2017/08/10
IMFの世界経済見通しから、潮目の変化を見つける
老後のお金の不安解消アドバイザーの久保逸郎です。
7月24日に国際通貨基金(IMF)が最新の世界経済見通しを発表しました。
このIMFが発表する世界経済見通しはその国際機関としての役割から注目が高く、また、世界に与える影響も大きいことから私自身とても重要視しています。
今回の見通しでは2017年の世界経済成長率は3.5%、2018年に3.6%となっていて、全体的な数字だけを見れば据え置きと考えられるかもしれません。
しかし、その内訳を見ると世界経済のけん引役が変わりつつあることが見てとれます。
世界経済のけん引役が米国から欧州(ユーロ圏)と日本に変化
例えば、ここ数年世界経済のリード役となってきた2017年の米国の成長見通しは、トランプ政権下での財政政策に不透明感があることから、4月に発表されたものから0.2ポイント引き下げられ、2.1%の成長見通しとされました。
2018年に至っては0.4%も引き下げられて、2.1%の成長見通しに下方修正をされています。
その反対に成長見通しを引き上げられたのが先進国では欧州(ユーロ圏)と日本です。
ユーロ圏についてはフランス・ドイツ・イタリア・スペインなどの成長が足元良好なこともあって、2017年が1.9%(4月の予想から0.2ポイント上昇)、2018年は1.7%(同0.1ポイント上昇)と上方修正されました。
また、日本については今年1-3月期の個人消費・投資・輸出が堅調であったことから、2017年は1.3%(同0.1ポイント上昇)とわずかですが引き上げとなりました。
足元の株価水準でいくと、米国の株価水準には割高感がある一方で、ユーロ圏と日本については適正または少し割安感があるといえる水準だと思われますので、株式投資などを行っている方はこの機会にポートフォリオのバランスを見直してみると良いかもしれません。
割安感のある新興国の株価水準は魅力
それと忘れてはいけないのが新興国です。
新興国は2015年から2016年にかけては原油などの資源価格下落の影響から落ち込む場面がありましたが、中国やインドなどの輸入国にとっては大きな恩恵になることもあり、昨年後半あたりから経済成長が加速しています。
今回の見通しにおいても、2017年は4.6%、2018年は4.8%と経済成長見通しは徐々に高まる見通しになっています。
とくに中国が緩和的政策や、過剰生産能力の解消努力などの効果が表れてきていることから、2017年は6.7%(同0.1ポイント上昇)、2018年は6.4%(同0.2ポイント上昇)と上方修正されたことを見逃してはいけません。
もちろん中国の金融政策については、IMFも世界経済が抱えるリスクの一つとして考えているようですが、それは短期的なものではなく、あくまでも中期的なものとしての捉え方です。
個人的にも、中国については不動産バブル等の懸念は時期尚早であると考えていて、今後の推移を見守る段階であろうと考えています。
2016年の水準ほどではないものの、新興国の株価水準にはまだまだ割安感がある上、今後経済成長とともに企業利益の上昇が見込まれることから、現在の新興国の株価水準は魅力的位置にあると感じています。
潮目の変化を見逃さない
投資の収益は「成長の果実」を受け取るものです。
これから伸びる地域や国・企業に目を付けることは大切なので、IMFの世界経済見通しはできればしっかりと確認をしていただきたいですね。
その上で今回のように潮目の変化に気づくことができれば、高値掴みをしてしまうことなど、投資で失敗してしまうリスクを相当減らすことができるはずです。
プロの投資家と一般投資家の大きな違いに、このような潮目の変化に早く気づくことがあるのですよ。
国際通貨基金(IMF)のホームページ
http://www.imf.org/external/japanese/index.htm
老後のお金の不安解消アドバイザーの久保逸郎です。
7月24日に国際通貨基金(IMF)が最新の世界経済見通しを発表しました。
このIMFが発表する世界経済見通しはその国際機関としての役割から注目が高く、また、世界に与える影響も大きいことから私自身とても重要視しています。
今回の見通しでは2017年の世界経済成長率は3.5%、2018年に3.6%となっていて、全体的な数字だけを見れば据え置きと考えられるかもしれません。
しかし、その内訳を見ると世界経済のけん引役が変わりつつあることが見てとれます。
世界経済のけん引役が米国から欧州(ユーロ圏)と日本に変化
例えば、ここ数年世界経済のリード役となってきた2017年の米国の成長見通しは、トランプ政権下での財政政策に不透明感があることから、4月に発表されたものから0.2ポイント引き下げられ、2.1%の成長見通しとされました。
2018年に至っては0.4%も引き下げられて、2.1%の成長見通しに下方修正をされています。
その反対に成長見通しを引き上げられたのが先進国では欧州(ユーロ圏)と日本です。
ユーロ圏についてはフランス・ドイツ・イタリア・スペインなどの成長が足元良好なこともあって、2017年が1.9%(4月の予想から0.2ポイント上昇)、2018年は1.7%(同0.1ポイント上昇)と上方修正されました。
また、日本については今年1-3月期の個人消費・投資・輸出が堅調であったことから、2017年は1.3%(同0.1ポイント上昇)とわずかですが引き上げとなりました。
足元の株価水準でいくと、米国の株価水準には割高感がある一方で、ユーロ圏と日本については適正または少し割安感があるといえる水準だと思われますので、株式投資などを行っている方はこの機会にポートフォリオのバランスを見直してみると良いかもしれません。
割安感のある新興国の株価水準は魅力
それと忘れてはいけないのが新興国です。
新興国は2015年から2016年にかけては原油などの資源価格下落の影響から落ち込む場面がありましたが、中国やインドなどの輸入国にとっては大きな恩恵になることもあり、昨年後半あたりから経済成長が加速しています。
今回の見通しにおいても、2017年は4.6%、2018年は4.8%と経済成長見通しは徐々に高まる見通しになっています。
とくに中国が緩和的政策や、過剰生産能力の解消努力などの効果が表れてきていることから、2017年は6.7%(同0.1ポイント上昇)、2018年は6.4%(同0.2ポイント上昇)と上方修正されたことを見逃してはいけません。
もちろん中国の金融政策については、IMFも世界経済が抱えるリスクの一つとして考えているようですが、それは短期的なものではなく、あくまでも中期的なものとしての捉え方です。
個人的にも、中国については不動産バブル等の懸念は時期尚早であると考えていて、今後の推移を見守る段階であろうと考えています。
2016年の水準ほどではないものの、新興国の株価水準にはまだまだ割安感がある上、今後経済成長とともに企業利益の上昇が見込まれることから、現在の新興国の株価水準は魅力的位置にあると感じています。
潮目の変化を見逃さない
投資の収益は「成長の果実」を受け取るものです。
これから伸びる地域や国・企業に目を付けることは大切なので、IMFの世界経済見通しはできればしっかりと確認をしていただきたいですね。
その上で今回のように潮目の変化に気づくことができれば、高値掴みをしてしまうことなど、投資で失敗してしまうリスクを相当減らすことができるはずです。
プロの投資家と一般投資家の大きな違いに、このような潮目の変化に早く気づくことがあるのですよ。
国際通貨基金(IMF)のホームページ
http://www.imf.org/external/japanese/index.htm
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