2017/06/10
病んだ不動産への処方箋-1
リノベーションを施した、いわゆるデザイナーズ賃貸物件が注目を集めています。
リノベーションとは、間取りを変えたり水回りを取り替えたり、場合によっては配管から変えてしまったりするなど、見た目だけでなく住まいとしての性能を良くしたり、今風にする工事を言います。
退去後にクロスを貼り替えたりする比較的小規模な原状回復のリフォーム工事には止まらない工事が、リノベーションです。
リノベーションの工事費には減価償却費として計上できるものもあり、毎年の税金対策にもなります。
管理会社からの提案に迷う
ご所有の賃貸不動産をリノベーションするかどうか、悩んでいるとのご相談がありました。
そのマンションは3階建て全18戸のワンルームアパートでしたが、入居率はなんと50%にも満たない状態でした。
それで管理会社からリノベーションの提案を受けていたのです。
工事にかかる費用は1部屋120万円です。ただし、5部屋まとめて工事するなら1部屋80万円でいいとのこと、しかも半年は1部屋あたり家賃4万円で借り上げてくれるそうです。
計算すると半年間は5部屋分の120万円の収入は約束されていますが、そのために400万円の投資が必要だという話を、持ちかけられていたのでした。
管理会社からは「工事費は2年足らずで回収できます。リノベーションをすれば家賃も値上げが見込めますよ」という説明を受けていました。
確かにその通りです。ただし、需要があればの話です。
いちばんは緊急事態を脱すること
調べてみると、周辺の同様物件の家賃相場は3万円程度でした。残念ながら立地があまりよくなかったのです。
その上、現地を見せて頂くと、南側バルコニーの前に工場が建っており、日当たりも環境もよくありません。
需要としては厳しい状況でした。
半年間4万円という家賃保証をしてまで、リノベーションをするメリットは誰にあるのでしょうか。
そこで最低限必要なリフォームだけ行うようにアドバイスをして、家賃を相場より下げて募集を開始してもらったところ、3ヶ月ほどで満室になりました。
入居率50%という緊急事態を、まず脱出することを優先したのです。
ご相談に来られたときの厳しい表情が、肩の荷が下りたのかだんだん明るくなってきました。
そして次に空室になったときの募集からは、家賃を相場に戻しました。
つまりリノベーションへの投資という資金流出より先に、Aさんの手元資金を正常に増加させることを先決したわけです。
その経営判断は正しいですか
空室に悩んでご相談に来られる方は、固定資産税の支払いにさえ困っている方も多いです。
家賃収入が思うように得られないため、手元に残る資金が少なすぎるのです。
負けが込んだ時に資金を追加するのは強気なギャンブラーだけなように、空室で病んだ賃貸不動産への処方箋は何よりも傷の手当てが優先です。
リノベーションという選択は、古めかしく見向きもされないお部屋を再びよみがえさせるアンチエイジング投資です。
「やるメリット」と「やらないメリット」、それから「やらないデメリット」もあります。
その経営判断は正しいですか。
まず、あなたが取り組まなければならないのは、賃貸物件としてどれだけ市場性があるかの見極めです。
家賃収入は不労所得ですが、需要がなければただの幻想です。
あなたはご自分の不動産の価値を高めたいですか?減少をくい止めるために、あなたが次になすべき経営判断は何ですか?
そのために不動産のプロが判断とする基準を、次は書きたいと思います。
リノベーションを施した、いわゆるデザイナーズ賃貸物件が注目を集めています。
リノベーションとは、間取りを変えたり水回りを取り替えたり、場合によっては配管から変えてしまったりするなど、見た目だけでなく住まいとしての性能を良くしたり、今風にする工事を言います。
退去後にクロスを貼り替えたりする比較的小規模な原状回復のリフォーム工事には止まらない工事が、リノベーションです。
リノベーションの工事費には減価償却費として計上できるものもあり、毎年の税金対策にもなります。
管理会社からの提案に迷う
ご所有の賃貸不動産をリノベーションするかどうか、悩んでいるとのご相談がありました。
そのマンションは3階建て全18戸のワンルームアパートでしたが、入居率はなんと50%にも満たない状態でした。
それで管理会社からリノベーションの提案を受けていたのです。
工事にかかる費用は1部屋120万円です。ただし、5部屋まとめて工事するなら1部屋80万円でいいとのこと、しかも半年は1部屋あたり家賃4万円で借り上げてくれるそうです。
計算すると半年間は5部屋分の120万円の収入は約束されていますが、そのために400万円の投資が必要だという話を、持ちかけられていたのでした。
管理会社からは「工事費は2年足らずで回収できます。リノベーションをすれば家賃も値上げが見込めますよ」という説明を受けていました。
確かにその通りです。ただし、需要があればの話です。
いちばんは緊急事態を脱すること
調べてみると、周辺の同様物件の家賃相場は3万円程度でした。残念ながら立地があまりよくなかったのです。
その上、現地を見せて頂くと、南側バルコニーの前に工場が建っており、日当たりも環境もよくありません。
需要としては厳しい状況でした。
半年間4万円という家賃保証をしてまで、リノベーションをするメリットは誰にあるのでしょうか。
そこで最低限必要なリフォームだけ行うようにアドバイスをして、家賃を相場より下げて募集を開始してもらったところ、3ヶ月ほどで満室になりました。
入居率50%という緊急事態を、まず脱出することを優先したのです。
ご相談に来られたときの厳しい表情が、肩の荷が下りたのかだんだん明るくなってきました。
そして次に空室になったときの募集からは、家賃を相場に戻しました。
つまりリノベーションへの投資という資金流出より先に、Aさんの手元資金を正常に増加させることを先決したわけです。
その経営判断は正しいですか
空室に悩んでご相談に来られる方は、固定資産税の支払いにさえ困っている方も多いです。
家賃収入が思うように得られないため、手元に残る資金が少なすぎるのです。
負けが込んだ時に資金を追加するのは強気なギャンブラーだけなように、空室で病んだ賃貸不動産への処方箋は何よりも傷の手当てが優先です。
リノベーションという選択は、古めかしく見向きもされないお部屋を再びよみがえさせるアンチエイジング投資です。
「やるメリット」と「やらないメリット」、それから「やらないデメリット」もあります。
その経営判断は正しいですか。
まず、あなたが取り組まなければならないのは、賃貸物件としてどれだけ市場性があるかの見極めです。
家賃収入は不労所得ですが、需要がなければただの幻想です。
あなたはご自分の不動産の価値を高めたいですか?減少をくい止めるために、あなたが次になすべき経営判断は何ですか?
そのために不動産のプロが判断とする基準を、次は書きたいと思います。
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