2017/09/10
「高齢者お断り?」終の住処と賃貸住宅
「Hさん、お久しぶりです!」
3年前の秋のことでした。
Hさん(当時75才・男性)は20年程前に私たち大洋不動産が管理するアパートの建替に伴い、引っ越して行かれた方でした。高齢となりアパート2階への上り下りが辛くなり、お世話になっていたヘルパーさんやケアマネージャーのすすめで引越を決意されたとのこと。
ただ引越先を探すために不動産会社を回っても、お部屋を紹介されるには至らなかったと言います。
理由はHさんの年齢です。困ったケアマネージャーが福岡市社会福祉協議会に話を持ちかけたところ弊社を紹介され、20数年ぶりの再会となったわけです。
リスクを知って管理し、低減する。
誰でも年は取ります。高齢であることだけで、受け入れを拒む理由はありません。
それで以前から行政が取り組む高齢者賃貸住宅施策には、高い関心を持っていました。ただ行政がやることは仕組みが使いにくく、普及はしませんでした。
ところがです。とうとう国が動きました。平成26年、厚生労働省の「低所得高齢者等の住まいと生活支援モデル事業」に、福岡市社会福祉協議会(以下、市社協)が選ばれたのです。以前から協力関係にあった大洋不動産に、早速話が舞い込んだというわけでした。
緊急時の連絡先は確保は?
室内で倒れたら?
死亡したら?
残された荷物の処分は?
リスクは入居者が高齢になるほど増します。
どう対処すべきか、市社協が関わることで、高齢者と民間事業者の溝を埋めるプラットホームがモデル事業として構築されました。
Hさんには、このプラットホームのサービスを利用してもらうことにしました。
コーディネート~その溝は必ず埋める
「見守りサービス」(平日毎日電話をかけてもらう・無料)に加入して頂くことに加えて、これまで通り生活支援サービスや介護保険サービスなども継続します。また死後の残存家財処分と、敷金や原状回復工事など契約に関する死後事務委任は、有料ですがNPOや事業者と契約を結んでもらいました。
もちろん、リスクがゼロになったわけではありません。ただ、こうしたリスクは普通の単身世帯にも起こりうることではないでしょうか。
プラットホームによるサービスとしては、他にも遺言や後見など専門相談や埋葬、納骨も提供されています。この中から、弊社が入居の要件とするサービス、市社協が必要と考えるサービス、それと本人の希望をコーディネートして契約に至ります。
ただHさんの例によらず、アパートオーナーの賛同を得ることがはじめの一歩です。
理解あるオーナーのおかげで、市社協モデル事業契約第1号として新聞に掲載されました。
終の住みかをどこで過ごしたいか、高齢だから選べないのはとても悲しいことです。
「車の運転をやめたから買い物に便利なところに引っ越したい」「夫が他界したので、狭くても良いからもう少し安く住める部屋に引っ越したい」。
もっともな理由ではないでしょうか。
超高齢社会において、高齢を理由にお部屋をご紹介しないのは、社会の要請に応えるノウハウがない不動産会社であると宣言するようなものです。
Hさんは入居から2年後の冬、アパートでの在宅介護が難しくなり、施設に移られた後お亡くなりになりました。
誰も困らせないという素晴らしい選択
Hさんはお金持ちというわけではなかったようですが、お亡くなりになる直前までご自分が選んだ終の住みかで暮らしました。
亡くなった後も、誰を困らせることもなく安らかです。
ひとは、財産については最後まで自分で責任を取ることはできません。
Hさんの生前のご決断と選択は素晴らしいことですし、関われたことを幸せに思います。
「高齢者の入居を断らない管理会社」それは、何よりオーナーの信頼がベースにあってこそです。
若くして入居しても、長年住み続けて頂けば状況も変わります。
家族関係が希薄になった今、管理会社にとって高齢になった入居者とのお付き合いも大事な仕事のひとつです。
「Hさん、お久しぶりです!」
3年前の秋のことでした。
Hさん(当時75才・男性)は20年程前に私たち大洋不動産が管理するアパートの建替に伴い、引っ越して行かれた方でした。高齢となりアパート2階への上り下りが辛くなり、お世話になっていたヘルパーさんやケアマネージャーのすすめで引越を決意されたとのこと。
ただ引越先を探すために不動産会社を回っても、お部屋を紹介されるには至らなかったと言います。
理由はHさんの年齢です。困ったケアマネージャーが福岡市社会福祉協議会に話を持ちかけたところ弊社を紹介され、20数年ぶりの再会となったわけです。
リスクを知って管理し、低減する。
誰でも年は取ります。高齢であることだけで、受け入れを拒む理由はありません。
それで以前から行政が取り組む高齢者賃貸住宅施策には、高い関心を持っていました。ただ行政がやることは仕組みが使いにくく、普及はしませんでした。
ところがです。とうとう国が動きました。平成26年、厚生労働省の「低所得高齢者等の住まいと生活支援モデル事業」に、福岡市社会福祉協議会(以下、市社協)が選ばれたのです。以前から協力関係にあった大洋不動産に、早速話が舞い込んだというわけでした。
緊急時の連絡先は確保は?
室内で倒れたら?
死亡したら?
残された荷物の処分は?
リスクは入居者が高齢になるほど増します。
どう対処すべきか、市社協が関わることで、高齢者と民間事業者の溝を埋めるプラットホームがモデル事業として構築されました。
Hさんには、このプラットホームのサービスを利用してもらうことにしました。
コーディネート~その溝は必ず埋める
「見守りサービス」(平日毎日電話をかけてもらう・無料)に加入して頂くことに加えて、これまで通り生活支援サービスや介護保険サービスなども継続します。また死後の残存家財処分と、敷金や原状回復工事など契約に関する死後事務委任は、有料ですがNPOや事業者と契約を結んでもらいました。
もちろん、リスクがゼロになったわけではありません。ただ、こうしたリスクは普通の単身世帯にも起こりうることではないでしょうか。
プラットホームによるサービスとしては、他にも遺言や後見など専門相談や埋葬、納骨も提供されています。この中から、弊社が入居の要件とするサービス、市社協が必要と考えるサービス、それと本人の希望をコーディネートして契約に至ります。
ただHさんの例によらず、アパートオーナーの賛同を得ることがはじめの一歩です。
理解あるオーナーのおかげで、市社協モデル事業契約第1号として新聞に掲載されました。
終の住みかをどこで過ごしたいか、高齢だから選べないのはとても悲しいことです。
「車の運転をやめたから買い物に便利なところに引っ越したい」「夫が他界したので、狭くても良いからもう少し安く住める部屋に引っ越したい」。
もっともな理由ではないでしょうか。
超高齢社会において、高齢を理由にお部屋をご紹介しないのは、社会の要請に応えるノウハウがない不動産会社であると宣言するようなものです。
Hさんは入居から2年後の冬、アパートでの在宅介護が難しくなり、施設に移られた後お亡くなりになりました。
誰も困らせないという素晴らしい選択
Hさんはお金持ちというわけではなかったようですが、お亡くなりになる直前までご自分が選んだ終の住みかで暮らしました。
亡くなった後も、誰を困らせることもなく安らかです。
ひとは、財産については最後まで自分で責任を取ることはできません。
Hさんの生前のご決断と選択は素晴らしいことですし、関われたことを幸せに思います。
「高齢者の入居を断らない管理会社」それは、何よりオーナーの信頼がベースにあってこそです。
若くして入居しても、長年住み続けて頂けば状況も変わります。
家族関係が希薄になった今、管理会社にとって高齢になった入居者とのお付き合いも大事な仕事のひとつです。
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