2018/04/10
男性よりも、女性のほうが投資上手
ファイナンシャルプランナー(FP)として独立をして、今月で16年目に入ることができました。
これまでの約15年間では数多くの世帯に対してライフプランや資産運用のアドバイスを行ってきましたし、多くの投資家の方々とも講演などの機会で接してきました。
そのなかでよく感じていたことが、「男性よりも、女性のほうが投資上手」だということです。
金融機関のセミナー等はもちろん、私がアドバイスをさせていただいているお客様の場合もマーケット(市況)の勉強会などは男性の参加率が高いですし、経済の知識なども男性のほうが持っていることが多いのですが、最終的な運用成績では女性のほうが良好な傾向にあります。
このような運用成績の差を生む原因として、男女のリスク許容度の違いが最も大きいとは気付いていたものの、そのことを論理的に説明ができないでいました。
ところが最近いくつか行動経済学に関する書籍を読んで、そのことを説明する根拠を見つけることができたので、今回はそれをご紹介します。
男性は自信過剰なので相場を当てにいってしまう
日本経済新聞社の「やさしい行動経済学」によれば、3万人以上の顧客の約6年にわたる株式取引記録を分析した研究では、男性顧客の売買頻度は女性顧客よりも約45%も高かったそうです。
この背景には、男性の自信過剰があると分析されています。
自身の相場観に自信を持ってしまっているので、ついつい相場当てにいってしまうのでしょうね。
しかし、結果的にはその相場観はうまく当たらないことが多いようで、男性のほうが年率換算で1%ほど損の度合いが高くなっているとのこと。
相場観への過信の表れだと思います。
勝つことよりも、大きく負けないことのほうが大事
その一方で、女性のほうはリスクをあまり好まない傾向にあります。
この点については数多くの研究データがありますが、例えば50%の確率で1000円当たるクジか、それとも確実にX円もらうか、どちらかを選んでもらうと、女性のほうが確実にX円もらうことを選ぶ割合が高いようです。
女性のほうが男性に比べてリスク回避的であることを示しています。
資産運用の大切なポイントとして、「勝つことよりも、大きく負けないことのほうが大事」ということがあります。
例えば100万円投資をしたとして、今年20%のマイナスを被ったとして、来年に20%上昇したとしても、元の100万円には戻りません。
100万円に戻すには25%の上昇が必要になります。
仮に今年50%負けてしまったとすると、元に戻すためには100%の上昇が必要になるのです。
つまり一度でも大きな損を出してしまうと、それを元に戻すには大変な時間と労力が必要になるのです。
これは例えば日本株がリーマンショック前の水準まで回復するのに10年近い年月がかかったことを見てもわかりますよね。
<東証株価指数(TOPIX)のパフォーマンス>
女性のリスク回避的な思考がリスク・コントロールを上手にしている
男性よりも女性のほうの運用成績が良い理由として、女性のリスク回避的な思考が大きく負けることを防いでいるのだと考えられます。
あまり相場を当てにいかないため、頻繁に投資商品を入れ替えたりはしません。
そのことが結果として長期投資の実行に結びついています。
また、過度にリスクを取るようなことをそれほど好まないので、下落相場が起きたとしても、男性に比べて大きく負けることが少ないのです。
資産運用を行う上で大切なリスク・コントロールが上手ということでもあります。
自信過剰な男性にとっては耳の痛い話しかもしれませんが、このようにデータで示されている以上、それを素直に受け止めて、謙虚な姿勢で資産運用を行ったほうがいいかもしれません。相場を当てるのはプロでも難しいですからね。
あくまでも相場を読むことは難しいと考えて、長期投資や分散投資・積立投資(投資タイミングの分散)といった形で、リスク・コントロールを優先しましょう。
ファイナンシャルプランナー(FP)として独立をして、今月で16年目に入ることができました。
これまでの約15年間では数多くの世帯に対してライフプランや資産運用のアドバイスを行ってきましたし、多くの投資家の方々とも講演などの機会で接してきました。
そのなかでよく感じていたことが、「男性よりも、女性のほうが投資上手」だということです。
金融機関のセミナー等はもちろん、私がアドバイスをさせていただいているお客様の場合もマーケット(市況)の勉強会などは男性の参加率が高いですし、経済の知識なども男性のほうが持っていることが多いのですが、最終的な運用成績では女性のほうが良好な傾向にあります。
このような運用成績の差を生む原因として、男女のリスク許容度の違いが最も大きいとは気付いていたものの、そのことを論理的に説明ができないでいました。
ところが最近いくつか行動経済学に関する書籍を読んで、そのことを説明する根拠を見つけることができたので、今回はそれをご紹介します。
男性は自信過剰なので相場を当てにいってしまう
日本経済新聞社の「やさしい行動経済学」によれば、3万人以上の顧客の約6年にわたる株式取引記録を分析した研究では、男性顧客の売買頻度は女性顧客よりも約45%も高かったそうです。
この背景には、男性の自信過剰があると分析されています。
自身の相場観に自信を持ってしまっているので、ついつい相場当てにいってしまうのでしょうね。
しかし、結果的にはその相場観はうまく当たらないことが多いようで、男性のほうが年率換算で1%ほど損の度合いが高くなっているとのこと。
相場観への過信の表れだと思います。
勝つことよりも、大きく負けないことのほうが大事
その一方で、女性のほうはリスクをあまり好まない傾向にあります。
この点については数多くの研究データがありますが、例えば50%の確率で1000円当たるクジか、それとも確実にX円もらうか、どちらかを選んでもらうと、女性のほうが確実にX円もらうことを選ぶ割合が高いようです。
女性のほうが男性に比べてリスク回避的であることを示しています。
資産運用の大切なポイントとして、「勝つことよりも、大きく負けないことのほうが大事」ということがあります。
例えば100万円投資をしたとして、今年20%のマイナスを被ったとして、来年に20%上昇したとしても、元の100万円には戻りません。
100万円に戻すには25%の上昇が必要になります。
仮に今年50%負けてしまったとすると、元に戻すためには100%の上昇が必要になるのです。
つまり一度でも大きな損を出してしまうと、それを元に戻すには大変な時間と労力が必要になるのです。
これは例えば日本株がリーマンショック前の水準まで回復するのに10年近い年月がかかったことを見てもわかりますよね。
<東証株価指数(TOPIX)のパフォーマンス>
女性のリスク回避的な思考がリスク・コントロールを上手にしている
男性よりも女性のほうの運用成績が良い理由として、女性のリスク回避的な思考が大きく負けることを防いでいるのだと考えられます。
あまり相場を当てにいかないため、頻繁に投資商品を入れ替えたりはしません。
そのことが結果として長期投資の実行に結びついています。
また、過度にリスクを取るようなことをそれほど好まないので、下落相場が起きたとしても、男性に比べて大きく負けることが少ないのです。
資産運用を行う上で大切なリスク・コントロールが上手ということでもあります。
自信過剰な男性にとっては耳の痛い話しかもしれませんが、このようにデータで示されている以上、それを素直に受け止めて、謙虚な姿勢で資産運用を行ったほうがいいかもしれません。相場を当てるのはプロでも難しいですからね。
あくまでも相場を読むことは難しいと考えて、長期投資や分散投資・積立投資(投資タイミングの分散)といった形で、リスク・コントロールを優先しましょう。
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