(株)大洋不動産

相続マインズ福岡

小峰 裕子

平成元年より不動産業に従事。不動産におけるすべての判断はオーナーご家族の幸せや将来設計に多大な影響を及ぼすことを実感する。1999年にCFP®資格取得、2000年にNPO法人相続アドバイザー協議会養成講座1期生として研修を受け、相続に強い不動産の専門家として不動産管理運営の相談業務を中心に、セミナー講師や不動産相続のサポート業務を行っている。
大洋不動産常務取締役・相続マインズ福岡代表
CFP®(1級ファイナンシャルプラン技能士)
CPM®(米国公認不動産経営管理士)

この執筆者の過去のコラム一覧

2017/05/10

あなたの知らない管理の話

前回、前々回と、不動産を市場性と収益性から分けたマトリクス表について書かせて頂きました。
今回はシリーズ最終回として、CグループとDグループの不動産を取り上げます。
あなたの不動産に何が起こっているのか、不動産管理会社の本音と現実のお話です。

「リスク管理」のさじ加減

Dグループに属する不動産は築年数が経つものが多く、何かと修繕費がかさみます。そのため収益性、市場性のいずれも低く、リスク管理が必要な不動産です。
何とかユーザーを呼び込もうとしますが、問題はさじ加減です。
家賃は当然安く、お申し込み頂く方々はどうしても年間としての所得が低い方などが対象となります。それなら入居審査が厳しくなるのでは?というと、実はそうでもありません。
管理会社によりますが、一定のルールをクリアすれば入居して頂いています。
この「一定のルール」が問題で、厳格だと空室は拡大する一方、逆に無頓着だと負のスパイラルに陥ります。

地雷が埋まっている

あなたの不動産がDグループなら、地雷はそこら中に埋まっています。
「滞納」「認知症」「孤独死」「虐待」「精神疾患」「殺人」「自殺」「放火」「警察の捜査対象」など、要因が複数に及ぶこともしばしば。入居時は良好だったのに10数年後に躁鬱病で近隣トラブルを起こすようになったり、無断欠勤が続いて会社の人と部屋に向かうと「えっ!」という話はよくあることです。
管理会社同士で、「死体を見ないうちはモグリ」などと、真顔で話します。
ゴミ問題でトラブル続きのユーザー宅に行くと、包丁を手にしたそこの子ども(当時高校生)が玄関にいたこともありました。
怖い話です。

ただ、入居者だって人間です。
その高校生の子どもは、今や成長して事務所にたまに来ますが普通です。
滞納が続く入居者とは、話し合いを重ねます。相手の立場に立ち、まず小さな約束を守ってもらうのです。
やがて滞納は解消します。
今は家賃の保証会社がありますが、それは最近の話です。古い契約や、保証契約が切れている賃貸不動産の管理委託を受けたときは、まず信頼関係を作るところから始めるのです。
精神疾患や孤独死は、オーナへの対応はもちろん連帯保証人や親族と綿密に連絡を取り合います。つまり電話に出てもらうことが必至で、言葉を慎重に選びつつ、言わなければならないことと言ってはならないことを肝に銘じて解決につなげます。

あなたを守るもの、それは法と信頼

空室が減るように、かつ負のスパイラルに陥らないように、管理会社は絶妙なさじ加減であなたの不動産を守ろうとしています。
それでも不測の事態は起こります。世相をいち早く反映するのが不動産です。
孤独死の対応中、遠方に住む息子から、「相続放棄」したことを示す裁判所の文書が届いたこともありました。
そんな時、あなたを守る最後の砦、それは「契約書」つまり「法」です。
そこに「信頼」というエッセンスを数滴。
リスクあるユーザーであるからこそ、あなたと管理会社の信頼関係が肝心要の当事者たるもの。

これがかなえば、あなたの不動産はお宝不動産です。

投資のプロがやっていること

さて最後にCグループ、「家賃設定は高め、入居率は低い」という不動産です。
連載の最初に、最も危険を孕んでいる可能性があるといいました。
実は、不動産投資のプロは今、不動産を売却してどんどん現金に換えています。
近く再開発など行われる予定がなければ、不動産の売却に今以上の好機はやってこないでしょう。2020年の東京オリンピックを過ぎる頃から、不動産の減価要因は確実に増します。
その家賃設定を維持しなければ借入金の返済が出来ないのなら、保有し続けることこそ危険です。
資産の組み替えをするなら今です。

あなたの不動産はどのグループに位置していますか。
そして今も、将来も健全な姿をしていますか。
不動産コンサルタントは実務家です。あなたの不動産の問題点を指摘するだけでなく、解決につながるなら幸いです。

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