2016/11/10
あなたは「投機」と「投資」の違いを理解して資産運用を行っていますか?
ファイナンシャルプランナー(FP)の久保逸郎です。
10月20日からベトナムのホーチミンに経済視察に行ってきました。
ホーチミンは春にも訪れていますが、今年夏に高島屋がオープンするなどしており、半年前よりさらに発展した印象でした。
ベトナムを訪れて感じたこと
今回は一週間の滞在で時間に余裕があったため、ホーチミンよりも南部のメコン川流域まで行ってきました。
ベトナムを代表する商業都市であるホーチミンとは違って、そこには約50年前の日本の田舎のような風景がありました。
家の庭には鶏が放し飼いにされていて、所々で牛を使って農地を耕している姿も見かけました。
幼少の頃に見た、両親の出身地の鹿児島県の田舎の景色と似ていました。
そのメコン川流域で育ったというベトナムを代表するIT企業に勤める20代の女性と食事をしましたが、一人っ子ですが田舎から出して大学まで行かせてもらい、そこで語学を学んで、現在は世界中に拠点のあるグローバル企業で働いているそうです。
ほかにもダナンという中部の都市出身の方とも食事をしましたが、けっして豊かではない環境の中で大学に行かせてもらい、そこでしっかりと勉強をされたそうです。
だいぶ前になりますが、祖父母から牛を売ったり、親戚からお金を借りて進学資金を準備して、私の父親を東京の大学に進学させた話を聞いたことを思い出しました。
(メコン川流域の市場の様子)
一人当たりのGDPが3000ドルを超えるまでは高成長を期待
さきほど約50年前の日本と書きましたが、実際にベトナムの一人当たりのGDPは約2088ドル(IMF)で、大阪で万博が行われた1970年当時の日本の1967ドル(内閣府)とほぼ同じです。
「3000ドルの壁」という言葉が経済の世界で使われていますが、一般的に一人当たりのGDPが3000ドルを超えるまでは高い成長をして、3000ドルを超えると成長率が下がっていくとされています。
中国は2008年に一人当たりのGDP が3000ドルを超えて、現在は8000ドルも突破していますから、経済成長率が年々下がってきて不思議はありません。
しかし、東アジアに限ってもフィリピン(約2800ドル)、ブータン(約2600ドル)、インド(約1600ドル)など、「3000ドルの壁」を超えていない国はまだ数多くあります。
そのような国々の中には、まさにこれから高い経済成長が期待できる国が多いものです。
成長の恩恵を受け取るのが「投資」
今回このことを書いた理由は、日本では「投機」と「投資」の違いを考えないままに資産運用を行っている方が大変多いからです。
「投資」をしているつもりでも、実際は「投機」と混同をしてしまっている方も多くいます。
「投機」というのは当てにいく運用、つまり株式のデイトレードや多くのFXトレーダーが行っているような「いつ買って、いつ売るか」で値上がり益を中心に追求するタイミング重視の運用手法です。
この「投機」の世界は誰かが勝てば、誰かが必ず負けるというゼロサムの世界です。
大変競争が厳しく、しかも機関投資家(金融機関など)に資金量や情報量では到底及びませんから、個人投資家が長期間にわたって勝ち続けることは難しいのです。
もう一方の「投資」は、これから成長しそうな国や企業などに対して自分が当面使う予定のない余裕資金を預けて、その成長の恩恵をもらっていくものです。
運用スタンスとしては、インカム収入(株主配当や債券の利子収入など)を得ながら、時間をかけてじっくり育てていくことになります。
私自身スイスを拠点に世界の富裕層の資産運用&資産管理を行っている会社の業務に携わっていますが、世界の富裕層はこの「投資」の考えで資産運用を行っています。
その「投資」を行うためには、世界全体を見ながら、これから成長が期待できる国や企業を探すような視点が必要になります。
潜在成長率が0%台にまで落ち込んだ日本から少し目を離して世界に目を向ければ、これから高成長が期待できるようなところはたくさんあります。
これからぜひ世界に目を向けていきましょう。
ファイナンシャルプランナー(FP)の久保逸郎です。
10月20日からベトナムのホーチミンに経済視察に行ってきました。
ホーチミンは春にも訪れていますが、今年夏に高島屋がオープンするなどしており、半年前よりさらに発展した印象でした。
ベトナムを訪れて感じたこと
今回は一週間の滞在で時間に余裕があったため、ホーチミンよりも南部のメコン川流域まで行ってきました。
ベトナムを代表する商業都市であるホーチミンとは違って、そこには約50年前の日本の田舎のような風景がありました。
家の庭には鶏が放し飼いにされていて、所々で牛を使って農地を耕している姿も見かけました。
幼少の頃に見た、両親の出身地の鹿児島県の田舎の景色と似ていました。
そのメコン川流域で育ったというベトナムを代表するIT企業に勤める20代の女性と食事をしましたが、一人っ子ですが田舎から出して大学まで行かせてもらい、そこで語学を学んで、現在は世界中に拠点のあるグローバル企業で働いているそうです。
ほかにもダナンという中部の都市出身の方とも食事をしましたが、けっして豊かではない環境の中で大学に行かせてもらい、そこでしっかりと勉強をされたそうです。
だいぶ前になりますが、祖父母から牛を売ったり、親戚からお金を借りて進学資金を準備して、私の父親を東京の大学に進学させた話を聞いたことを思い出しました。
(メコン川流域の市場の様子)
一人当たりのGDPが3000ドルを超えるまでは高成長を期待
さきほど約50年前の日本と書きましたが、実際にベトナムの一人当たりのGDPは約2088ドル(IMF)で、大阪で万博が行われた1970年当時の日本の1967ドル(内閣府)とほぼ同じです。
「3000ドルの壁」という言葉が経済の世界で使われていますが、一般的に一人当たりのGDPが3000ドルを超えるまでは高い成長をして、3000ドルを超えると成長率が下がっていくとされています。
中国は2008年に一人当たりのGDP が3000ドルを超えて、現在は8000ドルも突破していますから、経済成長率が年々下がってきて不思議はありません。
しかし、東アジアに限ってもフィリピン(約2800ドル)、ブータン(約2600ドル)、インド(約1600ドル)など、「3000ドルの壁」を超えていない国はまだ数多くあります。
そのような国々の中には、まさにこれから高い経済成長が期待できる国が多いものです。
成長の恩恵を受け取るのが「投資」
今回このことを書いた理由は、日本では「投機」と「投資」の違いを考えないままに資産運用を行っている方が大変多いからです。
「投資」をしているつもりでも、実際は「投機」と混同をしてしまっている方も多くいます。
「投機」というのは当てにいく運用、つまり株式のデイトレードや多くのFXトレーダーが行っているような「いつ買って、いつ売るか」で値上がり益を中心に追求するタイミング重視の運用手法です。
この「投機」の世界は誰かが勝てば、誰かが必ず負けるというゼロサムの世界です。
大変競争が厳しく、しかも機関投資家(金融機関など)に資金量や情報量では到底及びませんから、個人投資家が長期間にわたって勝ち続けることは難しいのです。
もう一方の「投資」は、これから成長しそうな国や企業などに対して自分が当面使う予定のない余裕資金を預けて、その成長の恩恵をもらっていくものです。
運用スタンスとしては、インカム収入(株主配当や債券の利子収入など)を得ながら、時間をかけてじっくり育てていくことになります。
私自身スイスを拠点に世界の富裕層の資産運用&資産管理を行っている会社の業務に携わっていますが、世界の富裕層はこの「投資」の考えで資産運用を行っています。
その「投資」を行うためには、世界全体を見ながら、これから成長が期待できる国や企業を探すような視点が必要になります。
潜在成長率が0%台にまで落ち込んだ日本から少し目を離して世界に目を向ければ、これから高成長が期待できるようなところはたくさんあります。
これからぜひ世界に目を向けていきましょう。
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