(株)大洋不動産

相続マインズ福岡

小峰 裕子

平成元年より不動産業に従事。不動産におけるすべての判断はオーナーご家族の幸せや将来設計に多大な影響を及ぼすことを実感する。1999年にCFP®資格取得、2000年にNPO法人相続アドバイザー協議会養成講座1期生として研修を受け、相続に強い不動産の専門家として不動産管理運営の相談業務を中心に、セミナー講師や不動産相続のサポート業務を行っている。
大洋不動産常務取締役・相続マインズ福岡代表
CFP®(1級ファイナンシャルプラン技能士)
CPM®(米国公認不動産経営管理士)

この執筆者の過去のコラム一覧

2017/11/10

プロ野球日本シリーズと空室率

プロ野球日本シリーズが終わりました。
野球ファンでなくてもご存知のように、今はクライマックスシリーズ(略してCS)があります。長いペナントレースを戦い抜きダントツでリーグ優勝しても、すんなり日本シリーズというわけにはまいりません。
今年は広島カープが泣きました。ソフトバンクホークスもかなり危なかったです。
「いいゲームだった」「ホームで優勝して良かった」と言う声も多く聞かれます。が、私は「いいゲームより早く決めてスカッとしたい!敵地で胴上げでも構わない!」なんて思ってまして、それを言うとベイスターズファンから間違いなく叱責を受けますね。興行的には大成功でしたが、あと1戦やってたら優勝持っていかれたかもと思うと、モヤモヤが残る日本シリーズでした。

宿泊先のホテル確保と稼働率

モヤモヤと言えば、日本シリーズに出場するとなればチームが宿泊するホテルです。
ペナントレース中は常宿のホテルがあるでしょう。ところが今年のベイスターズのようにクライマックスで勝ち上がった!となった場合、宿泊先をどうやって押さえたのかな?と不思議に感じます。
福岡はホテルが全く足りていません。11月の連休中に、それなりの部屋数を押さえるのは大変なはずです。
常宿ホテルが自チームと他チームのために、予約を入れずに空室にしておくのでしょうか。ホテル側の経営事情からいえば、稼働率が下がります。稼働率をかけて総力戦で応援しているとしたら、すごく尊敬してしまいます。
なぜなら、ホテルの稼働率というのは賃貸不動産の経営にとって空室率と同義ととらえることも可能だからです。どういうことでしょう。

時点ベースの空室率か、稼働ベースの空室率か

数年前のことです。相続の勉強仲間でもある中田さん(仮名)が、賃貸マンションの広告案内を持って来店されました。
生命保険販売代理店としてお客さまの信頼も厚く、身の上相談を受けることもしばしばという、40代半ばの紳士です。
聞けば不動産投資を始めたいそうで、「こちらの物件を薦められたけど…。決断する前に意見して欲しい」とのことで、見せてもらいました。
3階建で全15戸の中古マンション、空室率は10%とありました。中田さんは13~14戸が常に入居中と考え、そのくらいならばと前向きに検討したいようです。
図を例にご説明しますと、確かに広告を作成した時点(11月)の空室率は10%です。


しかし3月はどうでしょう。5室空いてますから、空室率は33%に上がります。6月は20%、8月は16%と、時点ベースでの空室率は変動しています。
投資物件として検討するなら、年間の稼働ベースから算出した空室率を
見ておく必要があります。
この例では1年間に稼働する戸数は180戸です。


そのうち、144戸は入居中ですが、残り36戸が稼働していないことになります。
36戸÷180戸=稼働ベースでの空室率は20%ということになります。

不動産の状況を知る重要な指標

中田さんが投資先として検討中の中古マンションの空室率は10%です。
もしこれが稼働ベースでの空室率だとすると、1戸が空室なら18ヶ月ずっと入居が決まらない状態です。2戸なら9ヶ月間、3戸なら6ヶ月間、4戸なら4.5ヶ月間、6戸なら入居が決まらない状態が3ヶ月間続いている賃貸マンションなのです。
これって結構、管理会社としては慌てなければいけない状態で、信用問題に発展しかねない数字です。20%なんて論外なわけです。

 


例えば1戸あたりの平均居住期間を3年とします。36ヶ月です。
1ヶ月後に入居が決まったら空室率は1ヶ月÷36ヶ月=2.7%です。
年間の稼働ベースでの空室率をどれだけ引き下げることができるか、管理会社の手腕が問われる真っ向勝負の数字であり、不動産投資を検討中の中田さんにとっては、収益を左右する重要な指標となる数字です。
早速、過去の入居状況を確認してみることにして、中田さんはその場を後にされました。

さて、話しは戻って日本シリーズの宿泊先、どうやって調達したのでしょうね。
ご贔屓チームの成績次第というホテル各位に、敬意を表したいと思います。
ホークス優勝万歳!

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