2017/12/10
こみね流!「徳」を積む実家の活用法
まさか!実家が空き家問題に?!
「親から相続で譲り受けた田舎の実家、住む人もなく売却も困難な場所で持て余しているんですが、どうしたらいいでしょうか」。というようなご相談、最近増えてきました。売れない、貸せない、なのに固定資産税は払っている、そんな宙ぶらりんな不動産が増えているのです。
理由として、ひとつは人口が減り続ける中で中古住宅市場における需給バランスが崩れてしまったこともあります。
また超高齢社会とも無縁ではなく、多死社会では空き家になる率が高まります。自立した生活が困難となり、施設に移り住んだけど住み慣れた自宅を手放すことができず、そのまま放置している場合もあるでしょう。
人の手が入らず傷んだ家は、地域の安全や景観にも悪影響を与えてしまいます。思い出がたくさん詰まった実家が、ご近所と助け合い暮らす両親がいた実家が、問題となってしまうのは悲しいことです。かといって、実家に戻り暮らすことはできません。こうして全国各地に空き家が増え続けているのです。
わたしにも高齢の親が住む実家があります。「何か力になれないかな」そう思っていたとき、ある人に出会いました。
「無表情な人」がいない
それは思いがけない結びつきでした。在宅看護センターを経営する方から、「すぐ近所に、普通の家で高齢者の方々の暮らしをお世話している場所があるから見学に行かない?」とお誘いを受けたのです。普通の家?
「普通の家で、皆さん普通に暮らしているのよ」と言われ、わたしはすぐに見学の段取りをお願いしました。
川沿いのまっすぐな道を車で15分ほど、橋を渡ると周りは田んぼです。庭先にお布団が干してあります。田舎に良くあるような、本当に普通の家でした。
出迎えてくれたのが田中好(このみ)さん。この場所で老人ホームを経営する看護師さんでした。
食堂に続く居間に招かれて、わたしは嬉しくなりました。そこでは、おじいちゃんやおばあちゃん達が楽しそうにお食事を取っていたのです。漂うお昼ご飯のいい匂いが、給食ではなくお台所で普通に煮炊きして出されたことを教えてくれます。
「お昼時にすみません。見学させてもらいにやって来ました」と言うと、皆さん、にこにこして迎えて下さいます。100歳を超えるという方にもご挨拶をしました。認知症なのだと聞かされましたが、穏やかにほほえんで「こんにちは」と応えて下さいます。無表情なお年寄りなど、ひとりもいらっしゃいません。全てが自然で、穏やかです。
元気な方は、ここからデイサービスに通われて夕方戻ってくるのだとか。介助や看護、医療については、必要に応じて訪問を受けるのだそうです。お部屋はいくつかありましたが、広さに応じておひとりだったり、ご夫婦だったり。お風呂とトイレはバリアフリーに改装したそうですが、他はそのまま、段差もあります。すべてが普通に、当たり前の暮らし方がそこにはあったのです。
「徳」を積む実家に生まれ変わる
施設名は「ひさの」。この家で100歳の大往生を迎えられた、田中さんのおばあさまのお名前です。
あるがままの姿で寿命を迎える、そういう生活を大切にしている「家」があって、人生の終わりを何処でどう過ごしたいか自分で決めたい人がいて、田中さんのようにそれを支えようとする人がいるなんて、言葉にならないくらい魂が揺さぶられました。
普通の暮らしの中で
最後まですごす
もうひとつの家 (「老人ホーム ひさの」のパンフレットより)
例えるなら、高齢者が暮らすシェアハウスです。食器や家具もそのままに、高齢になった持ち主が住み続けているケースもあるのだそうです。
ご家族の歴史が刻まれた大切な実家が、今度は人生の最後を自分らしく過ごしたい、そして過ごして欲しいと願う家族の拠り所として生まれ変わるのです。
空き家問題どころか「徳」を積む実家の未来の始まりです。
空き家の問題は、「親元から離れて住んでいて、実家に戻る予定はない」という方にとっては人ごとではありません。親は高齢になると、ご自分で自宅について考えるのがおっくうになりがちです。認知症の問題もあります。ここでは触れませんが、「家族信託」を使えばいつでも実家の活用は可能です。
「実家どうする?」
今から親子で話しておく、このコラムがきっかけになれば嬉しいです。
【老人ホーム ひさの】〒811-3507 福岡県宗像市多禮594
TEL 0940-62-0576
まさか!実家が空き家問題に?!
「親から相続で譲り受けた田舎の実家、住む人もなく売却も困難な場所で持て余しているんですが、どうしたらいいでしょうか」。というようなご相談、最近増えてきました。売れない、貸せない、なのに固定資産税は払っている、そんな宙ぶらりんな不動産が増えているのです。
理由として、ひとつは人口が減り続ける中で中古住宅市場における需給バランスが崩れてしまったこともあります。
また超高齢社会とも無縁ではなく、多死社会では空き家になる率が高まります。自立した生活が困難となり、施設に移り住んだけど住み慣れた自宅を手放すことができず、そのまま放置している場合もあるでしょう。
人の手が入らず傷んだ家は、地域の安全や景観にも悪影響を与えてしまいます。思い出がたくさん詰まった実家が、ご近所と助け合い暮らす両親がいた実家が、問題となってしまうのは悲しいことです。かといって、実家に戻り暮らすことはできません。こうして全国各地に空き家が増え続けているのです。
わたしにも高齢の親が住む実家があります。「何か力になれないかな」そう思っていたとき、ある人に出会いました。
「無表情な人」がいない
それは思いがけない結びつきでした。在宅看護センターを経営する方から、「すぐ近所に、普通の家で高齢者の方々の暮らしをお世話している場所があるから見学に行かない?」とお誘いを受けたのです。普通の家?
「普通の家で、皆さん普通に暮らしているのよ」と言われ、わたしはすぐに見学の段取りをお願いしました。
川沿いのまっすぐな道を車で15分ほど、橋を渡ると周りは田んぼです。庭先にお布団が干してあります。田舎に良くあるような、本当に普通の家でした。
出迎えてくれたのが田中好(このみ)さん。この場所で老人ホームを経営する看護師さんでした。
食堂に続く居間に招かれて、わたしは嬉しくなりました。そこでは、おじいちゃんやおばあちゃん達が楽しそうにお食事を取っていたのです。漂うお昼ご飯のいい匂いが、給食ではなくお台所で普通に煮炊きして出されたことを教えてくれます。
「お昼時にすみません。見学させてもらいにやって来ました」と言うと、皆さん、にこにこして迎えて下さいます。100歳を超えるという方にもご挨拶をしました。認知症なのだと聞かされましたが、穏やかにほほえんで「こんにちは」と応えて下さいます。無表情なお年寄りなど、ひとりもいらっしゃいません。全てが自然で、穏やかです。
元気な方は、ここからデイサービスに通われて夕方戻ってくるのだとか。介助や看護、医療については、必要に応じて訪問を受けるのだそうです。お部屋はいくつかありましたが、広さに応じておひとりだったり、ご夫婦だったり。お風呂とトイレはバリアフリーに改装したそうですが、他はそのまま、段差もあります。すべてが普通に、当たり前の暮らし方がそこにはあったのです。
「徳」を積む実家に生まれ変わる
施設名は「ひさの」。この家で100歳の大往生を迎えられた、田中さんのおばあさまのお名前です。
あるがままの姿で寿命を迎える、そういう生活を大切にしている「家」があって、人生の終わりを何処でどう過ごしたいか自分で決めたい人がいて、田中さんのようにそれを支えようとする人がいるなんて、言葉にならないくらい魂が揺さぶられました。
普通の暮らしの中で
最後まですごす
もうひとつの家 (「老人ホーム ひさの」のパンフレットより)
例えるなら、高齢者が暮らすシェアハウスです。食器や家具もそのままに、高齢になった持ち主が住み続けているケースもあるのだそうです。
ご家族の歴史が刻まれた大切な実家が、今度は人生の最後を自分らしく過ごしたい、そして過ごして欲しいと願う家族の拠り所として生まれ変わるのです。
空き家問題どころか「徳」を積む実家の未来の始まりです。
空き家の問題は、「親元から離れて住んでいて、実家に戻る予定はない」という方にとっては人ごとではありません。親は高齢になると、ご自分で自宅について考えるのがおっくうになりがちです。認知症の問題もあります。ここでは触れませんが、「家族信託」を使えばいつでも実家の活用は可能です。
「実家どうする?」
今から親子で話しておく、このコラムがきっかけになれば嬉しいです。
【老人ホーム ひさの】〒811-3507 福岡県宗像市多禮594
TEL 0940-62-0576
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