廣橋 昭幸

医学博士

廣橋 昭幸

昭和35年生まれ 久留米大学医学部卒業。久留米大学整形外科医局に在籍し、関連病院・大学病院で勤務後、公立八女総合病院整形外科医長。久留米大学整形外科講師を経て、平成17年より実家である福岡市中央区谷「広橋整形外科医院」で診療。こどもから高齢者までを対象に地域医療に携わっています。

医学博士 日本専門医機構・整形外科専門医・日本整形外科学会・スポーツ認定医、脊椎脊髄認定医、リハビリテーション認定医、リウマチ認定医

〒810-0031
福岡市中央区谷1丁目16-38
広橋整形外科医院
TEL 092-712-1454

この執筆者の過去のコラム一覧

2018/08/10

続・コツコツ骨粗鬆症(こつそしょうしょう)・・・

こんなことありませんか?

背中や腰が痛む
腰や背中が丸くなってきた
背が低くなってきた
ちょっとつまずいて骨折してしまった。

・・・そんなあなたは骨粗鬆症かもしれません。

家族に太ももの付け根を骨折したひとがいる場合は、骨粗鬆症になりやすいので特に注意しなければなりません。

継続して身体を動かす

骨粗鬆症の対策の基本は、食事、運動、薬です。
骨粗鬆症の予防には、適度な運動を心がけることです。
骨は力がかかることで強くなり、骨を作る細胞が元気になり新しい骨が作られます。また、筋肉が鍛えられると、転びにくくなります。

高齢の方なら、毎日30分ほどの散歩をしたり、積極的に家事をするなど、無理のない範囲で継続して体を動かしましょう。年齢に関係なく運動は骨を強くします。
余談:無重力の影響で、宇宙飛行士が地球に帰ってくると骨粗鬆症になっています。しかし、宇宙船内で運動をしていると骨粗鬆症が抑えられます。

多くの人が、骨粗鬆症の予防は高齢者になってから気をつければよいと考えていますが、最近の研究では、成長期にどれだけカルシウム分を摂取し骨量を高め、質のよい骨を作っておくかが影響しているようです。
人生の中で一番盛んに骨が作られるのが「成長期」ですから納得です。成長期に「良質の骨をしっかり貯金しておけば、老後は安心」ということです。

なぜ骨のカルシウム量が減ってしまうのか?

骨は20〜30代で最も丈夫ですが、その後、年とともに弱くなっていきます。
女性ホルモンの話は前回しましたが、骨を作る細胞の働きが弱まったり、刺激をあたえる運動量が減るほか、腸管からのカルシウムの吸収を助けるビタミンDが不足しカルシウムの吸収が低下することが原因と言われています。

カルシウムをたっぷり、でもバランスよく いつもの食事にもう一品!

カルシウムは骨の原料になるため、特に意識してとる必要があります。

牛乳や乳製品はカルシウムの吸収率が最も高く、効率のよい食品と言われています。豆類・豆製品や魚介類、海草類もカルシウムは多いので、すすんで取りましょう。
また、カルシウム代謝に必要なマグネシウムや、吸収をよくするビタミンDなどもあわせてとると更に効果的です。
一方、動物性タンパク質や、インスタント食品などに含まれているリンを取りすぎるとカルシウムの吸収を妨げてしまいます。
骨を強くするためには様々な栄養素が必要ですが、食事の量を増やしたために体重ばかりが増えてしまっては意味がありません。運動を組み合わせて、カロリーの摂取量と消費量のバランスをとることも重要です。

カルシウムの参考値

牛乳【1本/200g】220mg
ヨーグルト【1カップ/100g】120mg
木綿豆腐【半丁/150g】180mg
小松菜【1本/200g】119mg

カルシウムと併せてマグネシウムもとりましょう。

マグネシウムが不足すると、骨からカルシウムが溶け出してしまいます。
カルシウムとマグネシウムのバランスは、2:1。
ナッツ類、ひじき、わかめ、納豆、バナナ、ほうれん草に含まれています。

ビタミンD

口から入ったカルシウムの約70%はそのまま体外へ出ていきます。その吸収を高めるのがビタミンD。
ビタミンDは、腸に働いてカルシウムを血液に送り込むほか、骨にも働いて骨の細胞の働きを活発にします。ビタミンDは日光浴でも同じように血液中のビタミンDを増やすことができます。
私たちの皮下脂肪にビタミンDの基になるコレステロールの仲間が含まれていて、陽に当たることでビタミンDが作られます。
夏なら木陰で30分、冬場なら1時間も歩けば十分。運動にもつながりますし、食欲増進にも一役買いそうです。
食品だと、鮭一切れ、椎茸2枚、卵1個、鯖、鮪、鰹など背の青い魚に多く含まれています。

ビタミンK

骨形成の働きを促します。納豆1パック、キャベツ2枚、小松菜1株 小松菜にはカルシウムも多いので一石二鳥です。ただし、ワーファリン(抗凝固剤)を飲んでいる人はビタミンKの摂取に注意が必要です。

骨量を増やすために、必要に応じて薬物治療を行います。大切なのは、骨折を未然に防ぐことです。
現在使われている薬は大きく3種類です。

  1. 骨吸収を抑える薬
  2. 骨吸収と骨形成のバランスを整える薬
  3. 骨形成を促す薬

そのほか、ビタミンD製剤を使います。
骨粗鬆症の薬は1〜2週間で効果が出る物ではありません。どのような薬も同じですが、決められた量を、決められた飲み方で、きちんと服用し続けることです。
コツコツと食事・運動・薬・・・丈夫で骨折しない骨を作りましょう。

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