/10/10

マイナンバーカードの健康保険証としての利用開始について

これまでもテレビや新聞などのメディアによる報道がなされてきましたのでご存知の方も多いかもしれませんが、いよいよ令和6年12月2日に既存の健康保険証が廃止され、代わりに、マイナンバーカードを保険証として利用する、いわゆる「マイナ保険証」の本格的な利用が始まります。

少し前からほとんどの医療機関や調剤薬局にはマイナ保険証の読み取り機が置いてありましたが、私が通りすがってきた医療機関等ではほとんどの人が既存の保険証を提示していました。
もちろん私も今日まで既存の保険証を提示していました。

やはり、多くの方々は「マイナンバーカードのような個人情報の宝庫を、他人に開示して良いものか?本当に個人情報は守られているのか?」と漠然とした不安に駆られているのでしょう、私自身も含めて。

そこで、今回は、マイナ保険証利用の概要とともに、厚生労働省のHP に「マイナ保険証利用のメリット」として載っている点についても確認していきます。

マイナ保険証利用の概要など

(1)マイナンバーカードの保険証利用とは

マイナンバーカードを医療機関等で保険証として利用することができ、利用の際には顔認証付きカードリーダーで受付を行います。
これにより、今までよりも正確な本人確認や過去の医療情報の提供に関する同意取得等を行う事ができ、より良い医療を受ける事ができます。

(2)現行の健康保険証の廃止と新規発行終了

現行の健康保険証の発行については令和6年12月2日より終了し、マイナ保険証利用を基本とする仕組みに移行します。
令和6年12月2日時点で有効な健康保険証は最大で1年間(令和7年12月1日まで)使用できる、とする経過措置が設けられています。
それより前に、その保険証の有効期限がきた場合や転職転居などにより異動が生じた場合には、その時点で失効します。

(3)マイナンバーカードを作っていない人などへの対応

健康保険証の発行制度が終了した後に、マイナ保険証や有効な健康保険証をお持ちでない方は、医療機関等の受診の時は「資格確認証」を提示することにより、これまで通りの保険診療を受けることができます。
マイナ保険証等を持っていないご本人の申請ではなく、加入する保険者から「資格確認証」が送付される予定です。

(4)マイナ保険証利用のメリット

(厚生労働省HP には漫画を使ったわかりやすい説明があります)
①データに基づくより良い医療を受けることができる。
おくすり手帳を見せることなく、過去に処方された薬や健診情報を初診でも共有できます。
②手続きなしで高額療養費の限度額を超える支払いが免除される。
③マイナポータルで確定申告時に医療費控除が簡単にできる。

雑感

顔認証などにより、保険証の不正使用防止にはつながりますので、膨らみ続ける医療費負担に思いを馳せると、国全体としてのメリットは大きいだろうと思います。
しかし、人によっては、他人に見られたくない診療記録や薬の処方記録もあるでしょうから、普及にはそれなりに時間がかかることと思われます。

マイナ保険証の普及については、国が各医療機関に補助金や保険点数などで支援して普及につとめていますので、この補助金等さえも無駄にならないことを祈るばかりです。

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