2017/12/10
続!ストレスとからだ
頚(くび)? 肩?
外来の診察には頚(くび)から肩・腕の不調を訴えて来院される患者さんが多数いらっしゃいます。
10代の学生から高齢者まで。最近では、なかでも20代、30代の若者が目を引きます。その多くはパソコンを使った事務作業です。
「肩が痛い」と言われる場所の中には、首筋(くびすじ)を指されることがよくあります。整形外科的には首筋は頚部の一部であり、肩は、あくまでも肩関節を指します。
これは、首筋の痛みを「肩こり」と表現することに由来すると思います。
テクノ・ストレス
では、パソコンを使った作業に話をもどしましょう。パソコン(パーソナル・コンピューター)は普及し、私たちの生活・仕事に欠かせない物となりました。
それに伴って、パソコンを使って作業する人に身体の不調が目立つようになりました。
昔であれば「肩こり・頚の痛み」はお父さん、お母さん世代の訴えで、みなさんも両親の肩をトントン叩いた覚えがあるでしょう。
しかし、今では若い人にも珍しくない症状となりました。小学生でさえ受診してくることもあります。
さらに、その症状は首筋の痛みだけにとどまらず、眼の症状、頭痛、胸の圧迫感、腹痛、下痢、意欲減退、抑うつ・・・など様々です。そのため仕事の効率は落ち、一層のジレンマに陥ります。今まで楽しんできたスポーツや趣味がつまらなくなったり、周囲との交流も減り、家庭不和となったりします。
中にはパニック障害を起こしてしまうこともあるようです。
そのような症状をテクノ・ストレス=VDT(Visual Display Terminal)症候群と呼んだりします。
そのような社員を使っている事業主は、社員間の交流や、一人の人間として尊重される職場環境を考え、会社の業績をあげるためには、そこで働く社員の Quality Of Lifeの向上を気にかけることが重要だと思いますよ。
僧侶の帽子!?
首筋の筋肉の最大なものは「僧帽筋」=僧侶の帽子に似ていることから。後頭部から肩・背中へ広がって付いています。身体の大部分は身体の中心である脊柱とつながっていますが、肩関節である腕と肩甲骨はワンセットで、肩甲骨は背中に乗かっているだけで身体の中心とは鎖骨1本でつながっているのみです。ですから、その腕・肩甲骨を上へつり上げているのは・・・そうです、僧帽筋はじめ頚周囲の筋肉となります。
たとえば・・・
★パソコンのキーボードが手前にあると、手先だけ机にのっていて、腕が下ってしまいます。=頚周囲の筋肉がそれを持ち上げるように頑張らなくてはなりませんし、無理に引っ張られたりします。ですから、机を広く使って腕が落ちないように机に乗せた状態にしましょう。あるいは、引き出しを出して腕を乗せるだとか、椅子の肘置きを使うとかするとよいでしょう。
★顎が上がった姿勢=頚の筋肉が収縮して後頭部を引っ張ることで顎があがります。ですから、パソコンのモニターは少し顎を引いて見下ろす感じで。ましてや、腹ばいで携帯いじったり、本を読んだりはアウト!それに、棚の上を整理したり、洗濯物を干したり・・・面倒くさがらずにちょっと台を用意しましょう。
★動かない・・・筋肉を使っていないわけではありません。パソコンのデスク・ワーク。ついつい集中して同じ姿勢が続きます。その間、筋肉は同じ姿勢をキープしようと健気に頑張っているのです(笑)
同じ姿勢を続けることはよくないようです。
電車に座っていても、みんな様々な格好で座っていますね。居心地が悪くなると、脚を組み替えたり、身体をよじったり・・・行儀悪くも見えますが、同じ姿勢を続けないように自然とやっているのかもしれません。
そこでアドバイス
1〜2時間パソコンとにらめっこしたら、画面から目を離して少し休憩。頚を動かしたり、肩を回したりしてください。肩甲骨を動かす事で、頚の筋肉たちをリラックスさせることができます。
- 座ったままでいいので、万歳したままお辞儀をします。そして、その手でさらに遠くに手を伸ばす感じ。=肩甲骨を開きます。
- 座ったまま、首をすくめます。そして、その肩を後ろへ・・・そしてそのままゆっくり下に下げます。肩甲骨を閉じます。=これが正しい位置関係。猫背になっていませんか?
お試しあれ(笑)
では、またお会いしましょう。
頚(くび)? 肩?
外来の診察には頚(くび)から肩・腕の不調を訴えて来院される患者さんが多数いらっしゃいます。
10代の学生から高齢者まで。最近では、なかでも20代、30代の若者が目を引きます。その多くはパソコンを使った事務作業です。
「肩が痛い」と言われる場所の中には、首筋(くびすじ)を指されることがよくあります。整形外科的には首筋は頚部の一部であり、肩は、あくまでも肩関節を指します。
これは、首筋の痛みを「肩こり」と表現することに由来すると思います。
テクノ・ストレス
では、パソコンを使った作業に話をもどしましょう。パソコン(パーソナル・コンピューター)は普及し、私たちの生活・仕事に欠かせない物となりました。
それに伴って、パソコンを使って作業する人に身体の不調が目立つようになりました。
昔であれば「肩こり・頚の痛み」はお父さん、お母さん世代の訴えで、みなさんも両親の肩をトントン叩いた覚えがあるでしょう。
しかし、今では若い人にも珍しくない症状となりました。小学生でさえ受診してくることもあります。
さらに、その症状は首筋の痛みだけにとどまらず、眼の症状、頭痛、胸の圧迫感、腹痛、下痢、意欲減退、抑うつ・・・など様々です。そのため仕事の効率は落ち、一層のジレンマに陥ります。今まで楽しんできたスポーツや趣味がつまらなくなったり、周囲との交流も減り、家庭不和となったりします。
中にはパニック障害を起こしてしまうこともあるようです。
そのような症状をテクノ・ストレス=VDT(Visual Display Terminal)症候群と呼んだりします。
そのような社員を使っている事業主は、社員間の交流や、一人の人間として尊重される職場環境を考え、会社の業績をあげるためには、そこで働く社員の Quality Of Lifeの向上を気にかけることが重要だと思いますよ。
僧侶の帽子!?
首筋の筋肉の最大なものは「僧帽筋」=僧侶の帽子に似ていることから。後頭部から肩・背中へ広がって付いています。身体の大部分は身体の中心である脊柱とつながっていますが、肩関節である腕と肩甲骨はワンセットで、肩甲骨は背中に乗かっているだけで身体の中心とは鎖骨1本でつながっているのみです。ですから、その腕・肩甲骨を上へつり上げているのは・・・そうです、僧帽筋はじめ頚周囲の筋肉となります。
たとえば・・・
★パソコンのキーボードが手前にあると、手先だけ机にのっていて、腕が下ってしまいます。=頚周囲の筋肉がそれを持ち上げるように頑張らなくてはなりませんし、無理に引っ張られたりします。ですから、机を広く使って腕が落ちないように机に乗せた状態にしましょう。あるいは、引き出しを出して腕を乗せるだとか、椅子の肘置きを使うとかするとよいでしょう。
★顎が上がった姿勢=頚の筋肉が収縮して後頭部を引っ張ることで顎があがります。ですから、パソコンのモニターは少し顎を引いて見下ろす感じで。ましてや、腹ばいで携帯いじったり、本を読んだりはアウト!それに、棚の上を整理したり、洗濯物を干したり・・・面倒くさがらずにちょっと台を用意しましょう。
★動かない・・・筋肉を使っていないわけではありません。パソコンのデスク・ワーク。ついつい集中して同じ姿勢が続きます。その間、筋肉は同じ姿勢をキープしようと健気に頑張っているのです(笑)
同じ姿勢を続けることはよくないようです。
電車に座っていても、みんな様々な格好で座っていますね。居心地が悪くなると、脚を組み替えたり、身体をよじったり・・・行儀悪くも見えますが、同じ姿勢を続けないように自然とやっているのかもしれません。
そこでアドバイス
1〜2時間パソコンとにらめっこしたら、画面から目を離して少し休憩。頚を動かしたり、肩を回したりしてください。肩甲骨を動かす事で、頚の筋肉たちをリラックスさせることができます。
- 座ったままでいいので、万歳したままお辞儀をします。そして、その手でさらに遠くに手を伸ばす感じ。=肩甲骨を開きます。
- 座ったまま、首をすくめます。そして、その肩を後ろへ・・・そしてそのままゆっくり下に下げます。肩甲骨を閉じます。=これが正しい位置関係。猫背になっていませんか?
お試しあれ(笑)
では、またお会いしましょう。
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